箱館奉行所
140年の時を超えて、再現された美しい日本建築
当時の技術と最高の建築材で復元された
明治になるまで、函館は「箱館」と表記されていた。五稜郭公園の中央にある箱館奉行所は、幕末の箱館開港に合わせて設けられた江戸幕府の役所だ。日本史上、最大の内戦となった戊辰戦争が五稜郭で終結し、1871年(明治4)には解体されてしまったが、約140年という時を経て2010年(平成22)に復元された。五稜郭公園の正面から入り、2本の橋を渡れば5分とかからない場所にある。当時と同じぜいたくな材料を吟味し、日本伝統の建築技術を駆使して4年の歳月をかけて可能な限り忠実に復元された。匠の技によりよみがえった非常に繊細な建築物である。履物を脱いでの見学となり、大きな荷物の持ち込みはできない。土壁などをうっかり傷めないよう、リュックサックは抱えて持つなど配慮して進もう。
幕府の重要拠点として五稜郭とともに建築された
受付を済ませると、最初に入るのが「使者之間」だ。文字どおりかつては使者が控える場所だった部屋で、現在はこちらで箱館奉行所の概要説明の短編映像が流れている。ロシアの南下政策に対抗するため、当初、箱館の港を見渡せる現在の元町公園に箱館奉行所を置いた。その後、黒船来航で箱館は開港の運びとなったが、港からの見通しが良すぎる奉行所を安全のために移転することに。そうして造られたのが、防衛に配慮された五稜郭とここ箱館奉行所である。「使者之間」を過ぎると、72畳の大広間が現れる。手前から「四之間」が15畳、「参之間」が21畳、「弐之間」と「壹之間」は18畳。身分が高くなるほど、上座に近づける。
奉行しか座れなかった場所に着座できる
奉行が座っていたのは、床柱から数えて2枚目の畳。今では誰でも座ることができる。ここに座って庭に目をやると、廊下の向こうに松林が見える。この松の幹には番号札が付けられているものがあり、これらは五稜郭築造当時に植えられた佐渡から持ってきた松とのこと。現在郭内に85本あり国有財産として登録されている。大広間を抜けると、奉行の執務室であった表座敷があり、渡り廊下を通って北棟に移動すると御役所調役(おやくしょしらべやく)の執務室がある。ここには箱館奉行所の歴史や、戊辰戦争の最終局面となった箱館戦争に関するパネルが展示されている。
復元過程のドキュメンタリー映像は必見
歴史的建造物が多い函館だが、昔のものを忠実に再現したものは希少である。日本全国から一級の材料を取り寄せ、宮大工をはじめとした職人たちが全国から呼び集められた。屋根瓦の葺き方、鬼瓦の制作、土壁の塗りなど古建築の技法によって「同じ場所に、同じ材料で、同じ工法で」にこだわって復元は進んだ。順路の中盤では、復元の過程をとらえた17分間の高画質映像を視聴できる。映像を見終わった来館者は「もう1度、玄関から見学し直したい」と口々に感嘆の声を漏らす。五稜郭公園は広く、見学スポットがわかりにくいので、最初にここ箱館奉行所を訪れるか、五稜郭タワーで全容を確認してから、五稜郭公園を散策するルートがオススメだ。
スポット詳細
- 住所
- 北海道函館市五稜郭町44-3 地図
- エリア
- 函館エリア
- 電話番号
- 0138512864
- 時間
-
[4-10月]9:00-18:00(最終受付17:45)
[11-3月]9:00-17:00(最終受付16:45)
[正月特別開館(令和5/1/2-1/3)]9:00-15:00(最終受付14:45) - 休業日
- 12/31-1/1、その他臨時休館あり
- 料金
-
[入館料]一般500円、学生・生徒・児童250円、未就学児無料
※大学生・専門学校生は学生証の提示が必要 - 駐車場
-
なし
※近隣有料駐車場をご利用下さい - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり(00_HAKODATE_FREE_Wi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(英語リーフレット、英語展示パネル、英語オーディオガイド)
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 0-60分
- 車椅子での入店
- 可(館内専用車いすへの乗り換えが必要)
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 復元されたもの
- 五稜郭公園の中にある建物です。ここに行く人は奉行所を目指して行き、奉行所で引き返す人が多いと思います。立派なお屋敷で中を歩ける体験コースもあります。そちらは有料です。日本最北の奉行所で明治時代に一度解体されましたが、復元され観光名所となっています。
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- 五稜郭内にある
- 五稜郭内にある函館奉行所。建物はけっこう広い。展示もあるので楽しめます。五稜郭、戊辰戦争、函館についてなどいろいろ学ぶことができます。
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- 復元された建物は必見
- 残っていた史料は多くなかったそうですが、がんばって復元した建物のようです。実際のものよりも狭く、また、内装は不明なので壁も襖も無地。逆に焼失した事実がリアルに感じられました。
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