真名井の滝
日本神話の里にある神々しさ漂う名瀑
遊歩道から見える宮崎県を代表する絶景
高千穂バスセンターから徒歩で約30分。長く曲がりくねった坂道を降った先にあるのが高千穂峡だ。高千穂峡のシンボルとされる真名井の滝は、約17mの高さから水面に落ちる滝で、1990年(平成2)に「日本の滝百選」に認定された。夏にはライトアップされ秋には紅葉に彩られるなど、楽しみ方は多様。ライトアップされる夜も美しく、2017年度「日本夜景遺産」のライトアップ遺産に認定されている。整備された約1kmの遊歩道をたどり滝見台へ行けば、その全貌を拝むことができる。
滝に流れるのは伝説の湧き水
真名井の滝には「天孫降臨(てんそんこうりん)神話」が伝わっている。それによると、神が天上界から地上に降り立ったとき、天村雲命(あめのむらくものみこと)が水種を移した「天真名井」の湧き水が、真名井の滝の水源と伝えられている。神話の舞台ともなった高千穂峡は、自然が長い時をかけてつくり上げた渓谷でもある。この地の地盤は阿蘇山から噴出した火砕流が冷え固まったもの。それが侵食されできた断崖が渓谷にそそり立っている。東西に約7kmにわたり、柱状節理といわれる柱のような割れ目の入った断崖が続く。1934年(昭和9)には「五箇瀬川峡谷(ごかせがわきょうこく)」として国の名勝・天然記念物に指定された。
貸しボートで滝のすぐそばへ接近
高千穂峡ではぜひボートに乗って真名井の滝を見に行こう。貸しボートですぐ近くまで接近できる。間近から見上げれば、地上で目にするのとは違う光景に圧倒されるだろう。貸しボートは当日受付も行っているが、事前にインターネットで予約しておくのがおすすめだ。また、高千穂峡の遊歩道には推定200tの大岩「鬼八の力石」がある。高千穂一帯を荒らしていた鬼八が、高千穂神社の御祭神に向かって投げ力自慢をしたと伝わる石だ。岩にぐるっと張られた注連縄(しめなわ)は、全長約5.5m重さ約35kg。岩の大きさはもちろん縄の力強さも確認してみよう。
神話にまつわる周辺スポットも必見
真名井の滝周辺には、神話にまつわるスポットがいくつかある。滝から徒歩15分ほどの場所にある「高千穂神社」は縁結びの神様として知られる神社だ。境内にある2本の杉の幹がつながった「夫婦杉」を3周回れば、縁結び・家内安全・子孫繁栄の3つの願いが叶うと伝わる。また大洞窟「天安河原(あまのやすかわら)」は「仰慕ヶ窟(ぎょうぼがいわや)」とも呼ばれた洞窟。天照大神が身を隠した際、八百万の神が集まったとされる場所だ。祈願する人々によって積まれた小石が神秘的な雰囲気を演出している。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン