唐泊恵比須 かき小屋
うまみに満ちた新鮮な牡蠣を焼いて味わうぜいたく
70台の焼台が整然と並ぶ大きな建物
糸島半島の東部海岸沿いにある福岡市西区小田地区。対岸には能古島(のこのしま)などが望める風光明媚なエリアで、一帯には福岡市海づり公園やキャンプ場、海鮮グルメの店などが並ぶ。そこにある大きな建物が「唐泊恵比須かき小屋」だ。小屋とはいっても建物内には70台の牡蠣焼台が整然と並び、320人が収容できる清潔感にあふれる建物。駐車場も広々している。この大規模施設が週末ともなれば満席になり、空きを待つ行列ができるほど。平日でも昼どきは海が見える窓側からどんどん焼台が埋まっていく。人気の秘密は牡蠣の品質の高さにある。身の締まりがよく、貝柱が大きい。何よりもこだわっているのが「安心・安全」だ。牡蠣を育てている沖合の水質がよいうえ、水揚げ後は紫外線・オゾン殺菌した海水に24時間以上漬けてから出荷。毎月1回、必ず水質の自主検査をしており、生で食べても問題ない質を誇っている。
福岡エリアでは漁協運営の先期的な施設
名称に使われている唐泊(からどまり)は、牡蠣小屋から車で5分ほど走った北崎地区にある漁港の名前。日本でも最古の漁港のひとつといわれ、起源はなんと約1500年前までさかのぼる。古代から対外航路の重要な拠点で、唐へ向けて出港を待つ遣唐使が宿泊したことから、いつの頃からか「唐泊」と呼ばれるようになった。そんな歴史的な港町で牡蠣の養殖が始まったのは2001年(平成13)頃。昔から冬場はイリコ漁が盛んで、この港に所属する漁師たちの売り上げの柱だったが、環境の変化で次第に漁獲量が減少。その対策として牡蠣の養殖に着目した。養殖は福岡市漁業協同組合唐泊支所が中心となって手がけ、翌年には「唐泊恵比須かき」というブランド名で販売を開始した。「せっかくなら養殖場に近いこの場で食べてほしい」と声が上がり、2003年(平成15)に牡蠣小屋をオープン。最初はビニールハウスを利用した文字どおり小屋的規模だったが、人気が高まったことから2007年(平成19)に大型施設「唐泊恵比須かき小屋」としてリニューアル。福岡エリアでは牡蠣小屋の先駆的存在で、漁協が運営する唯一の施設として知られる。
身がプリプリで濃厚なうまみに感動
建物の中に入るとまず、ずらりと並ぶ焼台が目に飛び込んでくる。右手には大きな水槽が備えられ、きれいな水に沈められた牡蠣がカゴに入って出番を待つ。受付でザルに盛られた牡蠣、大2.0kg 3000円か中1.0kg 1500円を購入し、係の人の案内で焼台へ向かう。牡蠣はていねいに手入れされているので1粒1粒がきれいで粒ぞろい。焼台ではすでに炭がいい塩梅におこされており、牡蠣を載せて焼き上がりを待つだけ。軍手や殻を開けるナイフ、トングなどの必要な道具と、殻の平らなほうを下にするなど焼き方のコツを書いた説明書があるので初心者でも安心して楽しめる。殻からブクブクと汁が吹き出し始め、少し殻が開き始めたら食べ頃だ。食感はプリプリ。濃厚なうまみが磯の香りとともにつるんと喉を降りていく。生でも食べられるからクセもなく上品なあと口だ。ただし、焼き過ぎは要注意。せっかくの味わいが台なしになる。好みで醤油かポン酢をかけたり、あるいは別売のバターやレモン(各100円)を載せたりして味の変化を楽しむのもいい。また、「牡蠣めし」(300円)や「おにぎり」(100円)、「野菜セット」(400円)、さらにサザエやほたて、一夜干しのイカなども販売されている。営業は毎年11月から春先にかけて。本格シーズンになると平日でも混み合うので、時間帯を選んで訪ねたい。
スポット詳細
- 住所
- 福岡県福岡市西区小田 地図
- エリア
- 福岡市北西部・糸島エリア
- 電話番号
- 0928091047
- 時間
-
[平日]11:00-17:00(L.O.16:30)
[土日祝]11:00-18:00(L.O.17:00) - 休業日
- 火(祝日の場合は営業)
情報提供: ナビタイムジャパン