奈良・般若寺の初夏の風物詩!アジサイガラスボールが美しい


2023.05.24

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奈良県奈良市にある般若寺(はんにゃじ)は、飛鳥時代に創建された古刹で、関西花の寺二十五霊場の17番札所に名を連ねる「花の寺」でもあります。とくに、2021年(令和3年)から始まったガラスボールにアジサイを入れた花手水はSNSで注目を集め、6月に参拝者が急増する人気スポットとなりました。秋の「コスモス寺」として知られる般若寺で、初夏コスモスとアジサイガラスボールの競演を楽しんでみませんか?
「コスモス寺」として知られる般若寺では夏コスモスも
般若寺は、境内に約15万本30種類のコスモスが咲くことから「コスモス寺」として知られ、秋には多くの参拝者で賑わいます。
近年は、そのコスモスを参拝者が、初夏にも楽しめるように3ヶ月ほど早く植えて、毎年6月には約5万本8種類のコスモスが境内を彩ります。
写真は、江戸時代の1667年(寛文7年)に再建された本堂(県指定文化財)。中には御本尊の文殊菩薩騎獅像(重文)が安置されています。
般若寺の般若寺のシンボルと言えるのが、高さ14.2mの十三重石宝塔(重文)です。鎌倉時代、南都焼討後の東大寺復興のため来日した宋人の石工・ 伊行末 (いぎょうまつ)、嫡男の行吉(ゆきよし)らの手によって1253年(建長5年)頃に再建されました。
般若寺といえば、この塔と季節の花との構図があまりにも有名です。
般若寺にある唯一の国宝が、鎌倉時代に建立された楼門です。和洋に大仏様の意匠が取り入れられ、屋根のそりは美しく軽快です。楼門遺構としては、日本最古のものです。
般若寺の新しい名物「アジサイガラスボール」とは
般若寺では、初夏に約1000株39種類のアジサイが咲き誇ります。般若寺の新しい名物となった「アジサイガラスボール」は、副住職さんが考案したもので、紫陽花が咲いてくると展示が始まります。
紫陽花は、すべて境内で咲いたものを使い、ピークを過ぎた花や折れてしまった花を摘んで水に浮かべ、再度、綺麗に咲かせています。
アジサイガラスボールの大きさは、直径15cmほど。ボールの数は約150個で、涼しげな彩りで参拝者の目を楽しませてくれます。
ただ、ガラスボールや鉢の水は直射日光ですぐに温まり、花が痛んでしまうので、多い時には1日に4回も水を替える必要があります。そのため撮影には、水を替えたばかりの午前中の時間帯がおすすめです。
アジサイガラスボールは、境内の至る所に置かれています。写真は、2022年(令和4年)に新登場した「珠玉(しゅぎょく)の道」
境内の東側にある木々による緑のトンネルを舞台に、小道の両側に紫陽花の花が入ったガラスボールを並べ道を彩ったもの。新たなフォトスポットとして、早速、参拝者の人気を集めています。
フォトジェニックな写真が撮れる「手水石船」
本堂前には、水掛け地蔵尊と手水石船があり、ともに江戸時代の石造物です。水掛け地蔵尊は、1754年(宝暦4年)、奈良町の住人が先祖供養のため造立したものです。アジサイガラスボールと地植えの紫陽花に癒されているのを見ると心が和みます。
まるで、石風呂を思わせる手水石船は、1667年(寛文7年)に再興された現在の本堂に寄進されました。花崗岩製で、縁にはいくつもの窪みが見られます。
紫陽花やコスモスの開花期には、それぞれの花を浮かべた花手水となっていて、アジサイガラスボールとともに見どころの一つです。
さらに、紫陽花とコスモスの花手水を真上から覗いて見てみましょう。まるで絵葉書のような、光を受けてキラキラと輝くフォトジェニックな写真を撮ることができます。
「西国三十三所観音石仏」と紫陽花のコラボも見逃せない
本堂を囲む西国三十三所観音石仏は、江戸時代の元禄年間のもので、西国三十三所巡礼の御本尊を石仏にしたものです。
四季の花では、紫陽花のほかにコスモスとの組み合わせも人気のスポットです。
観音石仏は、いずれも穏やかな表情をされていて、とくに頰杖をついて思惟に耽る如意輪観音像は人気があります。
また紫陽花の時期には、ふわふわとした不思議な花が咲くスモークツリーも見かけます。またの名をハグマノキ(白熊の木)ともいい、花の寺の隠れた見どころになっています。
期間限定の「アジサイガラスボール」の御朱印も
御朱印では、般若寺の御本尊の文殊菩薩の別名「妙吉祥」の御朱印や、アジサイガラスボールのイラストが入った期間限定の御朱印がおすすめです。参拝の記念に授かってみてはいかがでしょうか。 

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般若寺
rating

3.5

52件の口コミ
place
奈良県奈良市般若寺町221
phone
0742226287
opening-hour
9:00-17:00(最終受付16:30)
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