荒神谷遺跡
古代史ブームを巻き起こした「世紀の大発見」の現場を訪ねる
「神話のふるさと」が青銅器発掘の舞台
古代の青銅器が1か所から同時に大量出土し、考古学・歴史学上の大発見として注目を集めた荒神谷(こうじんだに)遺跡。周辺は27万5000平方メートルという広大な範囲が「荒神谷史跡公園」として整備され、園内には中核施設として「荒神谷博物館」が立つ。その荒神谷遺跡は「神話のふるさと」、ヤマタノオロチを退治したスサノオの神話で知られる斐伊川(ひいかわ)が流れる出雲平野南端の山際にある。また、古代人が信仰の対象として崇め、『出雲国風土記』に記載される「神名火山(かんなびやま)」に比定される仏経山から約3km、つまり「古代出雲人の聖地」のすぐ近くに位置している。出土品の青銅器の現物をここで見ることはできないが、発掘現場はよく保存され、往時のありさまがしのばれる。
日本の古代史を塗り替えた「世紀の大発見」
1984年(昭和59)に発掘されて世の中を驚かせた大量の銅剣は、広域農道建設のための調査をきっかけに発見されたものだ。銅剣358本が一度に出土し、それまで全国各地で出土した銅剣の総数が約300本だったため、1か所でそれを上回ることになった。また翌1985年(昭和60)には、銅剣発見の場所から7m離れた場所で、銅矛16本、銅鐸6個が一緒に埋められているのが見つかった。これまで銅矛と銅鐸が同じ場所に埋められていた例はなく、銅剣を含めた3種の青銅器が1つの遺跡から出土するのも全国初だったため、古代史の見直しが迫られ、「出雲」の存在が大きくクローズアップされることになった。荒神谷遺跡は1987年(昭和62)に国の史跡に指定、出土した計380点の青銅器は1985年(昭和50)の出土時点で重要文化財に指定されたが、1998年(平成10)にはそれら380点がまとめて国宝となった。近くに「三宝荒神」が祀られていることから発掘現場は荒神谷遺跡と名付けられ、遺跡が保存されたためルートが変更された農道には「出雲ロマン街道」の愛称が付けられている。
古代ハスが咲き、古代住居も復元
出土した青銅器(銅剣358本、銅矛16本、銅鐸6個)は、荒神谷博物館でレプリカを見ることができ、発掘時の現場の様子もそこで知ることができる。国宝の銅剣、銅矛、銅鐸は、出雲大社の近くにある「島根県立古代出雲歴史博物館」で現物が見られるので、あわせて訪ねたい。また荒神谷史跡公園では、古代ハスをはじめ、古代の花が咲き、復元された古代住居も見られる。また「古代農耕地」として黒米や赤米を栽培し、春に田植え体験、秋には稲刈りを体験できる。緑豊かな公園はピクニックスポットとしても人気で、散策するのに好適。古代史ファンなら一度は訪ねてみたい。
スポット詳細
- 住所
- 島根県出雲市斐川町神庭873-8 荒神谷史跡公園内 地図
- エリア
- 出雲大社周辺エリア
- 電話番号
- 0853729044
- 時間
- 終日
- 休業日
- 無休
- 料金
- [入園料]無料
- 駐車場
- あり(200台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン