国立天文台三鷹

博物館/科学館

日本の天文学の歴史に触れ、宇宙のロマンに思いを馳せる

東京都三鷹市にある国立天文台の本部。緑豊かな構内には大正時代に造られた施設が点在し、国登録有形文化財である歴史的建造物や観測装置を見学しながら、天文学の歴史をたどることができる。

国登録有形文化財になっている、1926年(大正15)建造の「天文台歴史館(大赤道儀室)」} 国登録有形文化財になっている、1926年(大正15)建造の「天文台歴史館(大赤道儀室)」

自由に見学できる開かれた研究施設

国立天文台(NAOJ)は、世界最先端の観測施設を擁する天文学のナショナルセンター。大学共同利用機関として観測や研究を行うとともに、国際協力の窓口として天文学および関連分野の発展のために活動している。国内には水沢、野辺山、岡山など、また国外にはハワイ島とチリに観測・研究施設があり、その本部がおかれているのが「三鷹キャンパス」だ。JR中央線武蔵境駅と京王線調布駅のほぼ中間辺りに位置しており、路線バスならJR武蔵境駅か三鷹駅、または京王線調布駅から所要15~20分。「天文台前」バス停で下車すると、すぐ目の前に木々に囲まれた正門が見える。正門を入ったらすぐ右側にある守衛所に立ち寄り、見学したい旨を伝えよう。受付の際に見学者用ワッペンを渡されるので、見学中は胸などよく見える場所に貼っておくこと。また見学コースが定められているので、非公開の場所には立ち入らないように気をつけたい。

路線バスが走る「天文台通り」に面して正門がある。駐車場(有料)は裏門の近く} 路線バスが走る「天文台通り」に面して正門がある。駐車場(有料)は裏門の近く

移転当時の面影を残す「第一赤道儀室」

受付を済ませたら構内を進み、ロータリーを左に折れてまっすぐ進もう。左手に見えてくるドーム屋根の建物は「第一赤道儀室」。国立天文台の前身である東京天文台は1914年(大正3)から1924年(大正13)にかけて麻布飯倉から三鷹へ移転してきた。「第一赤道儀室」は1921年(大正10)に建設されたもので、国立天文台三鷹のなかでは現存最古の建物だ。赤道儀とは天体の動きにあわせて星を追いかけることができる架台のことで、建物内部には太陽写真儀(カメラ望遠鏡)を載せた20cm屈折望遠鏡が設置されている。

「第一赤道儀室」では土・日曜の午前中、太陽観察会が行われる(晴天時のみ)} 「第一赤道儀室」では土・日曜の午前中、太陽観察会が行われる(晴天時のみ)

「第一赤道儀室」からは見学コースに沿って「天文台歴史館」へと向かおう。道沿いには「太陽系ウォーク」と名付けられた、太陽系の距離を140億分の1(天体のサイズは14億分の1)に縮めた展示物が設置されている。太陽から土星までの距離は14億kmあるが、ここではわずか100m。歩幅が約50cmとすると、その1歩は700万kmに相当し、たったの200歩で到達できる。太陽から惑星を1つずつたどりながら歩けば、太陽系の広がりを体感できるだろう。

太陽から土星まで7つのパネルに加え、太陽系のそのほかの天体をまとめて紹介したパネルが置かれ、それぞれの天体の特徴が記されている} 太陽から土星まで7つのパネルに加え、太陽系のそのほかの天体をまとめて紹介したパネルが置かれ、それぞれの天体の特徴が記されている

「天文台歴史館」で天体観測の歴史について学ぶ

「太陽系ウォーク」の突き当たりにそびえる「天文台歴史館(大赤道儀室)」は、1926年(大正15)に建設された。直径15mの巨大なドームは、船底を作る技術をもった造船技師の手を借りて造られたそうだ。現在は天文台に関する資料や写真パネル、歴史的な観測装置などを展示する天文台歴史館として公開されている。なかでも注目したいのが、2階にあるドイツのカール・ツァイス社製「65cm屈折赤道儀式望遠鏡」だ。1929年(昭和4)に設置され、1998年(平成10)までおもに星の位置測定に使われてきたもので、屈折望遠鏡としては日本最大の口径を誇る。また2階の床はエレベーター式に上下し(現在は固定)、望遠鏡がどんな向きになっていても楽な姿勢でのぞくことができたという。

日本の天体観測の記念碑的存在である65cm屈折望遠鏡} 日本の天体観測の記念碑的存在である65cm屈折望遠鏡

日本の天文学の歴史を物語る貴重な建造物

構内にはほかにも、スクラッチタイルで装飾された壁面が印象的な「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」と「旧図書庫」、貴重な観測装置を展示する「子午儀資料館(レプソルド子午儀室)」や「ゴーチェ子午環室」などが点在する。これらの建造物は国登録有形文化財になっており、また子午儀資料館内にあるレプソルド子午儀は国の重要文化財に指定されている。広い敷地を散歩しながら、日本の天文学の歴史をたどってみよう。春は桜や新緑、秋は紅葉と、武蔵野の美しい自然に触れられるのも魅力。見学の最後には、構内北側にある「コスモス会館」の売店で、オリジナルグッズをチェックするのを忘れずに。また、裏門と駐車場の近くには「三鷹市星と森と絵本の家」があるので、子ども連れの人はこちらにも立ち寄ってみたい。

1930年(昭和5)建造の「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」。塔全体が望遠鏡の筒の役割をしている} 1930年(昭和5)建造の「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」。塔全体が望遠鏡の筒の役割をしている

「ゴーチェ子午環室」には1903年(明治36)フランス製の観測装置が展示されている} 「ゴーチェ子午環室」には1903年(明治36)フランス製の観測装置が展示されている

スポット詳細

住所
東京都三鷹市大沢2-21-1 map map 地図
電話番号
0422343688
時間
10:00-17:00(受付は16:30まで)
休業日
年末年始
料金
[入場料]無料
駐車場
あり(54台)
※有料

情報提供: ナビタイムジャパン

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map map 地図

最寄り

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