太皷谷稲成神社

神社

「日本五大稲荷」のひとつで、ファンタジックな千本鳥居がある

太鼓谷稲成神社は、津和野藩主が藩と領民の安寧を祈願し創建した「おいなりさん」。津和野城跡がある城山の山腹にあり、津和野の町からの表参道には「千本鳥居」が続く。「四ヶ所参り」で願い事を叶えたい。

朱色がまばゆい境内に稲成大明神ののぼりが立つ} 朱色がまばゆい境内に稲成大明神ののぼりが立つ

「出雲大社に次ぐ」参拝者を集める

島根県で参拝者が多い神社といえば、誰しも「出雲大社」を思い浮かべることだろう。しかし、次がどこかと問われれば返答に窮するに違いない。じつは島根で2番目に参拝者が多い神社は、津和野の「太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)」だという。この稲成神社は、それほど多くの信仰を集めているのだ。そして「日本五大稲荷」のひとつに数えられ、そのなかで唯一「いなり」を「稲荷」ではなく「稲成」と表記する。また、ここには京都の伏見稲荷大社と同じように「千本鳥居」がある。それが津和野の町からの「表参道」になっていて、延々と続く鳥居をくぐり抜け、約300mの石段を登れば、境内の入り口に立つ「神門」にたどり着く。境内までは「裏参道」として車道も整備され、そこに広い駐車場もあるので、車で参拝するにも便利なのだが、千本鳥居をくぐって行けばいっそう印象深い。旅で訪れる際には、ぜひとも千本鳥居の表参道から参りたい。

津和野の町から太皷谷稲成神社への表参道に、ファンタジックな千本鳥居が続く} 津和野の町から太皷谷稲成神社への表参道に、ファンタジックな千本鳥居が続く

藩主の思いが込められた「稲成」の「成」

太皷谷稲成神社は、1773年(安永2)に津和野藩7代藩主の亀井矩貞(のりさだ)が藩と領民の安寧を祈願し、伏見稲荷大社から勧請したのが始まりだ。「太皷谷」は、津和野城で打つ太鼓が鳴り響いた谷間であることから名付けられた。また、この地は津和野城の東北端、陰陽道の鬼門に位置し、古くから神聖な場所とされていた。五穀豊穣・商売繁盛の神である宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ 稲成大神 いなりのおおかみ)と伊弉冉尊(いざなみのみこと 熊野大神 くまののおおかみ)を祀り、「稲成」の「成」には藩主の想いが込められているという。歴代藩主の崇敬があつく、明治維新後に廃藩となるまでは藩主亀井家の祈願所として維持され、藩主以外の参拝は禁じられていた。廃藩後は一般にも開放され、庶民も参拝できるようになり、近隣の人々の信仰を集めるようになった。戦後の高度成長期には参拝者が激増し、1969年(昭和44)に「新殿」が完成。古い社殿は「元宮」として、分霊が祀られている。

新殿は、境内西側の山を切り開いて新たに造成された社殿地に立つ。朱色の社殿に大きなしめ縄が印象的だ} 新殿は、境内西側の山を切り開いて新たに造成された社殿地に立つ。朱色の社殿に大きなしめ縄が印象的だ

元宮の現在の建物(左手奥)は、1923年(大正12)築。新殿と同じく伊弉冉尊(熊野大神)と宇迦之御魂神(稲成大神)が祀られている。右手は神門} 元宮の現在の建物(左手奥)は、1923年(大正12)築。新殿と同じく伊弉冉尊(熊野大神)と宇迦之御魂神(稲成大神)が祀られている。右手は神門

「四ヶ所参り」で願いを叶えたい

元宮の後方には、稲成大神の使いである夫婦の白狐神「命婦専女神(みょうぶとうめのかみ)」を祀る「命婦社」がある。また、新殿の後方には「新殿裏奉拝所」があり、稲成大神を最も近い場所から拝することができる場所となっている。そして、この神社には「元宮」「命婦社」「新殿」「新殿裏奉拝所」の順に参拝し、それぞれに油揚げを供える「四ヶ所参り」の習わしがある。神狐守護、良縁成就・夫婦円満などの神徳がある霊験あらたかな神域を巡れば、どんな願いも叶えられ、大願も成就できそうだ。津和野の町から神社に上る「千本鳥居」表参道の入り口の近くには、珍しい「黒い稲成寿司」が名物の老舗「美松食堂」があるので、参拝帰りに立ち寄り、滋味深い油揚げを味わってみたい。

この「命婦社」で祈れば、伏見稲荷大社に想いが通じるとの言い伝えが残る} この「命婦社」で祈れば、伏見稲荷大社に想いが通じるとの言い伝えが残る

「四ヶ所参り」で必要な「お供えお揚げ」(ローソク付き)は、駐車場の手水鉢前と売店で用意されている(1包200円)} 「四ヶ所参り」で必要な「お供えお揚げ」(ローソク付き)は、駐車場の手水鉢前と売店で用意されている(1包200円)

千本鳥居の表参道を登り切った境内入り口に立つ「神門」。神社は標高213mの位置にあり、津和野の町を一望できる} 千本鳥居の表参道を登り切った境内入り口に立つ「神門」。神社は標高213mの位置にあり、津和野の町を一望できる

殿町通りから千本鳥居入り口の大鳥居まで約200m。参道には美松食堂のほか、津和野名物「源氏巻」を売る土産店なども並ぶ} 殿町通りから千本鳥居入り口の大鳥居まで約200m。参道には美松食堂のほか、津和野名物「源氏巻」を売る土産店なども並ぶ

スポット詳細

住所
島根県鹿足郡津和野町後田409 map map 地図
電話番号
0856720219
時間
8:30-16:30
休業日
無休
料金
[参拝料]無料
駐車場
あり(100台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(ソフトバンク)
コンセント口
なし
喫煙
可(境内に喫煙所あり)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 津和野のまちが一望
    4.0 投稿日 : 2022.05.08
    山口線の列車の中からも山の中腹にあるこの神社が見えます。津和野の町は広くないのですが、ここは車がないとつらいかと思います。駐車場は広いです。社殿も大きく、境内から津和野のまちが一望できました。津和野城の御城院がここの御朱印カウンターと同じ場所で販売されていました。
  • 鳥居がたくさん
    4.0 投稿日 : 2022.04.21
    津和野にある神社です。京都の伏見稲荷のように、たくさんの赤い鳥居があります。稲荷ではなく、稲成と書くそうです。駐車場もあり、車ですぐ近くまで行けます。
  • 太鼓谷稲成神社と周辺観光
    5.0 投稿日 : 2022.04.19
    2022年4月17日は、天気予報の快晴情報から昨年から行こうと思いながらも行けずにいた島根県の津和野町にある「太皷谷稲成神社」に参拝して来ました。しかも、いつも出掛けるのは平日と言う、これまでのルールを破る日曜日のドライブでしたから、平日の移動と違って渋滞が若干気になったものの、同じ島根県でも人気の出雲大社では無いのだから・・・。と自分に言い訳しながら納得させたのでした。朝8時前から出発した私...

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