旧函館区公会堂

歴史的建造物

元町公園のランドマーク。市民も愛するハイカラ洋風建築

時代に合わせて役割を変えながら、函館を象徴する建物として市民に愛されてきた旧函館区公会堂。2021年(令和3)に大規模修理を終え、昔の姿を鮮やかに取り戻すとともに、新たな魅力を備えて一般公開された。

青灰色と黄色というモダンな色使いが目をひく。北海道を代表的する洋風建築だ 青灰色と黄色というモダンな色使いが目をひく。北海道を代表的する洋風建築だ

函館の近代史とともにあった旧函館区公会堂

函館は大火の町。特に明治・大正・昭和にかけては、28件もの大火に見舞われている。旧函館区公会堂は、大火災で失われた集会場兼商業会議所として1910年(明治43)に建てられた。商業会議所が移転すると、演奏会や展覧会、祝賀会などで広く市民に利用されていたが、戦後、軍の司令部や病院として使われたことも。再び市民の手に戻ってきたのは昭和30年代。時代背景を反映するように外壁の色が変化しており、ピンク色や白色だった時代もある。2018年(平成30)から大規模保存修理を行い、2021年(令和3)に今の姿に。青灰色と黄色のカラーリングは建設当初の組み合わせだ。

ビリヤード台が設置されていた球戯室には、公会堂の歴史などを紹介する展示がある ビリヤード台が設置されていた球戯室には、公会堂の歴史などを紹介する展示がある

皇族方の北海道行啓時には宿泊所としても利用された。当時の調度品が展示されている 皇族方の北海道行啓時には宿泊所としても利用された。当時の調度品が展示されている

耐震補強に合わせて往時の姿がよみがえった

最大の見どころである429.75平方メートルの大広間は、吊り天井式で柱がいっさいない。函館市市制祝賀会の会場にもなった場所で、1927年(昭和2)にはこの場で芥川龍之介と里見とし(さとみとん)の講演会が行われている。天井高は約6m。中央に立って両手を叩くと、音がきれいに反響する。この響きも考慮して設計されているとのこと。今も不定期でコンサートが催されるので、音楽好きならばその日を狙って見学に来るといいだろう。天井のヘリ、シャンデリア、壁際の細かなレリーフなど、凝った意匠が多用されており、時間をかけてじっくり見るのがオススメだ。最新の補修では、床を建築当時と同じリノリウム素材で復元。当時の色柄を古写真から推定し、デジタル印刷で再現している。

真っ白な漆喰の天井も、保存修理の際にメッシュ材とワイヤーで補強された 真っ白な漆喰の天井も、保存修理の際にメッシュ材とワイヤーで補強された

天井に向かって手を叩いてみよう。シャンデリアも建築当時のデザインを復元している 天井に向かって手を叩いてみよう。シャンデリアも建築当時のデザインを復元している

AR活用やハイカラ衣装でもっと楽しい見学を

大広間のバルコニーからは函館港を一望できる。バルコニーでは、古代ギリシア建築のコリント式円柱を間近で観賞できる。コリント式の特徴でもあるアカンサスの柱頭飾は必見だ。また、新しくARシステムが導入された。館内各所にある看板にスマートフォンやタブレットをかざすと、ARによる詳しい説明が現れる。場所によっては特別な映像も楽しめるので、いろいろ試してみよう。また公会堂の衣装館も人気のスポット。ここでは明治・大正のハイカラな衣装を有料でレンタルできる。衣装は子ども用もあるので、家族そろってタイムトリップ撮影を楽しんでみては。

大広間に向かってARをかざすと……。明治・大正の華やかな一夜が現れる 大広間に向かってARをかざすと……。明治・大正の華やかな一夜が現れる

衣装館で変身したら、このバルコニーでの撮影ははずせない! 衣装館で変身したら、このバルコニーでの撮影ははずせない!

スポット詳細

住所
北海道函館市元町11-13 map map 地図
エリア
函館エリア
電話番号
0138221001
時間
【4-10月】
[火-金]9:00-18:00
[土-月]9:00-19:00

【11-3月】
9:00-17:00
休業日
12/31-1/3、臨時休館の場合あり
料金
[入館料]一般300円、学生・生徒・児童150円
※団体(20名以上)料金あり
※2館、3館、4館共通入館券あり
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(フリーWi-Fi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 入場料は一般300円。派手な目立つ洋館です。
    4.0 投稿日 : 2023.04.25
    1910(明治43)年に建てられた住民の集会所。基坂の真上にあり、バルコニーからの眺めは絶景。国指定重要文化財。函館山のふもとにある坂のひとつ・基坂を見上げると、正面に桟瓦葺の屋根に、外壁がブルーグレーとイエローの建物がのぞいています。観光客から高い人気を誇る旧函館区公会堂です。大火によって焼失した住民の集会所であった町会所(まちかいしょ)を再建しようと、豪商相馬哲平氏や住民からの寄付などを元手...
  • 総工費5万8千円の内、5万円を寄付した相馬氏に思いを馳せて
    5.0 投稿日 : 2023.01.30
    入り口で入館料払い、靴を脱いでスリッパに履き替えてから見学です。一階奥の部屋で建物の歴史や改修工事の様子など流れていました。この公会堂の建設費用の大半を自費で寄付した相馬氏の話が紹介された時に、今現在の金持ちで彼程の人物は皆無だと溜息しか出なかった。2階バルコニーからの眺めが素晴らしい。しかし、館内に有る無駄なスペースをカフェとかにすれば良いのにと思ったのは私だけか?ちなみに相馬氏の自宅が近所に在...
  • 外から見ても見ごたえありですが
    4.0 投稿日 : 2022.09.20
    周辺の施設も合わせて見学できる少しお得な観覧券も販売されています。周囲の建物とはまったく違って、ド派手な洋館です。リニューアルされて内部もきれいでした。皆さんも投稿しているようにバルコニーから眺める海や町の景色がとてもきれいです。

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アクセス

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最寄り

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