神奈川
三浦半島
MIURA PENINSULA
景勝地、海の幸、開国にまつわる見どころも多数
東は東京湾と浦賀水道、西は相模湾、南は太平洋と3方を海に囲まれている。海の近くまで山が迫り平地の少ない地形だが、温暖な気候に恵まれ、丘陵地帯では野菜の生産が盛ん。海岸線は複雑で小さな湾や入り江が多く、マグロで有名な三崎漁港などの港や海水浴場が多い。鎌倉時代には三浦氏の支配下にあり、江戸時代には徳川幕府の直轄領だった。そしてなんといっても幕末にペリーの黒船が来航した地として有名だ。東京湾の入り口という軍事上重要な場所であるため、今でも自衛隊の駐屯地やアメリカ海軍の施設が多い。半島の大部分を横須賀市が占めているが、半島の西には海水浴場やマリーナ、高級住宅地として知られる逗子市と葉山町、半島の南には三崎マグロと城ヶ島で有名な三浦市がある。全体的に地形が複雑なためか、横須賀中心部を除けば交通の便は良いとはいえない。
エリアの見どころ
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神奈川県立近代美術館 葉山
- 相模湾を一望できる、見晴らしのいい近代美術館
- 一色海岸と三ヶ岡山の美しい風景を楽しみながら散策できる入場無料の庭園が人気。屋外に常設する彫刻家イサム・ノグチの作品や数か月ごとに変わる企画展は、美術愛好家からの評判が高い。
- スポットの詳細
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神奈川県立近代美術館 葉山
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神奈川県立観音崎公園
- 東京湾の入り口に突き出した岬で大自然を満喫
- 東京湾の湾口部、浦賀水道を守る要塞として旧陸軍が数多くの砲台を築いた岬。現在は県立公園になっていて終日無料で開放されている。ビーチ、磯場、照葉樹の森や野原、美術館や博物館とさまざまな楽しみ方ができる。
- スポットの詳細
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神奈川県立観音崎公園
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世界三大記念艦「三笠」
- 帝政ロシアの艦隊を撃破した歴史的戦艦
- 三笠公園に世界三大記念艦として保存されている大日本帝国海軍の戦艦で、現存する鋼鉄戦艦としては世界最古といわれる。日露戦争における大勝利はあまりにも有名。内部が公開されており、博物館としても見ごたえたっぷりだ。
- スポットの詳細
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世界三大記念艦「三笠」
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横須賀海軍カレー本舗
- カレーライスの発祥は海軍。だから海軍の町横須賀はカレーの街!
- 横須賀市はカレーライス発信の地を標榜している。明治時代、海軍では航海中に脚気(かっけ)にかかる兵士が多く、その対策として食事を改善することになった。手本としたイギリス海軍のメニューのひとつがカレー風味のシチュー。これをアレンジしてご飯に合うようにとろみをつけたメニューが海軍で人気となり、脚気にかかる兵士も激減。郷里へ戻った兵士がその味を伝えてカレーライスが全国に広まったという。そこで、海軍とともに歩んできた横須賀市は1999年(平成11)にカレーの街を宣言。明治時代のレシピをもとに再現した「よこすか海軍カレー」を商標登録している。「カレー粉と小麦粉をラードで炒める」「具には牛肉か鶏肉、じゃがいも、玉ねぎ、ニンジンを必ず入れる」などを基本に市内のレストランがアレンジを加えて味を競っているが、なかでも人気なのがこの店。小麦粉を抑え、果物と野菜でとろみをつけたカレーはうまみたっぷりで奥深い味わいだ。
- スポットの詳細
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横須賀海軍カレー本舗
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まぐろ食堂 七兵衛丸
- 老舗マグロ卸業者直営の食堂
- 全国でも屈指のマグロ漁港として知られる三崎には、マグロに精通したプロが大勢いる。確かな目で選び、確かな腕で解凍してさばいたマグロを最高の状態で味わうなら、漁港周辺の食堂がいい。なかでもここ七兵衛丸は、三崎で90年続く老舗魚屋の直営店。4代目に受け継がれた確かな技術が自慢だ。毎朝仕入れる三崎マグロは、機械を使わずに手切りすることで、よりおいしさを引き出すことができるという。大トロ、中トロ、赤身、中落ちはもちろん、家庭では調理しにくい部位や珍味を味わえるのも、まるごと1尾仕入れるからこそ。刺身だけでなく炙り、漬け、とろとろ煮などもおすすめ。三崎市場で仕入れた地魚も鮮度抜群で、サワラ、マダイ、メカジキ、生シラスなど刺身定食で何を味わえるかは当日のお楽しみ。小鉢も日によって異なるが、マグロの卵煮などの珍味が登場することもある。帰りに冷凍マグロをお土産に購入するなら、ぜひ上手な解凍方法を教えてもらおう。
- スポットの詳細
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まぐろ食堂 七兵衛丸
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荒崎公園
- 大自然が造り出したダイナミックな奇勝
- 三浦半島の南西から相模湾に突き出した岬で、リアス式海岸の迫力ある景観が広がる。荒崎海岸の岩礁は、およそ1200万年前、三浦半島が海底だった頃に堆積した凝灰岩、砂岩、泥岩の層からなる。黒い部分は凝灰岩で、硬くて水分を吸収しにくい。一方、白っぽい部分は砂岩と泥岩で、やわらかくて水分を吸収しやすい。この性質の差が侵食の差となり、波や風の力によって凹凸の激しい岩礁になったという。荒崎はまたサンセットスポットとしても人気だ。駐車場から坂を上がった「夕日の丘」からは、丹沢山系から伊豆半島、伊豆大島まで壮大な眺めが広がり、雲のない夕暮れどきには箱根山の向こうに富士山がシルエットとなって浮かぶ。一方、公園の南端には断崖絶壁に囲まれた「潮風の丘」がある。ここにはかつて鎌倉幕府の創設に大きく貢献した三浦氏の居城・荒崎城があった。ペリーの黒船が浦賀沖に現れたあとの江戸末期には、ここに砲台が築かれていたそうだ。
- スポットの詳細
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荒崎公園
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三崎朝市
- 日曜の三崎漁港は夜明け前から一般客で大賑わい!
- 三崎マグロの水揚げで知られる三崎漁港は、毎週日曜の朝になると様相が一変する。漁師ではなく、一般客が足早に行き交うのだ。三浦半島の先端にあるにもかかわらず遠方からも大勢集まってくる。朝市は5時オープンだが早めに開く店もあるため、4時過ぎから駐車場は埋まり出す。人の流れに沿って進むと広場に20ほどの店舗が並び、三崎マグロの切り落としなどのお買い得品に人々が群がっている。出店しているのは地元の魚のプロばかりで目利きぞろい。目の前の港で揚がったばかりの魚介類を中心に破格値で手に入る。マグロのカマ、目玉、頬肉、燻製などスーパーでは見かけないものもあるので、おいしい食べ方をお店の人に教えてもらうといい。もう1つ忘れてはならないのが野菜。三浦半島は関東有数の野菜の産地で、特に大根とキャベツは有名。さらに総菜、パン、生花の店もある。ひととおり買い物を済ませたら、場内の奥にある一角「朝市メシ」で朝食を。おすすめは三崎ならではの珍しいメニュー「トロちまき」。甘辛く煮た三崎マグロを餅米で包んで蒸し上げた逸品で「かながわの名産100選」にも名を連ねている。
- スポットの詳細
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三崎朝市
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どぶ板通り商店街
- スカジャン発祥の地! 異国情緒あふれるストリート
- 「YOKOSUKA軍港めぐりクルーズ」の出航するコースカベイサイドストアーズやヴェルニー公園から、国道16号線を渡って徒歩約5分、アメリカンな雰囲気の漂うどぶ板通り商店街。ミリタリーショップやハンバーガーショップなどアルファベット表記の看板の並ぶ通りに、古きよき日本を感じさせる店も交じり、日本とアメリカの交錯する独特な空気が漂っている。「どぶ板通り」と名付けられたのは、帝国海軍の軍港街として栄えていた頃、通りに流れていたドブ川を、通行の邪魔になるということから鉄板でふさいだのがきっかけ。どぶ板通りといえばなんといってもスカジャン(ヨコスカ・ジャンパーの略)が有名。戦後、横須賀に駐留していた米兵らが自分のジャケットに和柄の刺繍をオーダーして持ち帰ったのが始まりといわれる。一つひとつ施した緻密な刺繍が美しく、年齢や国籍を問わず愛好者が多い。オーダーメイドのスカジャンともなれば数十万円するものもあるが、1着1万3000~1万8000円辺りが主流。青い看板が目をひく「ミリタリーショップFUJI」は、オーダーメイドには手が出ないという人にも人気の店。蝶、龍、富士山など図柄もサイズも豊富なので、気軽にのぞいてみよう。
- スポットの詳細
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どぶ板通り商店街
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浦賀の渡しと東西叶神社
- ポンポン船で海を渡り、願いが叶う2つの神社に両参り
- 江戸時代に海の関所として繁栄した浦賀には、細長い港を隔てた両岸に願いが叶うと評判の神社が立つ。人々に愛されてきた渡し舟に乗って2社に参ると2倍のご利益を期待できるという、ありがたいパワースポットだ。
- スポットの詳細
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浦賀の渡しと東西叶神社
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三崎下町
- 昭和レトロな下町風情は映画やドラマのロケ地としても人気
- 大小の漁船が行き交い、三崎マグロ目当ての買い物客で賑わう三崎漁港の東側一帯は、三崎下町(みさきしたまち)と呼ばれるエリア。狭い通り沿いに居酒屋、喫茶店、旅館などが点在し、さらに細い路地をのぞくと植木鉢の並ぶ家並みの向こうに海と城ヶ島が見えるなど、三崎ならではの風景が広がる。この辺りはたびたび大火に見舞われたため蔵造りの家が多かったが、今日でも残る蔵の代表が「チャッキラコ・三崎昭和館」。江戸末期から2002年(平成14)まで営業していた商家で、柱時計、ちゃぶ台、黒電話、竃(かまど)など昭和の生活を見られる資料館になっている。奥の座敷はユネスコ無形文化遺産・国指定重要無形民俗文化財チャッキラコの展示室。チャッキラコとは小正月に豊漁を願って神社などに奉納する踊りで、竹に鈴を付けたチャッキラコを手に少女たちが舞う。源頼朝に披露した踊りが起源との説もある。また、近くには「かながわの名産100選」に指定された大漁旗の「三富染物店」もある。江戸時代には戦の幟旗(のぼりばた)などを染めていたという老舗で、手染めで大漁旗を作る職人は全国でも数えるほどしか残っていないそうだ。
- スポットの詳細
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三崎下町
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マーロウ秋谷本店
- 相模湾を眺めながら味わうビーカー入りの絶品焼きプリン
- 店名とロゴマークは、レイモンド・チャンドラーの人気ハードボイルド小説の主人公、フィリップ・マーロウから。店は、地元・佐島漁港の地魚と採れたての三浦野菜を使ったレストランとして、1984年(昭和59)にオープン。以来、海と富士山と夕日が見えるイタリアンの名店として親しまれている。マーロウの代名詞となっているのは、ビーカー入りの手作り焼きプリン。もともとは秋谷本店のデザートとして提供していたものだが、客の希望に応えてテイクアウト販売を開始したところ、大ヒット。現在は東京・神奈川にプリン販売のテイクアウト専門店を7店舗展開している。秋谷本店には海を望むテラス席もあるので、暖かい日には心地よい海風を感じながら極上の味を楽しもう。玉子の力で固めた昔ながらの焼きプリン(734円~)は、植物性飼料のみで育てた鶏卵と北海道の牛乳を使用。濃厚なプリンの甘みと、砂糖を焦がしながら作る苦みのあるカラメルが好相性だ。オリジナルの耐熱ビーカーは持ち帰りができ、コレクターズアイテムとしても人気。食事をするなら、カニ2杯を丸ごと使った名物料理「渡り蟹のトマトクリームスパゲティ」(1980円)をぜひ。
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マーロウ秋谷本店
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森戸大明神(森戸神社)
- 840年の歴史をもつ、源頼朝公が創建した葉山の総鎮守
- 森戸(もりと)大明神は、1180年(治承4)、源頼朝公が三嶋明神(現在の静岡県・三嶋大社)から御分霊を勧請して創建されたと伝えられている。御祭神は、大山祇命(おおやまつみのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)の2柱。開運厄除、安産、子授、良縁、家内安全、商売繁昌、恋愛成就などのご利益がある。境内には、子授・安産の神様である「水天宮」、ペットや家畜の守護神「畜霊社」、咳が止まらない方や喉を使う職業の方から信仰を集める「おせき稲荷社」、英霊や水子の霊をお祀りする「総霊社」、御縁を結ぶ力をもつ猿田彦大神を祀る「庚申塔」などがある。猿田彦大神を祀った庚申塔は葉山町唯一で、流造(ながれづくり)の石祠(せきし)は三浦半島では珍しい。御神木の飛柏槇(ひびゃくしん)は、1184年(元暦元)源頼朝公参拝の際に、三嶋明神から飛来し発芽したものと伝わる。森戸の地は鎌倉時代、災厄が生じると禊(みそぎ)やお祓いが行われた「七瀬祓(ななせはらい)」の霊所のひとつ。その故事から、森戸の浜と神社を結ぶ赤い橋は「みそぎ橋」と呼ばれている。また、神社裏手から見える夕日は神々しく、「森戸の夕照(せきしょう)」と呼ばれ「かながわの景勝50選」に選ばれている。
- スポットの詳細
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森戸大明神(森戸神社)
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ビーチサンダルのげんべい商店
- 履きやすさにこだわったビーチサンダルを販売して約70年
- 1863年(文久3)頃、葉山で足袋の製造・販売店として創業したげんべい商店は、1955年(昭和30)に日本のビーチサンダルの元祖といわれている「ブルーダイヤ」の発売を開始した老舗。ビーチサンダルを開発した内外ゴム株式会社には、「日本で最初にビーチサンダルを発売した小売店である可能性が高い」との記録も残っているそう。天然ゴムを使った鼻緒と独立気泡ゴムスポンジ(天然ゴム由来の、衝撃吸収性の高い発砲ゴム)のソールで作られるビーチサンダルは、締めつけやズレで足が痛くなりにくいのが特徴だ。また、手作業でソールと鼻緒を取り付けているのも、この店ならでは。長い期間履くことで、自分の足の形にあわせてビーチサンダルのソールがへこんでいき、なじんでいく。げんべいのビーチサンダルはつま先の高さがかかとより低いので、体重移動がしやすく、疲れにくいのがいい。店内には、看板商品のビーチサンダルのほか、「まるげ」のロゴがポイントのTシャツやトートバッグ、水着や浮き輪、レジャーシート、船乗りに人気のギョサン(漁業サンダル)なども並べられている。
- スポットの詳細
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ビーチサンダルのげんべい商店
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レストラン ラ・マーレ
- 海に浮かぶようにたたずむ、葉山のランドマーク的存在
- 江戸時代に峠の茶屋としてスタートした老舗日本料理店の日影茶屋が経営するレストラン ラ・マーレ。1977年(昭和52)創業時の初代料理長は、のちにKIHACHIをオープンする熊谷喜八が務めた。ラ・マーレとはフランス語で潮騒の意味。開店当時の「海を眺めながら、気軽な雰囲気で、料理を楽しんでほしい」というコンセプトはそのままに、相模湾で獲れた新鮮な魚介類や三浦・湘南野菜を使った創作海辺料理が味わえる。1階の「Cafe-Brasserie Harry’s」は、カジュアルに食事を楽しめるカフェ&ブラッセリー。サラダやパスタ、サンドイッチ、ステーキなどの多国籍料理をアラカルトで味わえる。旬の果物を使ったオリジナルカクテルやノンアルコールドリンクもおすすめだ。2階の「Restaurant」は、コース料理をメインにアラカルトも楽しめる本格的フランス風創作海辺料理レストラン。明るく清潔感あふれる空間には、スマートカジュアルな服装で訪れたい。ここの名物である特製ブイヤベースははずせない。新鮮な魚介類のうまみが凝縮されたスープに、トマトやサフランのほどよい酸味、獲れたての地魚や伊勢えび、ほたて貝が入っている。\※店名のCafeの「e」はアクサンの付くものが正式です
- スポットの詳細
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レストラン ラ・マーレ
人気スポット
旅のヒント
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その1
都心や横浜からJR横須賀線、京浜急行線で行けるが、駅から観光スポットまで遠いことが多い。バスのスケジュールをよく確認して出かけたい。
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その2
京急線、京急バス、レジャー施設、食事などがセットになった「よこすか満喫きっぷ」「みさきまぐろきっぷ」などを上手に利用しよう。
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その3
車なら三浦半島を縦断している横浜横須賀道路を利用する。三浦市へは、横浜横須賀道路の衣笠ICから三浦縦貫道路の利用が便利。また国道134号が横須賀市中心部から久里浜へ、さらに半島の南岸と西岸の海岸線を通って逗子市から湘南へと続いている。
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その4
行楽シーズンには逗子、葉山の海岸沿いや三浦市内は混雑し、車の流れが悪くなる。
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