日本銀行本店
日本人建築家による最初の国家的近代建築
江戸幕府の貨幣製造機関「金座」の跡地に建設
日本の金融を代表する街・日本橋本石町の一角に威風堂々としたたたずまいを見せる日本銀行本店本館。ここは江戸時代、大判を除くすべての金貨(小判)の製造を独占的に請け負った「金座」が置かれていた場所だ。設計を担当した建築家・辰野金吾は、「日本近代建築の父」と呼ばれた人物。設計にあたり欧米各国の銀行を視察し、多くの新しい建築手法や技術を取り入れた。1890年(明治23)に着工した本館は、石造による古典主義様式で造られ、5年の歳月をかけて完成。国家的プロジェクトにふさわしく、秩序と威厳を感じさせるものになっている。耐震性にも優れ、1923年(大正12)に発生した関東大震災にも耐え、1営業日も休むことなく業務を継続したという記録が残る。
銅板葺きのドームを抱く本館は上空から「円」の字に見える(出典:日本銀行ホームページより)
馬の水飲み場が残る中庭は人気の写真撮影スポット
日本銀行では、本館の歴史ある建築物としての魅力とともに、その業務や役割を広く知ってもらうため、無料の館内見学ツアーを実施している(公式サイトから要予約)。おもな見どころを紹介しよう。ツアーは正面玄関のある中庭からスタート。ここは地下金庫への現金搬送ルートでもあったため、四方を囲まれた閉鎖的な空間。1階の列柱はドリス式。一方、2階から3階を貫く双柱は、上部に複雑な装飾を施したコリント式と呼ばれるものだ。扉の上部のステンドグラスは、日本のステンドグラスの創始者・宇野澤辰雄による。所どころに日本銀行の「日」の古い書体の図柄がモチーフになった日銀マークが見える。また、竣工当時は馬車の利用も少なくなかったため、馬の水飲み場が今も残る。
採光、機能性とともに、細部の美しさにもこだわった設計
エレベーター、シャッターや水洗トイレなど、当時の最新設備が導入されていた館内に入って目をひくのが、かつてロビーとして使われていた客だまりの広場。窓口の中には明治時代の業務風景のジオラマ写真が展示されている。柱頭上部の飾り、壁面に刻まれた唐草模様のレリーフなどの装飾は、見ていて飽きることがない。圧巻は、2004年(平成16)まで使われていた地下金庫へ続く扉。重さ25t、厚さ90cmあり、複数人で開閉を行っていたという。白いレンガ壁、アスファルトの床の回廊、現金を運ぶトロッコ用のレールなど、創建当時の姿をほぼそのまま残す貴重な空間だ。防犯対策として、日本橋川から引いた水で地下金庫全体を水没させ、銀行券を使えなくする仕組みがあったといわれている。
日本が世界に誇るお札の鑑査技術を知る
館内には日本銀行の業務の歴史を物語る貴重な資料も数多く展示されている。そのひとつが、世界初のお札の自動鑑査機。銀行から戻ってきたお札の真偽と枚数を点検する機械で、破損や汚れなどが原因で流通できなくなるお札を仕分けることもできる。ほかにも、鉄道による現金輸送に使われていた車両の模型、1000億円分のレプリカ紙幣の山など、興味は尽きない。ウェブサイトにはオンライン見学「おうちで、にちぎん」が公開されている。実際に出かける前や見学後に鑑賞すると、見どころの詳細がさらによくわかる。また、通りを隔てた向かい側には、古代から現代までのお金や、お金に関する絵画や道具を展示する「日本銀行金融研究所 貨幣博物館」がある。ここも無料で見学できるので、合わせて訪ねてみてはどうだろう。
スポット詳細
- 住所
-
東京都中央区日本橋本石町2-1-1
地図
- エリア
- 日本橋・銀座エリア
- 電話番号
- 0332772815
- 時間
-
要事前予約(詳細は日本銀行ホームページを確認)
[URL]https://www.boj.or.jp/about/services/kengaku.htm - 休業日
- 土日祝、年末年始(12/29-1/4)
- 料金
- [見学料]無料
- 備考
-
[「おうちで、にちぎん」のURL]
https://www.boj.or.jp/about/education/ouchi.htm
情報提供: ナビタイムジャパン
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