秋田県立美術館
日本随一の藤田嗣治(ふじたつぐはる)作品を所蔵する安藤忠雄設計の美術館
平野政吉(ひらのまさきち)が収集した藤田作品の数々
秋田市民の交流拠点であるエリアなかいちのなかに建つ、コンクリートの外装と直線的なフォルムが印象的な美術館。もとは千秋公園内にあった旧秋田県立美術館が移転オープンしており、収蔵品の多くはかつて県内有数の資本家であった平野家の3代目・平野政吉が収集したもの。なかでも平野と交流が深かった、フランスを拠点に活躍した世界的画家・藤田嗣治の作品は素猫作品も含めて108点。藤田作品の所蔵と作品価値では、国内外を見渡しても最も有名な美術館のひとつと称されている。見どころは館内2階と3階の吹き抜けギャラリーに展示している、藤田嗣治の大作である大壁画『秋田の行事』だ。
三角形をモチーフにした安藤設計の美学
JR秋田駅からは徒歩10分ほど。繁華街のアーケードを抜けたエリアなかいち広場に、シンプルかつスタイリッシュなコンクリートの美術館が見えてくる。見どころのひとつは、エントランスに配された螺旋階段と三角形の天窓から注ぐ光のコントラストだ。エントランスホールから2階へ登る螺旋階段は、壁との接点や支柱などがいっさいない独立構造になっており、三角形に仕切られた直線的な空間と曲線美の階段のコントラスト、そしてそのデザインを実現した構造技術の高さに圧倒される。むしろ美術館全体が世界的巨匠・安藤忠雄(あんどうただお)氏の作品としても楽しめる。
藤田嗣治の大壁画『秋田の行事』の鑑賞法
1階奥には秋田県民が現代の芸術を表現する場として活用できる県民ギャラリーがあり、地元密着の企画展示が鑑賞できる。螺旋階段から2階に登ってミュージアムラウンジを抜けた先に、藤田嗣治大壁画ギャラリーが広がっている。高さ8.1mのギャラリーは3階デッキまで吹き抜けになっており、主役である『秋田の行事』を最も美しく展示するために設計されたという。1937年(昭和12)に描かれた壁画は、縦が3.65mで横幅は実に20.5mにも及ぶ。壁いっぱいに描かれているのは、竿燈や太平山三吉神社の梵天祭り、かまくらや秋田犬など、秋田の四季折々の祭りや民俗風景。2階ギャラリーを見上げる視点と、3階デッキから見下ろす視点では印象がガラリと変わる。ぜひ両方で見くらべて、藤田生涯の大作を細部まで存分に堪能してほしい。
アート鑑賞後は絶景カフェでリラックス
3階は2つのギャラリーがあり、国内外の美術作品を集めた特別展・企画展が催される。アート展示を存分に楽しんだあとは、水庭越しに千秋公園を眺望できる2階のミュージアムラウンジへ。ショップコーナーでは企画展示とコラボしたアイテムをはじめ、曲げわっぱ・川連漆器・樺細工などの秋田の伝統工芸品、秋田の作家による雑貨などを購入できる。カフェも併設しており、秋田ならではのスイーツやドリンクを秋田の伝統工芸の器でいただける。水面とファサードが額装の役割を果たし、車道などの現代的な景観を切り取ることで、古き良き千秋公園の四季を一枚の作品として鑑賞することができる。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県秋田市中通1-4-2 地図
- エリア
- 秋田中央・男鹿半島エリア
- 電話番号
- 0188538686
- 時間
- 10:00-18:00(最終入館17:30)
- 休業日
- 不定休
- 料金
- 展覧会ごとに異なる
- 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
- 【昼】1,001-3,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン