桂離宮

歴史的建造物

世界に誇る建築と庭園、父子で造り上げた美の結晶

八条宮家の初代・智仁親王と二代・智忠親王の父子によって、約50年の歳月をかけて完成された離宮。洛北の修学院離宮と並ぶ、江戸時代初期の代表的山荘として世界的にも名高い。

参観のスタートとなる御幸門(写真提供:宮内庁)} 参観のスタートとなる御幸門(写真提供:宮内庁)

美的センスを受け継いだ父と子の合作

京都の西方を流れる桂川のほとりに広がる桂離宮は、17世紀初頭、八条宮家の初代・智仁(としひと)親王が営んだ山荘に始まる。智仁親王は第106代・正親町(おおぎまち)天皇の孫であったが、豊臣秀吉の養子になった経緯から江戸幕府から政治的に遠ざけられていた。このような背景もあって、智仁親王は文化人としての才能を発揮し、その集大成として壮大な離宮の造営に取りかかったのだ。親王の没後は離宮も荒れるにまかせる状態であったが、子・智忠親王によって次第に整備され、増築や改修を繰り返して完成。1658年(明暦4)と1663年(寛文3)には後水尾上皇の御幸も行われた。

敷き詰めた小石を霰に見立てた「霰こぼし」と呼ばれる御幸道(写真提供:宮内庁)} 敷き詰めた小石を霰に見立てた「霰こぼし」と呼ばれる御幸道(写真提供:宮内庁)

訪問者の目を奪う大胆な意匠

桂離宮の参観には申し込みが必要だ。修学院離宮や京都仙洞御所と同じく係員の案内するツアー形式の参観となっている。ドイツの著名な建築家ブルーノ・タウト氏によって「泣きたくなるほどに美しい」と絶賛され世界的名声を得た離宮とあって、参観希望者は年間を通じて多い。ツアーでは庭園を巡りながら趣向を凝らした建築物を見学していく。なかでも有名な「松琴亭(しょうきんてい)」は、外観は池のほとりにひっそりとたたずむ草庵の趣だが、内部に目をやると一の間の床と襖には青と白の和紙が石畳模様に貼り合わされ、斬新な意匠となっている。しかし決して目立ち過ぎず、自然にしっくりと溶け込み不思議な調和をもたらしている。また新御殿にある違い棚は「桂棚(かつらだな)」と呼ばれ、修学院離宮の「霞棚」、醍醐寺三宝院の「醍醐棚」とともに「天下の三大名棚」として知られているからお見逃しなく。

桂離宮のシンボルにもなっている石畳模様(写真提供:宮内庁)} 桂離宮のシンボルにもなっている石畳模様(写真提供:宮内庁)

どこを眺めても絵になる、日本庭園の最高峰

今度は庭園に注目してみよう。松琴亭の前にある池には、日本三景のひとつ「天橋立」に見立てた小島がある。丹後地域と縁があった智仁親王は思い入れのある丹後の風景を取り入れたのだと考えられるが、風景をそのまま写すのではなく、要素を取り入れつつ、親王ならではの解釈で天橋立を表現したと見られる。このように自身の美意識で自在にアレンジを加えながら、粋な遊び心を随所に散りばめられた参観ツアーは、次への期待感にあふれ60分があっという間に過ぎてしまうほど充実の内容だ。

庭園には『源氏物語』の風景を取り入れているともいわれている(写真提供:宮内庁)} 庭園には『源氏物語』の風景を取り入れているともいわれている(写真提供:宮内庁)

スポット詳細

住所
京都府京都市西京区桂御園 map map 地図
電話番号
0752111215
時間
[参観時間]9:00、10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
休業日
月(祝の場合は翌日)、12/28-1/4
料金
[18歳以上(1回)]1,000円(申込制、当日申込可)
※詳しい内容については、宮内庁ホームページをご参照ください。
駐車場
あり
備考
[宮内庁京都事務所参観係]075-211-1215
※宮内庁ホームページをご参照下さい。https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 見事な宮家の山荘
    5.0 投稿日 : 2023.05.05
    京都の観光で見逃していた場所でした。予約制ですが当日予約で伺いました。1時間かけ説明を聞きながら散策します。雨で傘がかさばり、人数が多かったので、長い行列になり説明が聞きづらかったのが残念でした。書院は工事中だったことも残念。お庭の手入れが素晴らしく、雨で濡れた敷石の色も見事でした。今年は咲くのが早いようでキリシマツツジが見頃で素晴らしかった。
  • もう少しゆっくり観たいです
    3.0 投稿日 : 2022.08.20
    事前予約制。空きが有れば当日受付してくれる。案内人の後をついて行く形で、説明が終われば即解散。もう少し風景の中に浸ってぼんやりしたい。
  • 長い間、行きたいと思っていましたが、本当に良かったです。
    5.0 投稿日 : 2021.11.01
    残念ながら、奥の方の中書院、新御殿は屋根の吹き替えのため、素屋根がかかっており、写真で見慣れた建物の全貌は見ることができませんが、池をめぐるコースを解説を聞きながら、いくつかの茶室を歩くのもとても楽しいものです。コースの高低差、各場所からの眺め、本当によく考えられて作られていることを実感できました。、皆慣れた

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