内子町歴史民俗資料館(商いと暮らし博物館)

博物館/科学館

昔の商家の暮らしぶりを体感できる博物館

江戸から明治時代の商家(薬局)を活用した博物館。人形や道具類を使って、1921年(大正10)頃の薬局の商いと暮らしを再現している。人形たちの内子弁に耳を傾けてみるのも楽しい。

大正時代の薬屋の店頭の様子を再現した展示スペース} 大正時代の薬屋の店頭の様子を再現した展示スペース

商店街通り沿いの店頭でリアルな人形が話しかける

100年の歴史がある内子座や、八日市・護国の町並みが残る愛媛県内子町。「商いと暮らし博物館」は、そんな内子の町並み散策の際に立ち寄りたいスポットだ。JR内子駅から歩いて15分。内子座からは5分ほど。本町通りを八日市・護国の町並みに向かって歩いていると、右手から視線を感じる。視線の正体である2体の人形が店頭に並んでいる建物こそ、「商いと暮らし博物館」だ。近寄ってみると、等身大のリアルな人形に「おいでなはい」と内子弁で声をかけられ、驚かされる。そして、人形の手元やうしろの戸棚には、ズラッと並ぶ薬の数々が。明治から昭和まで続いた佐野薬局という薬商だった場所を、伝統的な建造物の保存と再生を図るため、1990年(平成2)から商いと暮らし博物館として公開している。

メイン通り沿いに立っているので気軽に立ち寄れる} メイン通り沿いに立っているので気軽に立ち寄れる

かつての商家で1921年(大正10)頃の薬屋の暮らしを巧みに再現

通りから見える店頭の人形にすでに釘付けになる。受付でもらえるパンフレットには、建物や展示の内容などが記されているので、博物館巡りの参考にしたい。通りからは一見わからないが、建物は奥に長くなっているうえ、増築を繰り返し、2階にはさまざまな部屋がある。さらに、主屋の奥には蔵も立ち、敷地面積は939.4平方メートルと広い。探検気分で主屋や蔵を巡ってみよう。主屋では、1921年(大正10)頃の薬屋の暮らしが当時の道具類や人形を使って巧みに再現されている。展示は13のシーンで構成され、シーン1は先ほどの店売りの場面だ。店番はおもに主人の仕事で、大半の商品は戸棚に収納されているが、よく売れる品や新製品は座売りしていた様子がわかる。佐野薬局では、日用品なども多く扱っていたようで、ケチャップやビールまで店頭に並んでいる。

博物館のオープンにあたり、薬品会社にも昔の薬袋の提供に協力してもらったそう} 博物館のオープンにあたり、薬品会社にも昔の薬袋の提供に協力してもらったそう

ヒアリングを基に作った内子弁のセリフもおもしろい

受付を抜け、館内に入ってすぐのところでは、シーン3・食事(朝)の風景を見られる。当時は身分によりメニューや食べる場所が違っていることがわかる。靴を脱いで、1階の座敷に上がれば、シーン5の商談接客を見られる。町内の知人が訪ねてきて、主人と世間話をしている会話を楽しめる。2階に上がると、店内に使用する商品の在庫置場兼丁稚(でっち)の寝室として使われていた部屋と隠居部屋がある。丁稚とは、商人の家に年季奉公(ねんきぼうこう)をする少年のこと。シーン9の在庫整理(夜)では、丁稚が主人や家族に内緒で薬種商の受験勉強をしながら、思うように捗らず一人言をぼやいている。1階に下りた炊事棟でも、シーン11の炊事洗濯として、女中が一人言を言いながら朝食のあと片付けをしている。人形の台詞は、当時を知る人の話が基となっており、「朝から夜中まで仕事が大変……」など愚痴風なものまであっておもしろい。地元の劇団員たちに吹き込んでもらったという内子弁にもぜひ注目してほしい。

朝食風景。家族は畳の上で、丁稚は土間で食事をしていた} 朝食風景。家族は畳の上で、丁稚は土間で食事をしていた

シーン10の隠居部屋では、家業を息子に譲った創業者が棋譜を片手に勉強している} シーン10の隠居部屋では、家業を息子に譲った創業者が棋譜を片手に勉強している

建築当初、かまどは主屋の土間にあったが、明治初期に炊事棟が追加された} 建築当初、かまどは主屋の土間にあったが、明治初期に炊事棟が追加された

蔵では内子の歴史、風俗、郷土の人物についても学べる

さらに奥にある明治中期築造の蔵の1階は、内子の歴史展示室になっている。入り口では、主屋同様、リアルな人形の丁稚が薬瓶を抱えて作業をしながら会話している。中に進むと、中央には大正時代の六日市周辺の再現ジオラマが。それを囲むように、内子町の歴史を解説するさまざまな資料が展示されている。「内子の起こり」「在と町の関係」「近代の歩み」「内子が生んだ人々」の4つのテーマに分けた解説で、実物資料を中心に模型、イラストや映像などを用いて視覚的な展示を行っている。視覚や聴覚を使って、商家の暮らしぶりや内子町の歴史、風俗を楽しく学べる商いと暮らしの博物館に、ぜひ家族や親子で足を運んでみては。

米俵のように見えるのはすべて薬瓶} 米俵のように見えるのはすべて薬瓶

内子町の歴史について時代を追って解説している歴史展示室} 内子町の歴史について時代を追って解説している歴史展示室

スポット詳細

住所
愛媛県喜多郡内子町内子1938 map map 地図
エリア
内子エリア
電話番号
0893445220
時間
9:00-16:30
休業日
12/29-1/2
料金
[入館料]大人200円、小中学生100円
※セット券あり
駐車場
なし
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay)
Wi-Fi
あり
喫煙
不可
滞在目安時間
0-30分
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 大正時代の薬屋のくらし
    3.0 投稿日 : 2022.06.06
    内子駅から徒歩10分ほど。入場料200円。内子座、木蠟資料館上芳我邸とのセット券は900円。明治からの薬商「佐野薬局」の建物で、主屋は江戸-明治の築。室内は大正10年頃の薬屋のくらしが再現されており、等身大の人形を用いて食事や接客などの様子が分かるようになっている。また蔵には内子の歴史や風俗に関する資料、町並みのジオラマなどが展示されている。
  • ステキな中庭
    4.0 投稿日 : 2021.02.13
    3つの資料館の入場券がセットになっており、こちらも見学。よくあるタイプの博物館ではありますが、古い家屋の構造や、当時からこだわっていたであろう中庭、通りに面した2階からの眺めなど、展示物以外にも楽しめる要素がありました。
  • 沢山の等身大の人形と、会話音声
    5.0 投稿日 : 2020.03.31
    全てが感動的に素晴らしい。文字だと全く読まない我が子小学生中学生も、音声をよく聞いて、昔の人々の暮らしに家族で思いを馳せました。たっぷり1時間以上、お庭や土間、風呂、トイレ、二階からの屋根が並ぶ景色も堪能し感激の連続でした。たまたま内子の宿 くら、という宿に泊まったのでせっかくだからと半日歩いた内子の町並みは、こちらを見学することで更に、我が家の愛媛観光のスポットライトとなり、大きな意味をもたら...

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