利尻富士温泉保養施設

空気が澄んだ日には男湯の露天風呂から利尻山が見えることもある

地元客に愛される日帰り温泉施設

利尻富士温泉保養施設は、利尻島の鴛泊(おしどまり)地区にある日帰り利用専門の温泉施設。場所は利尻島観光のおもな玄関口となる鴛泊フェリーターミナルから車で5分ほど、また空の玄関口である利尻空港からも車で10分程度とアクセスしやすい。また歩いたとしてもフェリーターミナルから20分程度なので、車のない人でも散歩気分で訪れることができる。観光シーズンのピークとなる夏は、観光客がたくさん訪れるため温泉は大賑わい。というのも、この場所は鴛泊地区の中心地から利尻山の登山口となる利尻北麓野営場(ほくろくやえいじょう)に向かう道路の途中にあるうえ、利尻島ファミリーキャンプ場「ゆ～に」の向かいに立地。そのため、登山客やキャンプ場利用者が汗を流しに訪れるのだ。観光客だけでなく地元客にこよなく愛されているのも特徴。子どもから高齢者まで、一年中客足が絶えない。

手前の建物が利尻富士温泉保養施設。奥は「利尻富士温泉プール 湯泳館(ゆうえいかん)」になっている

内湯の様子。黄緑色の温泉で満たされた湯船の奥には、利尻の名水を使った水風呂もある

弱アルカリ性でトロッとした肌触りの温泉

この温泉の歴史は比較的浅く、1996年(平成8)にこの地で掘削された。地下約1500mから汲み上げられる源泉の温度は約41℃。入浴に適した温度にするため、源泉の湯は少し加温されているが、湯船には常時源泉が注がれている。泉質は「ナトリウム-塩化物、炭酸水素塩泉」で弱アルカリ性。湯の色は昆布水のごとく、わずかに黄緑色をしているのが特徴だ。少しトロッとした肌触りの湯で、入浴後は肌がスベスベになると評判。男女浴場ともに内湯と露天風呂があり、どの湯船も湯の温度は42℃にキープされている。また、サウナと水風呂も完備。水風呂は利尻島の名水でキンキンに冷えており、サウナ利用後に浸かると一気に「整う」と好評だ。

常時湯船に源泉がこんこんと注がれている

併設の温泉プールも楽しみたい

利尻富士温泉保養施設の隣には「利尻富士温泉プール 湯泳館」があり、利尻富士温泉保養施設と館内の連絡通路でつながっている。湯泳館は、この地で湧き出る豊富な源泉を利用した温泉プール施設。20mの多目的プールと子ども用プールのほか、ジャクージや寝湯もあり、すべて温泉水を利用している。日帰り入浴だけを楽しむのであれば利尻富士温泉保養施設を利用し、温泉で泳いだり寝湯でのんびり寝そべったりしたければ湯泳館を利用するのがおすすめ。利用料金はそれぞれ別で、利尻富士温泉保養施設は大人500円、小学生250円、3歳以上小学生未満が150円。湯泳館は大人300円、小学生200円、3歳以上小学生未満が100円。どちらもお手頃価格で温泉を堪能できるのがうれしい。

利尻富士温泉プール 湯泳館にある20mの温泉プール。3レーン用意されている

温泉とプールの入館チケットは受付脇の自販機で購入しよう

ゆっくりする時間がない場合は足湯がおすすめ

利尻富士温泉保養施設は朝営業をしておらず、昼から夜にオープンする。利尻山の登山口やキャンプ場が近いため、登山を終えたあとに汗を流して疲れを癒やす場として、またキャンプ場で寝泊まりする人々の入浴場としてとても重宝されている。登山やキャンプをせずとも、利尻島でのドライブやサイクリングの途上、夕方のフェリー乗船前のひとときにもぜひ利用したい。施設の隣には足湯もあり、こちらはタオルさえ持参すれば無料で誰でも利用できる。目的と気分、時間次第で、温泉入浴、温泉プール遊泳、足湯のいずれかをチョイスしよう。もちろんすべて楽しむのもOK。地元の人が多数訪れることもあり、観光地とはひと味違った地元の風情も感じ取ることができるはずだ。

屋外にある足湯。片側にそれぞれ4人ずつが入れる大きさだ