観音埼灯台
世界有数の多忙な海を見守り続ける歴史的な灯台
灯台の上から見る東京湾の大パノラマ
観音埼灯台がある岬は、全体が神奈川県立観音崎公園になっている。海沿いにあるバス停や駐車場から遊歩道を上って10~15分、八角形をした白亜の灯台に着く。ここは全国に3000基以上ある灯台のうち、たった16しかない「のぼれる灯台」だ。早速らせん階段で上がろう。原油を運ぶタンカー、コンテナ船、液化天然ガスを運ぶLNG船、漁船などが行き交う。東京湾の航路は観音埼灯台の前で屈曲しているので、しばらく見ていれば船舶が舵を切っているのがわかるだろう。対岸に見えるのは房総半島の鋸山。目の前の白いタワーは海上保安庁のレーダー施設だ。下へ降りたら資料展示室で灯台の仕組み、役割、歴史についての貴重な資料を見ていこう。
近代日本の夜明けとともに誕生
観音埼灯台の開業は1869年(明治2)の2月11日(旧暦1月1日)。明治維新直後だ。それまで日本の夜の海では寺社の常夜燈を目印にしたり、港の入り口や岬に建てた小屋で木や油を燃やしたりしていた。しかし黒船が来航して開国をしたのち、イギリスなどから「日本の海は暗くて危険。もっと明るい灯台を」と建設を求められ、13の灯台建造を約束。このうち最初に完成したのが観音埼灯台だ。ところが1922年(大正11)の地震で倒壊。翌年再建されたが、わずか半年後に関東大震災でまた倒壊した。1925年(大正14)に再建された3代目の灯台が今日まで活躍しており、現在は免震装置で補強されている。
ロウソク7万7000本分の光
観音埼灯台はレンズを使った洋式灯台としては日本初。11月1日の灯台記念日は観音埼灯台が着工した日で、毎年この日には灯台に万国旗が掲げられる。観音埼灯台では7万7000カンデラ(1カンデラは一般的なロウソク1本分の明るさ)という強力な白い光を15秒ごとにパッパッと2回連続で光らせている。近くの灯台と混同することがないように光り方は灯台によって異なる。たとえば近くの剱埼(つるぎさき)灯台は30秒ごとに白2回と緑1回、安房埼(あわさき)灯台は4秒ごとに白1回、城ヶ島灯台は15秒ごとに白1回だ。ちなみに観音崎公園は観音「崎(ざき)」だが、灯台は観音「埼(さき)」。国土地理院では岬に建つ灯台には伝統的に埼の字を使うそうだ。
灯台守はもういない
1957年(昭和32)に公開された映画『喜びも悲しみも幾年月』。主題曲は流行歌となり、3回もテレビドラマ化された大ヒット作だ。全国の灯台を渡り歩く灯台守(とうだいもり)の物語で、主役の夫婦が最初に赴任したのが観音埼灯台。かつての灯台にはこのように灯台守と呼ばれる職員が駐在して維持管理を行っていた。今では全国の灯台が自動化され、灯台守はすでに日本にはいない。また、レーダーやGPSの普及によって2010年(平成22)にすべての霧信号所が廃止されたため、前述の映画のラストシーンのように船との間で霧笛が交わされる光景も消えてしまった。
スポット詳細
- 住所
- 神奈川県横須賀市鴨居4-1187 地図
- エリア
- 三浦半島エリア
- 電話番号
- 0468410311
- 時間
-
3-9月】
[土日等]8:30-17:00
[平日]9:00-16:30
【10-2月】
[土日等]8:30-16:00
[平日]9:00-16:00
※土日等とは、土日祝、休日、GW(4/29-5/5)、8/10-8/19、12/29-1/3をいう。 - 休業日
-
年中無休
※ただし、荒天や灯台工事に伴い休止する場合あり(その場合は、燈光会HPの観音埼灯台ページでお知らせ) - 料金
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【参観寄付金】
[中学生以上]300円
※小学生以下、障がい者(介助の方1人まで)の方は無料 - 駐車場
-
なし
※ただし、灯台周辺に公園駐車場あり - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 0-30分
- 乳幼児の入店
- 可(保護者による責任のもと帯同可)
- 備考
- ※電話番号は観音埼支所に繋がります。
情報提供: ナビタイムジャパン