京都

桂・西山

KATSURA / NISHIYAMA

王朝の雅を感じる離宮の庭園美と、西山に点在する花の名所巡り

まずは桂川の西岸に位置する桂離宮の参観へ。趣深い数寄屋造の建築と、最高傑作と称される庭園を案内付きの参観でたっぷりと見ておきたい。続いて竹林が美しい西山の丘陵一帯にたたずむ社寺の参拝へ向かおう。歌僧・西行ゆかりの勝持寺は、桜の美しさでその名が知られ、善峯寺は国の天然記念物に指定される樹齢600年の「遊龍松」が見事だ。また長岡天満宮はキリシマツツジ、地蔵院はすがすがしい竹林、粟生光明寺は新緑や紅葉など、花と樹木の名所がそろう。社寺の庭園巡りを堪能した後は、印象派の巨匠モネの作品などが展示されるアサヒビール大山崎山荘美術館へ。作品もさることながら、英国風山荘のアーチ状テラスから眺める庭園は、絵画的な美しさ。旅の締めくくりは、木津川・宇治川・桂川の三川を大パノラマで望むことのできる喫茶室で優雅なカフェ時間を過ごそう。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    嵐山モンキーパーク
    嵐山の自然のなかで暮らす野生のニホンザルと出合える
    嵐山エリアの岩田山山頂に位置し、野生のニホンザルと触れ合うことができるパーク。標高160mの展望台からは京都市内を一望でき、桜や紅葉のスポットとしても人気が高い。休憩所ではエサやりを体験することができる。
    スタッフによるエサやりが始まると、あちらこちらからサルが集まってくる(時間は季節によって変動あり)
  • spot 02
    松尾大社
    平安京の守護神として崇められ、酒の神様としても信仰を集める
    渡来人の秦氏が、松尾山の磐座の神を迎えて社殿を造営した松尾大社。平安京の皇城鎮護の社として、賀茂社とともに朝廷からもあつく信仰された。酒の神としても知られ、重森三玲による名園も必見。
    楼門の両側には願い事が書かれた「祈願杓子」が奉納されている。願いを「すくう」信仰によるものだ
  • spot 03
    松楽
    酒の香りがふわっと広がる酒まんじゅうが名物
    松尾大社のほど近くにある「松楽」は1968年(昭和43)創業で、松尾大社の御用達を務める和菓子屋だ。創業以来、50年にわたって地元の人びとからも愛されている。看板商品は、酒造りの神様として信仰を集める松尾大社にちなんだ「大社酒まん」。古くから境内の「亀の井」から湧き出でる霊水を醸造の用水に混ぜれば、酒が腐らないといわれ、これを持ち帰る醸造家が今も多い。そんな霊水に銘酒を加え、つぶ餡を包んでふっくらと蒸し上げた逸品だ。\口にすると酒の香りと味わいがふわっと広がる。ほかにもサクサクとした口当たりとほんのりただよう酒の香りが自慢の「酒せんべい」や、彩りが豊かな「京おはぎ」(数量限定)など、お土産にもぴったりの品がそろうので参拝後に立ち寄ってみよう。
    「大社酒まん」は食べるときに少し温めるとさらに風味が増す
  • spot 04
    鈴虫寺
    鈴虫の奏でる美しく心地良い音色に癒やされて
    季節を問わず鈴虫の音色が聞こえることから鈴虫寺と呼ばれる華厳寺。願いをひとつだけ叶えてくれるというわらじを履いた「幸福地蔵」や、僧侶の「鈴虫説法」を聞けることでも知られる。庭園も見どころのひとつ。
    美しい自然に恵まれた松尾山麓にたたずむ寺院
  • spot 05
    地蔵院
    竹と苔が織りなす情趣あふれる境内で、地蔵菩薩の慈悲にふれて
    美しい竹林に包まれることから「竹の寺」と称される地蔵院。地蔵菩薩を祀り「谷の地蔵」とも呼ばれる。方丈前の「十六羅漢の庭」は端正で心落ち着く枯山水庭園。一休さんゆかりのお寺でもある。
    まっすぐ続く竹林の道。1月10日から2月10日の水曜と木曜は拝観休止日となる
  • spot 06
    桂離宮
    世界に誇る建築と庭園、父子で造り上げた美の結晶
    八条宮家の初代・智仁親王と二代・智忠親王の父子によって、約50年の歳月をかけて完成された離宮。洛北の修学院離宮と並ぶ、江戸時代初期の代表的山荘として世界的にも名高い。
    参観のスタートとなる御幸門(写真提供:宮内庁)
  • spot 07
    大原野神社
    長岡京遷都に際して迎えられた藤原氏ゆかりの京春日
    桓武天皇による長岡京遷都の際、藤原氏の氏神である奈良・春日大社の祭神を祀ったことが始まり。都が平安京に遷ってからも勅使の参詣などが行われた。春の桜や初夏の睡蓮、秋の紅葉など四季折々の風景を楽しめる。
    木々を背景に鮮やかな朱の社殿が建つ
  • spot 08
    勝持寺
    西山のふもとにたたずむ古刹にて、西行法師をしのぶ
    飛鳥時代に始まるという勝持寺は、本尊・薬師瑠璃光如来をはじめ、日光・月光菩薩など多くの文化財を所蔵する。「花の寺」としても名を馳せ、桜景色は洛西一の誉れ高く、秋は紅葉が境内を朱に染める。
    趣ある石段を上りつめた先に南門が建つ
  • spot 09
    善峯寺
    天然記念物に指定される松が横臥する、洛西屈指の花の寺
    西国三十三所観音霊場の札所であり、江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の母・桂昌院ゆかりの寺院。国の天然記念物に指定される「遊龍松」をはじめ、春の桜、初夏のツツジ、梅雨時のアジサイ、秋の紅葉など花名所としても名高い。
    階段を上り詰めた先に桂昌院ゆかりの薬師堂が建つ
  • spot 10
    光明寺
    西山の深き山懐に抱かれて、念仏の祈りが満ちる光明の地
    西山三山のひとつで、京都屈指の紅葉名所として名高い光明寺。法然上人が初めて念仏が説かれた地としてあつき信仰を集め、約6万平方メートルの広大な寺域に、御影堂をはじめ諸堂が並び建つ。
    西山(せいざん)浄土宗の総本山の寺院である
  • spot 11
    長岡天満宮
    真紅のキリシマツツジが彩る学問の神様が愛した風光明媚な地
    平安時代、菅原道真公が九州・太宰府に旅立つ前、この地に立ち寄って名残を惜しんだという伝承から、道真公の亡きあと、祠を建てて祀ったのが始まり。春には「八条ヶ池」周辺に真紅のキリシマツツジが咲き誇り、参拝者を魅了する。
    梅を愛したご祭神・菅原道真公にちなみ足元に梅の花があしらわれた鳥居
  • spot 12
    アサヒグループ大山崎山荘美術館
    趣ある建物とコレクション、庭園が織りなす美の空間
    実業家・加賀正太郎によって建築された山荘本館と、安藤忠雄氏の設計による新館からなる美術館。民藝運動ゆかりのコレクションや、印象派の巨匠モネの『睡蓮』などを展示する。自然豊かな地で、芸術に親しむことができる。
    チューダー・ゴシックという英国の洋風意匠が取り込まれた本館
  • spot 13
    楊谷寺 柳谷観音
    あらゆる眼の病気を治してくれる霊験あらたかな観音様
    平安時代より、眼病平癒の観音様として天皇から庶民にいたるまで「やなぎたにさん」と呼ばれ親しまれてきた。近年は、心が安らかになるようにと始められた花手水が話題を集める。
    四季折々の花が浮かび参拝者の目を楽しませてくれる「龍手水」
  • spot 14
    オリジナル御朱印体験 楊谷寺 柳谷観音
    毎月17日限定で授与されるカラフルな押し花朱印
    最近は御朱印の種類が増え、絵入り、切り絵、限定ものなどさまざま。花手水(はなちょうず)で知られる柳谷観音で毎月17日の縁日に催される押し花朱印体験は、自分だけのオリジナル朱印を作ることのできる人気イベント。体験には予約が必要で、当日の場合はお守り授与所で受付をする。台紙となる御朱印を受付または奥之院、眼力稲荷社で授与してもらったら、会場の阿弥陀堂へ。材料一式がセットになった体験キット(2000円)を受け取り、御朱印の上にピンセットで押し花を載せて、あれこれとデザインを考えるところからスタート。レイアウトが決まったら、次は押し花シールの作成へ進もう。シール台紙の上に押し花を移し換え、花を保護する薄い和紙を被せ軽く押さえる。花の輪郭に沿ってハサミで切り出せばシールの完成だ。あとは決めたレイアウトどおり御朱印に押し花シールを貼り付けるだけ。仕上げにレジンを花に塗ると、突然花が生きいきと鮮やかな色味を帯びる。所要時間は人によって違うが30分程度。お守り授与所には既に用意された押し花朱印もあるが、やはり自分で作った御朱印は特別。お参りのよい思い出になる。
    できあがった御朱印は境内のインスタスポットで撮影しよう
  • spot 15
    乙訓寺
    長岡京の歴史に名を刻む早良親王と空海ゆかりの寺院
    聖徳太子が創建し、811年(弘仁2)に空海(弘法大師)が第52代・嵯峨天皇から任命されて別当を務めたという古刹。毎年4月中旬から下旬頃、30種1000株のぼたんが色とりどりの花を咲かす「ぼたん寺」として名高い。
    楠の巨木が目印となる朱色の山門が迎えてくれる。
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旅のヒント

  1. その1

    桂離宮の参観は定員制で、事前申込みと当日申込みがある。年齢制限や申込みに必要な持ち物があるので、ウェブサイトをチェックしておこう。

  2. その2

    アクセスは阪急電車や阪急バスの利用が便利。善峯寺、勝持寺、粟生光明寺に向かう阪急バスは本数が少ないので注意が必要。

  3. その3

    アサヒビール大山崎山荘美術館へは、阪急の大山崎駅前とJRの山崎駅から無料送迎バスが運行している。

  4. その4

    花の開花時期は年によって異なるので、ウェブサイトなどで最新情報を入手しよう。

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