雑司ヶ谷 鬼子母神

寺院

江戸の頃より子どもの誕生や成長を見守る神様として慕われた

江戸時代に鬼子母神信仰の地として広まり、名所となった雑司ヶ谷鬼子母神堂。豊島区内最古の木造建築であるお堂、樹齢400年を超える参道のケヤキ並木など見どころも多く、雑司が谷の秋の風物詩になっている御会式(おえしき)でも知られる名刹だ。

イチョウなど大きな樹木に囲まれた鬼子母神堂(きしもじんどう)の境内。緑と静けさに包まれる} イチョウなど大きな樹木に囲まれた鬼子母神堂(きしもじんどう)の境内。緑と静けさに包まれる

堂々たるたたずまいのお堂は国の重要文化財

都電荒川線の鬼子母神前駅からケヤキ並木の参道を歩き、雑司が谷みみずく公園の先に木々の緑に囲まれたお堂が見えてくる。日蓮宗の法明寺の飛地境内に立つ雑司ヶ谷鬼子母神堂は、子授け、子育(こやす)の守神として厚い信仰を集め、今も戌(いぬ)の日には安産祈願やお宮参りにやってくる参拝者の姿が絶えない。その歴史は、1561年(永禄4)に清土(現・文京区目白台)で掘り出された鬼子母神像を、1578年(天正6)に「稲荷の森」と呼ばれていたこの地に村人がお堂を建て、安置したことに始まる。1664(寛文4)年に広島藩主浅野光晟(みつあきら)の正室・自昌院の寄進により本殿が建立され、1700年(元禄13)に相の間(幣殿)と拝殿が増築された。これらの建造物は、2016年(平成28)に国の重要文化財に指定されている。

本殿、相の間、拝殿が連結した権現造のお堂} 本殿、相の間、拝殿が連結した権現造のお堂

江戸時代に栄えた鬼子母神信仰の地

鬼子母神とは、もともとはインドの神で、夜叉神の娘であった。近隣の幼児を捕まえては食べてしまう恐ろしい鬼女だったが、釈迦に諭され改心してからは安産・子育の神となり、人々に尊崇されるようになったとされる。雑司ヶ谷鬼子母神堂は「江戸三大鬼子母神」のひとつで、江戸時代には武士から庶民まで広く信仰を集め、江戸後期には将軍の御成もあった。大きなケヤキ並木の参道には当時多くの茶店や料亭が並び、参詣土産にススキで作った「すすきみみずく」などが売られ、江戸郊外でも有数の行楽地として賑わった。江戸時代から伝わる年中行事のひとつである御会式は毎年10月に行われ、万灯行列が雑司が谷の町中を練り歩いて往時の賑わいを伝えている。

本殿に祀る鬼子母神像が菩薩形の美しい姿のため、鬼の1画目の角(ツノ)のない文字を用いている} 本殿に祀る鬼子母神像が菩薩形の美しい姿のため、鬼の1画目の角(ツノ)のない文字を用いている

境内を散策したあとは大黒堂で一服

鬼子母神堂の境内を歩いてみよう。境内に入ってまず目に入るのが、樹齢約700年の大公孫樹(おおいちょう)。幹周りは約8m、樹高は約30mという巨樹で、東京都の天然記念物に指定されている。その隣には倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀った武芳稲荷、向かいには大黒様が祀られている大黒堂がある。大黒堂の名物が「おせんだんご」。「おせん」の名は鬼子母神には千人の子があったことに由来し、小粒の5つ刺し団子は子宝に恵まれるようにとの願いがこもる。

武芳稲荷の赤い鳥居と応永年間に植えられたと伝わる大公孫樹。このイチョウに抱きつくと子宝に恵まれると「子授けイチョウ」と呼ばれた} 武芳稲荷の赤い鳥居と応永年間に植えられたと伝わる大公孫樹。このイチョウに抱きつくと子宝に恵まれると「子授けイチョウ」と呼ばれた

「おせんだんご」はお茶が付いて604円。だんごが売られる日は土・日曜、祝日、戌の日、8の付く日(縁日)に限られる} 「おせんだんご」はお茶が付いて604円。だんごが売られる日は土・日曜、祝日、戌の日、8の付く日(縁日)に限られる

ケヤキ並木にある便利な観光案内所

鬼子母神堂への参道の途中には「雑司が谷案内処」があり、雑司が谷周辺を紹介した各種パンフレットなどが常備されている。「雑司が谷七福神」の色紙も手に入るので、ここから七福神巡りに出かけてみるのもいい。案内処が入ったこの建物は1932年(昭和7)に建てられた五軒長屋で、その裏手には手塚治虫が暮らした並木ハウスが残っている。案内処の2階では手塚治虫についての常設展示もあり、こちらも忘れずにのぞいてみたい。

雑司が谷散策の拠点となる「雑司が谷案内処」。ガイドツアーの受付も行っている} 雑司が谷散策の拠点となる「雑司が谷案内処」。ガイドツアーの受付も行っている

「雑司が谷案内処」では江戸時代からの名物「すすきみみずく」や郷土玩具などの展示、販売もしている} 「雑司が谷案内処」では江戸時代からの名物「すすきみみずく」や郷土玩具などの展示、販売もしている

スポット詳細

住所
東京都豊島区雑司が谷3-15-20 map map 地図
電話番号
0339828347
時間
9:00-17:00
休業日
無休
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(TOSHIMA Free wifi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
備考
※ご祈願は電話で予約してください。
※堂内の見学は平日のみ。予約をお願いします(予約がないと入れません)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 沢山の人が
    4.0 投稿日 : 2023.01.29
    こちらは、都電荒川線の鬼子母神前駅から欅並木の趣のある参道を約4分くらいの所にあります。この神社は、安産と育児の神様、鬼子母神を祀る神社だそうで、当日は沢山の人が訪れていました。
  • まるでの「アバター」の世界のような御神木が目の前にそびえ立っています
    4.0 投稿日 : 2022.10.15
    豊島区区雑司が谷の「鬼子母神」についての情報を発信していきます。今回、「鬼子母神」を訪れたのは2022年10月3日です。レトロな都電荒川線「さくらトラム」に「町屋駅前」から乗車し、「鬼子母神前駅」までのんびりとした時間を楽しみながら「鬼子母神」へ向かいました。「鬼子母神前駅」で下車し、踏切を渡ると「鬼子母神」の大鳥居が目の前に見えてきます。広がる参道のケヤキ並木の石畳の参道を直進し、突き当りを左に...
  • 敷地内にある駄菓子屋と団子屋はボッタクリなので注意!
    4.0 投稿日 : 2022.09.11
    近くに来たなら立ち寄るのはありです。鳥居がたくさんある所は、インスタ映えしそう。本堂は、なんか手入れがそこまで…敷地内にある『おせんだんご』は、みたらしとあんこ2本で600円もするボッタクリのお店。また、駄菓子屋さんもボッタクリ店。値段表記がなく、店の言い値で買わされます。こんなお店が2軒も敷地内にあるのが恐ろしい。いくらショバ代払ってるんだか…わざわざ来るほどでもない事...

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アクセス

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