秋篠寺
東洋のミューズと呼ばれる美麗な仏像に隠された秘密
緑に覆われた広い庭をゆっくり歩こう
近鉄大和西大寺駅と平城駅の中心辺りに位置しており、どちらからも徒歩25分ほどの距離に位置する秋篠寺。大和西大寺駅からはバスも出ており、6分ほどで寺の東門に到着する。奈良時代の末期、780年(宝亀11)頃に創建された秋篠寺は、この辺りの地名であった「秋篠」から寺名が付いたといわれている。創建当初の建物は、残念ながらそのほとんどが、平安時代末期の戦火で焼失してしまった。本堂は鎌倉時代に再建されたが、塔や金堂があった場所は、現在は緑豊かな庭に姿を変えている。
この広々とした庭の美しさも、秋篠寺の大きな魅力のひとつ。門から一歩足を踏み入れると、背の高い木々にすっぽりと包まれ、辺りは緑一色に。境内はしんと静かで、風で揺れる葉のサラサラとした音が響く。まさに「聖域」という言葉がふさわしい、神秘的な空間だ。本堂まで延びる道を、ゆっくりと歩いて進もう。
国宝の本堂の中には貴重な仏像が並ぶ
鎌倉時代に再建された本堂は、国宝に指定されている大変貴重な建築物。木組みの美しさを生かした素朴なたたずまいが印象的で、鎌倉時代の和様(わよう)建築の代表作のひとつとされている。
照明が抑えられたほの暗い堂内は、床板がない土間造りになっており、いくつもの仏像の姿が神秘的に浮かび上がる。中央に位置するのは、本尊の木造薬師如来像。両脇侍像(りょうわきじぞう)とともに並ぶ三尊像だ。本尊の後方には、不動明王、帝釈天(たいしゃくてん)、愛染明王(あいぜんみょうおう)、十二神将像など、国の重要文化財を含むいくつもの仏像が並んでいる。なかでも特に有名なのは、左方に位置する伎芸天(ぎげいてん)だ。高さ約2m、技芸上達の神様をかたどった木造の像は、その美しさから「東洋のミューズ」とも称される。ふっくらとしたやわらかな体つきに、ゆるやかに印を結ぶ指。小首をかしげ、わずかに上げられた口角は、やさしく微笑んでいるようにも見える。美しさと威厳をあわせもち、不思議な魅力を放つ像だ。
頭と体が別時代?平安時代の人々が守り伝えた仏像の姿
秋篠寺にある25体の仏像のうち、伎芸天像や帝釈天像など4体の仏像は、頭と身体が別々の時代に作られたことがわかっている。頭部は奈良時代、身体は鎌倉時代の作であるといわれており、その両方をつなぎ合わせたものが、私たちが見ている像だというのだ。これは一体どういうことだろうか?一説によると、平安時代、本堂に戦火が燃え移った際、仏像を守ろうとした人々がいたらしい。しかし、あまりの重さに運び出すことができず、「せめてお顔だけでも」と頭部を切り出して守ったのだとか。命をかけ、必死で仏像を運び出した人々のおかげで、この姿が今に残っている。そう思うと、立ち並ぶ仏像たちがよりいっそう尊いものに見えてくる。時間を忘れてただひたすらに、その美しい姿と向き合いたい。
スポット詳細
- 住所
- 奈良県奈良市秋篠町757 地図
- エリア
- 平城京跡・西ノ京エリア
- 電話番号
- 0742454600
- 時間
- 9:30-16:30
- 休業日
- 無休
- 料金
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【拝観料】
[大人(高校生以上)]500円
[中学生]200円
[小学生]100円
※小中学生は成人家族を伴うこと
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 綺麗です!
- とにかく景観が良いお寺だなと感じました。お金がかけられている感と言ったら言い方が悪いのかもですが、細かいところまで行き届いているといった印象でした。とても良かったです♬
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- 境内からの眺めが素晴らしい
- 西大寺駅から少し歩くが、この寺に行き、境内からの眺めを堪能すると、歩いて疲れた体がとても癒される。この寺には、伎芸天で有名であるが、予想以上に大きな天女像に少し驚いた。
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- 秋篠宮の号の由来の地に建つ古刹
- 奈良盆地の北西の外れ(おそらくは、創建当時にあってはここより奥は山地であったろう…。)にひっそりと建つ。こじんまりとした佇まいだが、鎌倉時代の再建された本堂は国宝。また重要文化財の技芸天立像は仏像好きのみならず多くの人に愛されている。苔むす庭も大変有名です。
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