遠野市立博物館
「遠野物語」をたどる日本初の民俗学専門の博物館
JR遠野駅から徒歩9分のところにある博物館。背後には、南部神社と鍋倉城跡が
『遠野物語』が生まれた背景とは?
いわずと知れた『遠野物語』は、民俗学者・柳田國男が、佐々木喜善から聞いた遠野地方の民話や伝承をまとめた説話集で、日本の民俗学の発展に、強く影響を与えた作品とされる。たとえば、河童や座敷童、雪女といった妖怪、神隠しの話も『遠野物語』で語られたことで、多くの人に知られるようになった。遠野市立博物館では、この『遠野物語』を軸に、遠野の自然や暮らし、歴史などを紹介。所蔵品やジオラマ、映像など、アナログとデジタルを融合させ、『遠野物語』の世界に浸れる展示内容になっている。実は『遠野物語』の初版は、柳田國男による自費出版というのはご存じだろうか?350部しか印刷されなかった初版本や直筆原稿、再稿本、印刷会社の校正刷りといった約100年前の貴重な品々も、この遠野博物館で見ることができる。
江戸時代、遠野を治めた南部家に関する展示。遠野の歴史を年代ごとに学べる
マルチスクリーンで水木しげるの遠野物語を
入り口を入って左側にある第1展示室1階は、遠野の創成期。遠野の歴史を縄文時代までさかのぼって紹介している。円形の展示室中心にあり幻想的な光を放つ地形ジオラマ・スクリーンからは、プロジェクションマッピングにより創世神話や遠野の伝承にまつわる不思議な言葉が浮き上がっては消えていく。2階に上がると、横長のマルチスクリーンシアターが。子どもも楽しめる水木しげるの遠野物語「河童淵」「オシラサマ」のアニメーションや、「神隠し」「ザシキワラシ」といった遠野物語をモチーフとした10の映像作品(1本10~15分)から見たい作品をタッチパネルで選択すれば、大迫力のマルチスクリーンで、臨場感のある映像を楽しめる。映像作品だけでなく、上映の待機時間に流れる遠野の雄大な自然映像は必見!この美しさに感動する人も多いそうだ。
第1展示室1階。中央にあるのが、文字が浮き上がる地形ジオラマ・スクリーン
リアルな映像やジオラマで遠野の風土を学ぶ
第2展示室は遠野の町・里・山のテーマ別の展示エリア。町エリアにある明治末期の市場の様子を地元言葉で地元の人が熱演する「町の賑わいシアター」は、画面をタッチすると映像が流れる仕組み。方言で交わされる言葉は、少しわかりにくいが、前後の会話や映像から、何を言っているかと想像するのも、おもしろい。里エリアでは、1955~1964年(昭和30年代)の農村の一年を繊細なジオラマで紹介。設置されているモニターで知りたい箇所のボタンを押せば、解説を聞ける。養蚕の神様として祀られてきた「オシラサマ」の実物や、台風よけを祈願する藁人形、虫が発生する原因となる悪霊を祓う虫送り人形など、怖い物見たさの展示が続く。山エリアでは、どこからともなく獣の声が。木こりや猟師、山伏の暮らし、早池峰(はやちね)信仰など、神や獣が住む異境境「山」をテーマにした展示はどこか神秘的だ。
第2展示室の「町の賑わいシアター」。タッチパネルを押すと、再現ドラマがスタート!
遠野を知り『遠野物語』を巡る旅へ出かけよう
遠野地方の歴史や文化に触れたあとは、遠野ゆかりの書籍や雑貨を販売している案内カウンターへ。ここでしか買えない『遠野物語』のA8サイズ「まめ本」500円は、遠野を訪れた記念にぜひ購入したい一品。遠野物語の初版本を模して柳田の序文が印字されている「遠野物語 戦慄ノート」400円はマニアに大人気だという。『遠野物語』を旅のテーマに考えているのであれば、まずこの博物館で遠野について学習してから各名所を回ると、よりわかりやすく、旅に深みが出るのではないか?そして、遠野博物館とセットで訪れたいのが、徒歩5分ほどのところにある「とおの物語の館」。併設の劇場「遠野座」で、遠野弁の語り部が話してくれる昔話を聞いてから、遠野の歴史に思いを馳せ、早池峰神社、カッパ淵・常堅寺、デンデラノなど、『遠野物語』をたどる旅をスタートさせるのはいかがだろう。
スポット詳細
- 住所
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岩手県遠野市東舘町3-9
地図
- エリア
- 花巻・遠野エリア
- 電話番号
- 0198622340
- 時間
- 9:00-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
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月末日(日祝の場合は開館)
[11-3月]月、月末日(日祝の場合は開館)
[特別休館]11/24-30、1/28-31、年末年始 - 料金
- [入館料]一般310円、高校生以下160円
- 駐車場
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あり(10台)
※満車の場合は近接の市民センター駐車場へ(有料) - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり(遠野 FREE Wi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 「遠野」とはどのような地域か
- 遠野地域の歴史、文化、地勢などについてのミュージアムです。図書館が併設されています。駐車場はありますが、さほど広くありません。鍋倉城の御城印も販売していました。
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- マルチスクリーンの昔話が良かったです
- 何を観るか自分で選んで映像を見られます。遠野物語や民話を題材にした映像や、水木しげるの遠野物語などが楽しめます。あまり民族資料館には興味がなかったですが、ここはなぜか楽しかったです。柳田邦男や遠野物語に尽力した町の人達の思いなどを感じられました。きっとどの地域でも口承されて来たであろう昔話を、きちんと残せているのはすごいと思います。
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- のぼり坂をのぼらなくてもよかった
- のぼり坂を上って階段を上がりました。図書館へ先に行きたかったのですが入館は16:30にきわどいタイミングだったので。入ると小さいロッカーがずらりと並んでいます。100円は返却されるしくみです。受付は1人で入館料金は無料。一部の人は有料。座敷わらしをとりあげています。私は遠野物語についての知識がありません。博物館にしては森林鉄道附馬牛軌道についてはまったく紹介されていません。水木しげるについての本が...
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