九年庵
春と秋に一般公開される名勝地
新緑の春と紅葉の秋
仁比山神社の仁王門から参道の坂を上がっていくと、境内の一角にある九年庵にたどり着く。例年春は4月末から5月初旬、秋は11月下旬に一般公開されている(公開時期や時間などについては年ごとに異なるので神埼市観光協会のウェブサイト等で要確認)。春はみずみずしいモミジやコケの新緑が目に鮮やか。秋は色合いの違った幾種類ものモミジなどの紅葉が、豊かなグラデーションとなって美しい。コケの緑とのコントラストも見事で、九年庵を代表する風景となっている。庭園の広さは約6800平方メートル。総面積は約2万8000平方メートル。ツツジ類はおよそ260本以上、モミジ類はおよそ130本あり、コケ類も40種類ほど見られるという。1995年(平成7)に国の名勝に指定されている。
9年間をかけて造られた庭園
九年庵は、明治時代の佐賀の実業家、伊丹弥太郎によって造られた別邸と庭園の総称。別邸は1892年(明治25)に建設された。庭園は、九州で庭造りの第一人者として知られた久留米の阿(ほとり)和尚が手がけ、1900年(明治33)から9年の歳月をかけて築かれたという。九年庵の名称はこれに由来する。庭園は、前述のとおり多彩な樹木とコケで彩られ、筑紫野ののびやかな広がりと有明海が眺望できる借景庭園にもなっている。別邸は入母屋葦葺き造り。上がることはできないものの、竹格子の小窓や土壁など細かな部分の意匠、構造などにも注目したい。茶室と書院の様式が折衷された近代和風の数寄屋建築として見ごたえがある。この別邸と庭園が一体となった風景が、九年庵の見どころとなっている。
伊丹弥太郎の人物像
九年庵を造った伊丹弥太郎という人物についても、簡単に触れておきたい。伊丹弥太郎(1867~1933)は父の事業を継いで佐賀銀行の前身の1つである銀行の頭取を務め、佐賀財閥と呼ばれる企業集団を築いた。貴族院議員も1期7年務めている。伊丹は佐賀県で最初の電力会社の設立にも関わり、取締役に就任。その後は、鉄道事業にも関わっていった。第一次世界大戦後は恐慌で関連企業の経営が悪化していき、大正末期には伊丹家は没落した。だが、九州の産業に広く関わり発展させた伊丹弥太郎の功績は九年庵として残され、今も人々を楽しませている。伊丹が別邸を建てたのは20代半ば。庭園が造られ始めたのは30代前半のことだった。
スポット詳細
- 住所
- 佐賀県神埼市神埼町的 地図
- エリア
- 鳥栖・吉野ヶ里エリア
- 電話番号
- 0952370107
- 時間
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公開期間(11/15-11/23)8:30-16:00
※春は期間未定 - 休業日
- 公開期間中は無休
- 料金
- [美化協力金]500円(中学生以下無料)
- 駐車場
- あり(800台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 不可(石段と飛び石あり)
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可(抱ける小型犬のみ)
- 雨の日でも楽しめる
- はい(混雑のおそれあり)
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 藁ぶき屋根と紅葉
- 仁比山神社の参道には小城羊羹や嬉野茶などを売る出店あり。九年庵は藁ぶき屋根竹編の天井を持つ伝統的な日本家屋で、庭の紅葉と合わさり日本的な美しさを感じました。
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- きれいでした。
- 限定公開!!とうたっていたのもありハードルがあげられすぎていたかな感もありますが、ふつうにきれいな紅葉を見ることができました。ですが、まったくノーマークだったそのすぐ横の神社のほうが個人的に気に入りました。
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- 私にとっては大嘗祭みたいなもの
- 今年も3回来ました。[長崎ルート]秋の九年庵 3つの一般公開と活イカ造り・佐賀牛 うまかもんを食す(2019年11月15日)、[長崎ルート]九年庵と秋の10(てん)こもり 大感謝祭(20日)、秋の九年庵 2つの紅葉ライトアップ...
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