静岡市立芹沢けい介美術館

美術館

人間国宝の作品と収集品計5800点収蔵。色彩と模様の天才が創り出す空間

弥生時代の集落・水田遺跡で国の特別史跡に指定されている登呂遺跡公園に溶け込むように、染色家・芹沢けい介(せりざわけいすけ)の美術館がある。作品約1300点、収集品約4500点を収蔵し、年に4回すべての展示を入れ替えている。

建物は日本建築界の巨匠・白井晟一(しらいせいいち)が設計} 建物は日本建築界の巨匠・白井晟一(しらいせいいち)が設計

貴重な初期の作品から代表作までの軌跡

東名高速の静岡ICから車で約10分。豊かな緑に囲まれた重厚感のある外壁が目を引く。美術館の本館は日本建築界の巨匠・白井晟一が設計。荘重でありながら開放感のある館内には、染色家・芹沢けい介の作品が並ぶ。静岡市で生まれ育った芹沢は「色彩と模様の天才」と評され、人間国宝にも認定されている。海外でも展覧会が開かれ、世界的な評価も高い。型紙と、餅米から作られる糊を使って布を染める日本の伝統的な技法「型染」を用いて、着物や帯、暖簾や屏風、絵画や本の装丁など多種多様な作品を生み出した。館内には芹沢の代名詞ともいえる大胆なデザインや色使いの作品、四季をテーマにした作品のほかに、細かなスケッチやイメージとは異なる落ち着いた雰囲気の作品も展示。初期から晩年まで、その歩みを感じられる。

屏風、帯、絵本などさまざまなジャンルの芹沢作品が並ぶ} 屏風、帯、絵本などさまざまなジャンルの芹沢作品が並ぶ

世界各国から幅広いジャンルの収集品約4500点

創作意欲が強く、作品の種類や数の多さでも知られている芹沢は、作品収集への熱も高かった。芹沢が残した色彩と模様の世界に浸りながら美術館の奥へ進むと、収集品が並ぶ。驚かされるのは幅広さ。絵画や書物、壺や皿などジャンルは問わない。日本はもちろんインドやタイといったアジア各国をはじめ、ヨーロッパ、アフリカ、南米と世界各国から収集し、時代もさまざまだ。「美しいと感じたものを厳選して集めていた」という芹沢。平面的な芸術だけではなく、立体の作品にも関心が高かった。日本各地の神社を回って集めた小絵馬は職人の筆さばきに惚れたもので、自身が板絵を描く際に参考にしたという。戦後集めた約6000点ある収集品のうち、約4500点が芹沢けい介美術館に収蔵されており、企画展のテーマにあわせて展示品が変わる(収集品を展示しない企画展もあり)。

館内の中ほどからは芹沢の収集品が展示されている} 館内の中ほどからは芹沢の収集品が展示されている

時代も国も幅広い芹沢の収集品} 時代も国も幅広い芹沢の収集品

愛着のある家を移築  庭も当時の雰囲気を再現

日曜、祝日に美術館を訪れた際、ぜひ見学したいのが本館から徒歩2分の距離にある附属施設「芹沢けい介の家」。この家はもともと、宮城県登米市にあった板倉で、1階には米や農具などを収納し、2階には雇い人らが宿泊していた。この板倉を気に入った芹沢は東京都蒲田の自邸内に移築して改装。そして、他界して3年後、美術館へ移され、日曜と祝日だけ(8月は土曜も)一般公開されている。庭の樹木の一部も蒲田から移植されており、当時の雰囲気が再現されている。応接のための1階の広間には、世界各国からの収集品が飾られており、芹沢は来客にあわせて入れ替えることを楽しんでいたという。玄関横に展示してあるのは、芹沢がデザインした椅子。実際に座って感触を確かめられる。見た目の美しさだけでなく、長時間座っても体に負担がかからないように設計されている。

芹沢が愛した自宅を移築。庭の樹木の一部も移植されている} 芹沢が愛した自宅を移築。庭の樹木の一部も移植されている

来客用の応接には芹沢の収集品が飾られている} 来客用の応接には芹沢の収集品が飾られている

芹沢がデザインした椅子には来館者も座れる} 芹沢がデザインした椅子には来館者も座れる

スポット詳細

住所
静岡県静岡市駿河区登呂5-10-5 map map 地図
電話番号
0542825522
時間
9:00-16:30
休業日
月(祝を除く)、祝の翌日(土日を除く)、年末年始、展示替期間中
料金
【入館料】
[一般]420円
[高・大学生]260円
[小・中学生]100円
[未就学児]無料
※市内在住または市内の小中学校に在籍の小中学生無料
※市内在住70歳以上無料
※身体障がい者手帳等の交付を受けている場合本人と同伴者1名無料
駐車場
あり
※有料
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、楽天ペイ、メルPAY、d払い、auPAY、その他)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
60-120分

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 芹沢銈介を知るには一度は行きたい
    5.0 投稿日 : 2020.11.28
    型染家としてもデザイナーとしても、その功績は高く評価される芹沢銈介を深く知るためには、是非足を運んで頂きたい美術館
  • 胎内感覚の重みある居心地の良さ。
    5.0 投稿日 : 2020.01.22
    白井晟一の設計のこの美術館は、赤石に無垢材が基本素材で仕上げられた秀逸な意匠で、白井晟一の深い設計思想を感じる名建築です。特に美術館の中ほどにある特別室は中庭を愛ながら、まさに特別な至福の居心地感を味わえる場所です。芹沢銈介の作品は麻や綿など人の肌感覚に近い素材で作られた名品で、たてものの質量感とは真逆のもの同士が見られるユニークな美術館だと思います。芹沢銈介の作品を鑑賞するだけでなく...
  • 残念ながら火曜日はお休みでした
    4.0 投稿日 : 2019.11.17
    かの有名建築家の白井晟一氏の設計になる建築物で、外観は若干そのような印象を受けますが、言われなければ、そう突拍子もない建築物ではないと思います。ただ芹沢氏は、あまりに建築が自己主張しすぎているといって、あまりお気に召していないという話が伝わっています。

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アクセス

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