島根

出雲大社周辺

AROUND IZUMO OYASHIRO

「国譲り神話のふるさと」は縁結びと開運招福で人気

『古事記』や『日本書紀』で語られる「国譲り神話」で知られる出雲地方。「稲佐の浜」は、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が天照大御神(あまてらすおおみかみ)に国を譲った舞台といわれる。大国主大神を祀る「出雲大社」の御本殿は高さ24mを誇り、神楽殿の大注連縄といい、壮大なスケールに驚かされる。出雲大社を参拝したら、土産物屋や味処が並ぶ門前町の「神門通り」を散策しよう。すぐ近くには「島根県立古代出雲歴史博物館」があり、そこでは「神話のふるさと」出雲の歴史を学べる。出雲名物「出雲そば」は、銘店で知られる出雲市街の「献上そば羽根屋本店」で食べてみたい。出雲市街の近くにある「出西窯」では、焼物づくりを見学できる。マイカーならば、日本海の荒波寄せる岬に白亜の灯台が立ち、出雲日御碕神社の鎮座する「日御碕」まで、ひと足延ばしてドライブを楽しむのもおすすめ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    出雲大社
    神話のふるさと出雲を象徴する存在。全国から多くの参拝客が訪れる
    神話のふるさとで大和政権も無視できない力を誇った「神々の国・出雲」を象徴する存在が出雲大社だ。主祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。高天原の天照大御神(あまてらすおおみかみ)から国を譲られたのが出雲大社造営の始まりだといわれる。
    銅鳥居を入ると正面に拝殿があり、この奥に瑞垣と玉垣に囲まれて御本殿が建つ
  • spot 02
    御本殿
    『古事記』に登場する大国主大神を祀る
    主神の大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀る御本殿は1744年(延享元)に再建され、高さ24mの堂々たる姿をしている。切り妻、妻入りの構造で、平面は9本の柱が田の字に配置された正方形の間取り。これは大社造と呼ばれる日本最古の神社建築様式で、1952年(昭和27)に国宝に指定されている。平安時代の書物には当時の本殿を、東大寺大仏殿を上回る日本一の高層建築とあり、高さは48mとされていたが、実在は疑問視されていた。しかし、2000年(平成12)に境内から本殿を支えた束ね柱の「心御柱(しんのみはしら)」と「宇豆柱(うづばしら)」と見られる巨大柱が発掘された。1248年(宝治2)造営の大社本殿跡とみられ、本殿がかつては高層建築であったことの現実味が増した。鎌倉-室町時代の平面図では、本殿の階段は長さ109mだったとも記されている。現在の御本殿は瑞垣に囲まれ近寄れないので、八足門でお参りする。
    平成の遷宮で、大屋根は約64万枚の檜皮が葺き替えられた
  • spot 03
    神楽殿
    日本一の大きさを誇る大注連縄の迫力がすごい!
    祭典や祈願、結婚式などが行われる神楽殿は1981年(昭和56)に規模を拡張して建て替えられた。神楽殿の前庭には、高さ47mの国旗掲揚塔がそびえ、75畳(縦8.7m、横13.6m)と日本一の大きさといわれる国旗が掲揚されているのに目を奪われるだろう。次いで正面に飾られた大注連縄(おおしめなわ)にも驚かされる。長さ13.6m、重さ5.2tと大注連縄も日本一の大きさを誇っている。神楽殿は本来、千家国造家(出雲大社宮司家)の大広間として使われており、明治に入ってから神殿としても使われるようになった。大広間は270畳もあり、神社建築には珍しく正面破風の装飾にステンドグラスが使われている。旧正月を祝う「福神祭」などが行われる。
    この注連縄は島根県飯南町の人々が作って奉納したものだそう
  • spot 04
    神門通り
    大鳥居から出雲大社まで続く表参道にはさまざまな店が軒を連ねる
    宇迦橋(うがばし)の大鳥居から出雲大社の正門まで約700m続く神門通りは出雲大社の表参道。2013年(平成25)の出雲大社の大遷宮(だいせんぐう)を前に島根県が整備を行い、活気ある通りになっている。
    神門通りに立つ大鳥居は国登録有形文化財。ここが入り口になっている
  • spot 05
    稲佐の浜
    「神在月」に八百万の神々を迎える「国譲り神話」の舞台
    「国譲り神話」で知られる稲佐の浜は出雲大社の近くにあり、今も旧暦10月にはここで八百万(やおよろず)の神々を迎える。美しい西向きの海岸は夕日の名所としても知られ、「日本の渚百選」に選定されている。
    神話の舞台である浜の夕日は神々しくも美しい
  • spot 06
    島根県立古代出雲歴史博物館
    貴重な文化財の数々から古代出雲の歴史ロマンを感じる
    出雲大社東隣の島根県立古代出雲歴史博物館は、出雲大社境内から発掘された巨大な神殿の柱や、島根県内で大量出土した銅剣や銅鐸など出雲神話の舞台にふさわしい文化財を展示し、古代出雲の歴史ロマンへ誘う。
    出雲大社の平安時代の本殿が10分の1のサイズで復元され展示されている
  • spot 07
    献上そば羽根屋本店
    江戸時代創業の格式あるそば店。皇室に献上したことが名前の由来
    出雲そばは、そばの実を殻ごと挽いたそば粉を使うため色が濃く、香りも高く、風味がいいのが特徴だ。代表的なメニューは、割子(わりご)そば。丸い器(割子)にそばを盛り、薬味とつゆを直接からめて食べる冷たいそばだ。3段の器に盛って食べるのが最もポピュラーだとか。割子そばには、独特の食べ方がある。まず1段目のそばに薬味とつゆをかけ、食べ終わったら残ったつゆを2段目に入れる。2段目を食べ終わったら3段目へ。つゆが足りなくなったら少しずつ足していく。そうすることでつゆのかどが取れ、調和した味わいになる。江戸時代末期創業の献上そば羽根屋は、出雲そばの名店。1907年(明治40年)に、大正天皇がまだ東宮のころ、羽根屋のそばを召し上がったことから「献上そば」の名を使うことを許されたという。石臼で製粉、代々受け継いできた手打ちの技法でそばを提供している。
    割子そば3段(900円)。黒さはやや控えめでつゆがからみやすい細めのそばが羽根屋の特徴
  • spot 08
    日御碕神社
    日が沈む聖地としても知られる朱色に彩られた社殿
    日本遺産「日が沈む聖地出雲」、大山隠岐国立公園、島根半島・宍道湖中海ジオパークに含まれる日御崎。そこにたたずむ日御碕神社は『出雲国風土記』に記載のある神社で、パワースポットとしても注目されている。
    上下社とも拝殿と本殿とが続く権現造り
  • spot 09
    出雲日御碕灯台
    120年近く海の安全を守ってきた、日本一の高さを誇る白亜の石造灯台
    島根半島の最西端、日御碕海岸の断崖にそびえる出雲日御碕灯台は、地上から灯台の頭上までが43.65mと石造のなかでは日本一の高さを誇る灯台だ。1903年(明治36)に設置されて以来、今も現役で海の安全を守っている。
    青空に白亜の灯台が映える
  • spot 10
    出西窯
    野の花のように素朴で健康な器を生み出す民芸の窯
    宍道湖(しんじこ)に注ぐ斐伊川(ひいかわ)のほとり、田園風景のなかに日本家屋風の工房を構える。現在、15人の陶工がおり、一つひとつの工程を陶工たちが共同作業で行い「用の美」を生み出している。
    数多くの製品を展示・販売している「くらしの陶・無自性館」
  • spot 11
    拝殿
    しめ縄もどっしりと、巨大な拝殿が御本殿の前に立つ
    出雲大社の参道を進めば、銅鳥居の先に立派な社殿としめ縄が見える。「大しめ縄」と勘違いしても無理はない堂々たるしめ縄だが、「日本一の大しめ縄」は「神楽殿」のほうだ。こちらは「拝殿」で、その奥に神社建築として日本一を誇る大社造の「御本殿」がある。拝殿の建物は、大社造と切妻造を折衷した様式。1963年(昭和38)の築で、戦後最大の木造神社建築とされる。拝殿は参拝者が参拝するための社殿で、ここで祭事や祈祷も行われる。大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の御神体を一時的に泰安する仮本殿ともなるので、御仮殿(おかりでん)ともいう。拝殿の奥にある八足門(やつあしもん)の、さらにその奥に御本殿があるので、遠く離れた場所から大国主大神を拝む遥拝所(ようはいじょ)ともいえる。この拝殿で参拝を済ませたら、大しめ縄のある神楽殿へ急ぐ人もいるようだが、奥には御本殿があるばかりか、御本殿を取り巻くように「十九社(じゅうくしゃ)」「素鵞社(そがのやしろ)」といった重要な社があるので、御本殿の周囲をひと巡りして摂社も参拝したい。
    拝殿も迫力がある
  • spot 12
    素鵞社
    特別なパワーを宿す素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る摂社
    出雲大社で忘れず足を運びたい摂社が、「八岐大蛇(やまたのおろち)退治」の神話で有名な素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祭神とする素鵞社だ。大国主大神の祖神で、大国主大神に国造りの大任を与えた素戔嗚尊を祀る素鵞社は、出雲大社11摂末社のなかでも特別な社といえる。社殿は御本殿と同じく「大社造り」で、御本殿の真裏にあり、御本殿をいちばん近くで見ることができる場所でもある。境内のいちばん奥まった場所で、八雲山を背にして出雲大社の全体を見守るように鎮座する素鵞社は、特別な神気を宿すパワースポットだ。社の裏手では、禁足地とされる八雲山の山肌の岩盤に、じかに触れることができる。ここは八雲山に触れられる唯一の場所で、パワーが授かるといわれている。また、稲佐の浜の砂を素鵞社に置き、そこで神力をチャージした砂を「お清めの砂」として地鎮祭などに使う習わしが古くから民間信仰として伝わる。素鵞社に置かれた砂をいただき、代わりに稲佐の浜でとった砂を素鵞社に置いて行く。素鵞社に置かれた砂は、厄除け・招福の神砂としてお守りにもされる。
    聖なる八雲山の森に抱かれ、スピリチュアルな空気に包まれて社殿が立つ
  • spot 13
    十九社
    年に一度の神在祭に、全国から集まった八百万の神々が宿る
    毎年旧暦10月(現在の11月)は一般的に「神無月(かんなづき)」だが、出雲では「神在月(かみありづき)」と呼ばれる。全国から八百万(やおよろず)の神々が会議を行うため出雲に集まり、ほかの土地では神様が留守になるので神無月、逆に神々が一堂に会する出雲は神在月というわけだ。稲佐の浜で八百万の神々を迎え、出雲大社に集まった神々は、さまざまな神議(かみはかり)を行う。そして、全国から集まった神々の宿泊所となる場所が、この「十九社(じゅうくしゃ)」だ。出雲大社の御本殿前の八足門(やつあしもん)を中心として、長屋のような横長の、「全国から神々が集う出雲大社ならでは」の社殿が東西2棟、向かい合うように建っている。一説には、そして「東十九社」には出雲大社より東の神々、「西十九社」には出雲大社より西の神々が宿るという。東西の社殿は、それぞれ19の部屋に分かれている。それでは八百万の神に足りないように見えるが、1(始まり)と9(終わり)からなる「十九」は「無限大」を意味し、無数の神を受け入れられるということだ。ここに神々が宿る神在祭の期間は、全国各地から集結した神々にまとめて参拝できる絶好の機会ということで、十九社に行列ができる。
    神在祭の期間中、この長屋のような社が八百万の神々の宿泊所となる
  • spot 14
    神魂伊能知奴志神社(命主社)
    パワースポットとして注目される出雲大社の境外摂社
    「命主社(いのちぬしのやしろ)」として知られる出雲大社の境外摂社「神魂伊能知奴志神社(かみむすびいのちぬしのかみのやしろ)」は、拝殿前の銅の鳥居から石畳の社家通りを東へ入って、「出雲大社北島国造館」の先、森に包まれた山際にひっそり鎮座する。大社の境内や門前の賑わいをよそに、閑静なたたずまいを見せる社家通りを散策がてら、ぜひとも命主社まで足を運んでみたい。祭神の「神皇産霊神(かみむすびのかみ)」は天地開闢(てんちかいびゃく)をつかさどった造化三神の一柱で、八十神(やそがみ)から迫害を受けた大国主大神を二度にわたって蘇生させ、出雲の神々にとっては祖神的な存在だ。神皇産霊神の「むす」は植物が生成し繁茂するさまを表し、植物の生命力を神格化したものという。それを物語るように、御神木の椋が社殿前に立つ姿はいかにも神々しく、見る者にパワーを与えてくれる。もともと社殿は巨岩の前に建てられ、古代の磐座(いわくら)信仰が神社に発展したものとされる。この「命主社」は、地元で「いのっつぁん」と呼ばれ、子どもの成長を見守る神社として親しまれている。
    神秘的な姿を見せる御神木が社殿の前に立つ
  • spot 15
    そば処 八雲
    八雲山の清水を使って打つ家伝の出雲そば。ぜんざいにも注目
    出雲大社にお参りがてら、食べたいご当地の味といえば「出雲そば」。出雲大社の門前町「神門通り」界隈にもそば屋は数あるが、「八雲」は出雲大社の大駐車場からいちばん近く、大しめ縄のある「神楽殿」まで徒歩3分という好立地。店名の「八雲」は、ヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトがクシナダヒメと新居を構えた折に詠んだ「八雲立つ」の歌にちなんだもので、そばは「八雲山」の清水を使って家伝の製法で打つ。甘皮まで挽いた香りの高いそばだ。甘辛く濃いめのつゆもポイントで、そば湯も少しつゆを入れるといっそうおいしくなる。メニューはもちろん出雲そば、すなわち「割子(わりご)そば」がメインだが、温かい窯揚そばやうどん、丼物からお子さま定食までレパートリーが豊富で、幅広い客層に対応している。人気は「天ぷら割子」や「三色割子」などだが、「出雲に来たならぜんざいも食べたい」という人におすすめなのが、割子そばとぜんざいがセットになった「いずもセット」。ぜんざいの餡や餅もおいしいと評判だ。
    出雲大社駐車場の前に、名店らしい構えを見せる「八雲」が立つ
  • spot 16
    因佐神社
    大国主大神と国譲りの交渉をした建御雷神を祀る
    高天原から「建御雷神(たけみかづちのかみ)」が降臨し、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)と国譲りの交渉をした神話の地として有名な「稲佐の浜」。その浜の北端付近の山際に、建御雷神を祀る因佐神社(いなさのかみのやしろ)がひっそりたたずむ。出雲大社の境外摂社で、小さな祠だが、立派な鳥居と奥行きのある境内をもち、「神社らしい趣」がある。この因佐神社は平安時代の「延喜式」にその名で記載され、また奈良時代の『出雲国風土記』では「伊奈佐乃社」として登場する由緒ある古社だ。またの名を「速玉社(はやたまのやしろ)」ともいい、地元で「速玉さん」と呼び親しまれている。建御雷神は武勇の神であり、戦前には武運長久、今は勝負事、進学・受験の神として崇敬される。また、この因佐神社で「鳥居をくぐって境内に入って参拝し、誰ともひと言も話さず再び鳥居まで戻って出る」ことができれば、万事の願いが叶うといわれている。この因佐神社の近くに、国譲り交渉の現場とされる「屏風岩」がある。
    出雲大社の境外摂社ではあるが、鳥居も立派で境内も奥行きがある
  • spot 17
    鰐淵寺
    紅葉名所で知られ、スピリチュアルな山寺風情が漂う名刹
    紅葉名所として知られる鰐淵寺(がくえんじ)は、古くから知られた修験の地。山寺らしい風情を漂わせ、森閑とした境内では、隆盛を誇った往時の面影がしのばれる。かつて修験僧たちが滝行をした浮浪(ふろう)の滝は必見だ。
    長い石段の上に根本堂が立つ。11月のシーズンには石段が紅葉のトンネルとなる
  • spot 18
    荒神谷遺跡
    古代史ブームを巻き起こした「世紀の大発見」の現場を訪ねる
    銅剣358本、銅矛16本、銅鐸6個という大量の青銅器が1か所からまとめて出土し、出雲が古代史でクローズアップされる立役者となった遺跡。周辺は公園として整備され、遺跡と出土品について学べる博物館もある。
    青銅器の出土した現場が遺跡として保存され、周囲が園地として整備されている
  • spot 19
    荒神谷博物館
    「荒神谷(こうじんだに)遺跡」のインフォメーションセンター的存在
    荒神谷史跡公園の中核施設で、「荒神谷遺跡」のインフォメーションセンターの役割をもつ。ここでは、荒神谷遺跡や関連した古代世界について、興味深く学ぶことができる。出土した銅剣、銅矛、銅鐸は「島根県立古代出雲歴史博物館」で常設展示され、荒神谷博物館では通常レプリカを展示しているが、年に一度の里帰り展示では、ここで国宝「荒神谷遺跡出土品」の実物が展示される。「荒神谷展示室」では、発掘ドキュメントや荒神谷の謎、青銅器の世界、出雲の弥生時代といったテーマを、わかりやすい展示で紹介。発掘当時の現場の様子もビデオで見ることができ、銅剣の重さの体験コーナーもある。企画展示室では、さまざまなテーマで出雲の歴史を学べる。また、自由に鳴らすことのできる銅鐸がエントランスにある。ミュージアムショップでは、考古学や古代史に関係する本を各種取りそろえるほか、史跡公園内で採れた古代米やハスの種、そして青銅器をモチーフにしたオリジナルグッズなどを販売。荒神谷遺跡に来たなら、まずここに立ち寄りたい。
    荒神谷史跡公園の北駐車場前に立つ。荒神谷遺跡まで徒歩3分
  • spot 20
    出雲文化伝承館
    不昧公が愛した茶室と豪農屋敷で、出雲の文化に触れる
    出雲市の市制50周年を記念して造られた「出雲文化伝承館」。市民の交流の場として機能するだけでなく、出雲を旅する人がその文化に触れ、ほっとひと息つける場としても魅力的なスポットになっている。
    出雲平野に広がる田園地帯を背に、出雲地方ならではの築地松に囲まれて立つ
  • spot 21
    出雲民藝館
    ノスタルジックな豪農屋敷の蔵にゆかしい品々の並ぶ「民藝の殿堂」
    豪農屋敷の一部を改修し、展示館として使用する郷愁あふれる民藝館。蔵をそのまま使った展示室には古きよき時代の民藝品が並び、明治建築の建物も見ごたえがある。名だたる島根の窯元の焼物がそろう売店にも注目。
    エントランスまで延々と赤い石州瓦の板塀が続く。この景色を見るだけでも価値がある
  • spot 22
    手錢美術館
    レトロな蔵に出雲地方ならではの珠玉の品々が展示される
    出雲大社から稲佐の浜に続く「神迎(かみむかえ)の道」沿いに、美しい白壁に黒板の塀が続く。それが手錢(てぜん)美術館で、1993年(平成5)に「手錢記念館」として開館し、2022年(令和4)4月に「手錢美術館」と改称した。展示品は、江戸時代初期から続く旧家である手錢家の代々当主が収集した美術工芸品の数々。2つある展示室は、江戸時代末期に建てられた米蔵と酒蔵を改装したものだ。米蔵を使った第一展示室では、手錢家に伝わる美術品や歴史資料などを年に数回、企画展として展示する。酒蔵を使った第二展示室では、松平不昧(ふまい)公ゆかりの楽山焼ほか、江戸時代から昭和初期までの出雲地方ならではの茶道具や工芸品数百点を常設展示している。この酒蔵は1860年(万延元)に建てられた当時そのままの姿であるという。落ち着いた空間には長椅子が要所に置かれ、ちょっと座ってくつろげるのもうれしい。神迎の道を散策がてら訪れてみたいスポットだ。
    手錢美術館の入り口。中には風情豊かな和空間が広がっている
  • spot 23
    島根ワイナリー
    自社農園のブドウを使った自家製オリジナルワインに注目
    出雲大社の近くにある、もう1つの「人気スポット」が島根ワイナリー。自社農園をもち、「島根わいん」などの自家製ワインを製造販売している。「しまね和牛」を食べながらワインを味わえるレストランも併設する。
    出雲大社から車で5分の場所にあり、観光客で賑わう
  • spot 24
    島根県立宍道湖自然館ゴビウス
    工夫された展示がいっぱい。子どもも大人も楽しめる水族館
    宍道湖西岸にあるゴビウスは、「宍道湖(しんじこ)・中海(なかうみ)と島根の河川」の汽水・淡水域に生息する生き物を飼育、展示する水族館。小規模だが、工夫を凝らした展示が発見の喜びを与えてくれる。
    いちばん人気の「ヘルメット水槽」は、まるで水中にいるような気分になれる
  • spot 25
    宍道湖グリーンパーク
    気軽に利用できるバードウォッチングの聖地
    「宍道湖自然館ゴビウス」に隣接し、宍道湖のほとりに広がる「宍道湖グリーンパーク」。湖に面して「野鳥観察舎」が立ち、入場無料で気軽にバードウォッチングを楽しめる。そこでは望遠鏡を常置し、バードウォッチングが初めての人でも、常駐スタッフが親切に指導してくれる。望遠鏡は設置数も多く、いつでも無料で使えるのがうれしい。ここからの眺めもよく、ローカルな風情も豊かに、一畑電車がのどかな風景を走る姿も見られる。また野鳥観察舎は、宍道湖の生態系について学べるコーナーのほか、「ペンギンミュージアム」を併設し、大人も子どもも楽しめる。野鳥観察舎の隣には、野生動植物の調査研究を行う「ホシザキ野生生物研究所」がある。また園内には、カワセミの生息するバードサンクチュアリがあり、立ち入りは禁止だが、観察窓から双眼鏡を使って観察できる。その向こうに広がるビオトープ池は、野鳥観察舎の2階や隣の「ゴビウス」にある展望デッキから眺望できる。
    宍道湖を見晴らす絶好の立地で、常設の望遠鏡を無料で使える
  • spot 26
    木綿街道
    木綿で栄えた古い町並みにノスタルジーが漂う
    出雲平野の北側にある平田は、木綿の集積地として栄えた町。今も古い町並みや屋敷が道沿いに残り、「木綿街道」として注目を集めている。物資が船で運ばれた水路も往時の面影を残し、古きよき時代を彷彿させる。
    地域の伝統的な建築様式の町家が並び立つ
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旅のヒント

  1. その1

    人気の「献上そば羽根屋本店」は駐車場台数が少なく、混雑する曜日や時間帯は、近隣の有料駐車場を利用するのが無難。出雲そばを食べられる店は神門通り界隈にもあるので、散策がてら気になった店で食べるのも一案。

  2. その2

    神門通りの先にある「旧JR大社駅」は重要文化財指定のレトロな建物で、一見の価値がある。神門通りを散策がてら立ち寄ってみたい。

  3. その3

    公共交通機関で行くなら、出雲路を巡る電車・バスが3日間乗り放題の「縁結びパーフェクトチケット」がおすすめ。30か所以上の施設で割引や特典を受けることもできる。

  4. その4

    出雲と松江を結ぶ「一畑電車」は、のどかな風景が広がる宍道湖畔を走る。鉄道ファンなら、ぜひローカル列車の旅を楽しみたい。

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