題経寺(柴又帝釈天)

寺院

彫刻で有名な柴又のランドマーク的寺院

「彫刻の寺」として有名な日蓮宗の寺院。映画『男はつらいよ』シリーズで登場したことでも知られる柴又の中心的存在で、江戸時代から庚申信仰の対象として多くの人々が参拝に訪れている。池泉式庭園の「邃渓園(すいけいえん)」も必見だ。

総ケヤキ造の二天門は「江戸期建築最後の名匠」と言われた棟梁・坂田留吉によるもの} 総ケヤキ造の二天門は「江戸期建築最後の名匠」と言われた棟梁・坂田留吉によるもの

江戸庶民に親しまれた帝釈天

「柴又帝釈天」の愛称で知られる経栄山題経寺は、1629年(寛永6)に開かれた日蓮宗の寺院。日蓮聖人自刻による帝釈天の板本尊で有名だ。板本尊は江戸時代中期に一時期所在がわからなくなったが、1779年(安永8)春の庚申の日に本堂改修中の梁上から発見された。当時、江戸では庚申の日に眠ると体内にいる虫が神様にその人の悪事を告げ口することから、庚申の日は寝ずに経を唱えるという「庚申信仰」が盛んだった。このため帝釈天には庚申の日に帝釈天に参拝し、本堂で一夜を明かす「宵庚申」が盛んになったという。現在も庚申の日には板本尊が開帳され、日蓮宗僧侶による法話が開かれている(2021年11月現在コロナ禍につき法話は中止)。

左から日蓮聖人を祀る本堂(祖師堂)と、開山堂(釈迦堂)。本堂は以前は帝釈堂として使われていたものを明治時代に移転・修理したもの} 左から日蓮聖人を祀る本堂(祖師堂)と、開山堂(釈迦堂)。本堂は以前は帝釈堂として使われていたものを明治時代に移転・修理したもの

帝釈天が祀られたお堂に参拝

京成電鉄金町線の柴又駅を出ておよそ5分、帝釈天参道を通り抜けた先に見えてくるのが、柴又帝釈天の「二天門」だ。1896年(明治29)に造られた総ケヤキ造りの木彫刻が見事な門には、帝釈天の配下である南方守護の増長天と西方守護の広目天が安置されている。精緻な彫刻が見事な門をくぐり境内に入ると、正面に帝釈天を祀る帝釈堂と都指定天然記念物の「瑞龍の松」が見えてくる。帝釈堂の板本尊は60日に1度の庚申の日に開帳しているので、タイミングが合えば庚申の日にお参りしたい。瑞龍の松は、その根本から湧く霊泉を見つけた開基の日栄上人が庵を結んだことが柴又帝釈天の始まりと伝わっており、400年以上を生きる古木独自の迫力がある。

総ケヤキ造りの帝釈堂と、北・南・西の三方向に枝を長く伸ばす瑞龍の松} 総ケヤキ造りの帝釈堂と、北・南・西の三方向に枝を長く伸ばす瑞龍の松

すばらしい彫刻が見学できるギャラリー

柴又帝釈天はあちこちにすばらしい彫刻があるが、なかでも帝釈堂と喜見域の外壁に飾られた10枚の胴羽目彫刻は荘厳で迫力満点だ。法華経の説話をテーマにしたという、ケヤキの一枚板でできた精緻な作品は「彫刻ギャラリー」でじっくり見学できる。1911年(大正11)年に一作目が完成したが、1912年(大正12)の関東大震災で彫刻材が焼失。このため全国からケヤキ材を求めて探し回り、見つかったあとは数年間帝釈天域内の彫刻小屋に彫刻師が泊まり込み、あるいは通って造り上げた。説話の彫刻の上には十二支と天女が、下には鶴・亀をはじめとした動物たちや花が彫刻されている。縁の下の龍の彫刻も見どころのひとつだ。

ガラス張りの彫刻ギャラリー。彫刻の保護と、彫刻が見やすいようにするため、帝釈堂の回廊の周りに新たに回廊を造った} ガラス張りの彫刻ギャラリー。彫刻の保護と、彫刻が見やすいようにするため、帝釈堂の回廊の周りに新たに回廊を造った

縦1.27m、横2.27mのケヤキ板に施された彫刻は美術品としても一級品} 縦1.27m、横2.27mのケヤキ板に施された彫刻は美術品としても一級品

池泉式庭園をぐるりと歩いて見学

柴又帝釈天は美しい池泉式庭園「邃渓園」でも有名だ。約2000平方メートルの広さをもつ庭園は大正年間に作庭されたもので、のちに造園師・永井楽山が改修し、1965年(昭和40)にほぼ現在の形となった。庭の名前は園内にある滝が幽邃(ゆうすい:奥深くてもの静かなこと)であることから。当初は大客殿から眺める形を取っていたが、1984年(昭和59)に大回廊が設けられた。入り口は本堂奥にあり、大客殿を経由して回廊を歩いて見学する。庭を全方向から眺めることができるのはなかなか楽しい。大客殿の目の前は芝庭で、奥に池泉や築山、島を配すスタイル。築山からは滝が流れている。

大客殿から見た庭の様子。緑の芝生が美しい} 大客殿から見た庭の様子。緑の芝生が美しい

回廊からは池や大客殿が見学できる。視点を変えながらの庭の散策を楽しもう} 回廊からは池や大客殿が見学できる。視点を変えながらの庭の散策を楽しもう

スポット詳細

住所
東京都葛飾区柴又7-10-3 map map 地図
電話番号
0336572886
時間
9:00-18:00
休業日
無休
[庭園のみ]12/28-1/3
料金
【拝観料(庭園・彫刻ギャラリー共通)】
[大人]400円
[小、中学生]200円
駐車場
あり(40台)
※12/31-1/3、通行止利用不可
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 風格がある建物
    4.0 投稿日 : 2023.01.11
    寅さん映画で有名な帝釈天です。金町線の柴又駅の近くですが、北総鉄道新柴又駅からも歩ける距離です。参道は土産物屋や飲食店も多く賑やかです。
  • 立派なお寺です
    5.0 投稿日 : 2023.01.10
    初詣をかねて若い頃親しんだ映画「男はつらいよ」で有名な帝釈天に行ってきました。 1月8日(日)に行きました。9時30頃着いたので、最初は余り混んでいませんでした。お参りして、400円の拝観料でみることのできるお庭や本堂の彫刻など見、立派なので下町の普通のお寺と思っていたので、びっくりしました。拝観もして出てくると、人手がふえて賑わっていました。
  • 下町情緒あふれるお寺-木彫り彫刻の芸術品と庭園の美しさ-
    5.0 投稿日 : 2022.12.13
    葛飾区の「柴又帝釈天題経寺」についての情報を発信していきます。「柴又帝釈天題経寺」を訪れたのは2022年11月17日と12月12日の二回です。京成金町線「柴又駅」の改札出入口を出ると正面に「フーテンの寅像と見送るさくら像」があります。前方を見ると参道の入り口の看板(門)が見えます。道なりに前方に直進すると「柴又街道」があるので、それを渡ればレトロな「帝釈天参道」が続きその先に「二天門」がそびえ立...

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アクセス

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