尾瀬ケ原

湿原/池塘

広大な山岳湿地が繰り広げる景観に息を飲む

尾瀬ヶ原(標高1400m)は、群馬県片品村と福島県檜枝岐村(ひのえまたむら)、新潟県魚沼市にまたがる本州最大の湿原だ。尾瀬の風景を歌った名曲『夏の思い出』を知る人は、尾瀬といえば尾瀬ヶ原をイメージするのではないだろうか。

広い尾瀬ヶ原を貫くように延びる木道。尾瀬の木道は右側通行となっている 広い尾瀬ヶ原を貫くように延びる木道。尾瀬の木道は右側通行となっている

広く、高く、心地良い空気に包まれる

尾瀬ヶ原は、鳩待峠(標高1591m)から徒歩で1時間ほど。樹林帯を下り、山小屋の集まる山ノ鼻を過ぎると、湿原が目の前に広がった。カッコウやホトトギスなどの野鳥の鳴き声を耳にしながら木道を歩く。山ノ鼻から牛首分岐(うしくびぶんき)、ヨッピ吊り橋、竜宮を経由して山ノ鼻に戻るおよそ11㎞の平らなコース。「日本百名山」の至仏山を背に、同じ「日本百名山」の燧ヶ岳(ひうちがたけ)を眺めながら歩く。空は青く高い。ゆっくり雲が動いていく。関東の平野部と比べて気温は10度ほど低く、時折吹き抜ける涼風が心地いい。ヨッピ吊り橋の手前でニッコウキスゲを楽しんだあと、立ち寄った山小屋で「昼過ぎには夕立が来そう」と教えてもらった。急いで来た道を振り返り、山ノ鼻へと向かう。

木道沿いに入山者を待ち受けるかのように咲くニッコウキスゲ 木道沿いに入山者を待ち受けるかのように咲くニッコウキスゲ

尾瀬の四季は駆け足

尾瀬ヶ原は東西に細長く約6㎞、幅は広い場所で約2.5㎞ある。積雪は3mとも5mともいわれるが、5月中旬頃になると雪どけが進み、ミズバショウの群落やリュウキンカの花が春の訪れを演出する。6月下旬には白い綿毛のワタスゲ、7月上中旬にもなるとニッコウキスゲが登場、鮮やかな黄色い花が夏の尾瀬を彩る。
湿原には池塘(ちとう)と呼ばれる池が点在する。浮葉植物のヒツジグサやオゼコウホネが水面を陣取り、トンボなどの昆虫も飛び交う。1年で最も躍動感に満ちた季節を迎える。緑で覆われていた湿原も次第に秋の気配が漂い、9月下旬には草紅葉の季節が到来。10月下旬頃になると雪が舞い始め、尾瀬は雪の毛布に覆われながら、長い眠りにつく。

池塘に浮かぶヒツジグサ。花の直径は5㎝ほど 池塘に浮かぶヒツジグサ。花の直径は5㎝ほど

湿原のあちこちで見られる池塘。川の流入がなく雨水だけで満たされているものもある 湿原のあちこちで見られる池塘。川の流入がなく雨水だけで満たされているものもある

湿原の下には竜宮城?

尾瀬ヶ原には「竜宮」という地名がある。ここには、流れてきた水が吸い込まれ、消えてしまう穴がある。その昔、「この穴は竜宮城まで通じているに違いない」と信じられ、名づけられたという。実際には、50mほど離れた場所で地上に湧き出ているので、地下トンネルを水が流れていることがわかる。それでも、残雪期の雪どけ水や大雨のあとには、流れてきた水が渦を巻いて吸い込まれていく光景が広がる。竜宮城の存在はともかく、不思議な光景だ。山ノ鼻地区から歩いて1時間半ぐらいの場所にある。それぞれ、近くの木道に「竜宮現象 入口(伏流点)」「竜宮現象 出口(湧出点)」と書かれた案内板が張られている。

周囲から流れ込んだ水が吸い込まれていく「竜宮現象」の入り口 周囲から流れ込んだ水が吸い込まれていく「竜宮現象」の入り口

小さな命の駆け引き

尾瀬ヶ原は、食虫植物の一種、ナガバノモウセンゴケの本州最大の生息地。葉の先に粘着物質を出して昆虫を捕らえる。葉が細長く赤い色をしているので、木道からでも見つけやすい。太陽光を反射してきらきら光る湿原の上で、虫たちが止まるのをじっと待っている。水分が多く気温の低い湿原は栄養が乏しいため、虫を捕ることによって栄養の補給をする必要があると考えられている。ふと、近くの草の葉に、ハッチョウトンボがいるのを見つけた。日本一小さなトンボで体長は2㎝ほどしかない。風で飛ばされないように、草の葉をぎゅっとつかんでじっとしている姿を見ていると、「食べられないようにがんばれ」と思わず声援を送りたくなる。

赤いせん毛が覆う細長い葉で昆虫を待ち構えるナガバノモウセンゴケ 赤いせん毛が覆う細長い葉で昆虫を待ち構えるナガバノモウセンゴケ

赤色で大きさは10円玉ぐらい。日本一小さいトンボのハッチョウトンボ 赤色で大きさは10円玉ぐらい。日本一小さいトンボのハッチョウトンボ

スポット詳細

住所
群馬県利根郡片品村
電話番号
0278583222
休業日
[11月上旬-4月下旬]冬期道路内閉鎖のため入山不可
料金
無料
駐車場
なし
※各入山口には駐車場有り

情報提供: ナビタイムジャパン

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