般若寺

寺院

四季折々の花々で彩られる京街道に建つ古刹

コスモス寺として知られる般若寺は、コスモスだけでなく四季折々の花が咲くことで知られる。十三重石宝塔や楼門や本堂などを背景に花咲き乱れる様子は時を忘れるほど美しい。寺伝によると創建は飛鳥時代。花と仏を求めて人の訪れが絶えない。

花の見頃は住職のブログで知ることができる} 花の見頃は住職のブログで知ることができる

飛鳥時代から連綿と続く寺

奈良と京都とを結ぶ京街道沿いにたたずむ古刹。この街道周辺は現在、住宅が立ち並ぶ静かなエリアとなっている。西に面した楼門の扉は閉ざされているが、境内の中ではいつも見頃の花が絶えることはない。
寺伝によると古く飛鳥時代に高句麗の僧・慧灌(えかん)によって開山されたとある。都が奈良に移った735年(天平7)、聖武天皇が平城京の鬼門を守るため「大般若経」を基壇に納め卒塔婆を立てたのが寺名の由来となっているそうだ。その後般若経の学問寺として広い伽藍に1000人もの学僧を集めて栄えていたが、平家の南都攻めで多くの堂宇は灰と化してしまった。

揺れるコスモスは散華のようにも見える} 揺れるコスモスは散華のようにも見える

信仰に基づく慈善活動も

境内でひときわ目をひくのは十三重石宝塔。創建時にもあったそうだが、現在の塔は宋の石工集団の手で鎌倉時代に再建されたもの。約14mの高さで日本を代表する最大級の石塔。その内部からは昭和の大修理の折に多数の納入宝物が発見されていて、当時の塔に寄せられた思いを感じることができる。
入母屋造りの屋根の反りが印象的な国宝の楼門は鎌倉期に石宝塔などとともに再興されたもの。その後、寺域や勢力は元にもどり、学問寺としてだけでなく、病者や貧者の救済に手を差し伸べる寺でもあったそうだ。

閉ざされた門の中は花盛り} 閉ざされた門の中は花盛り

育てて咲かせて発信して

境内では昔から春になるとヤマブキが咲いていたという。寺域を整えるうちに秋にコスモスが咲くように生育し、40年ほど前からコスモス寺の名が知られるようになったそうだ。今やコスモスは30種類15万本が咲き誇るように。夏にはアジサイや初夏咲きのコスモス、冬はスイセンやロウバイと、花暦に切れ目がないように丹精し、境内整備は年中欠かせない。「美咲会」というボランティア団体による手入れも月1回行われているとのこと。
そして住職は花だよりをブログに綴り、副住職はSNSを通じて情報発信を欠かさない。参拝する前にはブログで開花などの情報を得て、訪れてからは美しい花や境内をSNSで披露したい気持ちになるお寺なのである。

花手水では摘まねばならなかった花を飾る} 花手水では摘まねばならなかった花を飾る

奈良阪で歴史を見つめて

この地に広大な寺域を擁した般若寺。平城京の鬼門の抑えというだけでなく、京都と奈良を結ぶ街道が伽藍の中を通り、関所のような役割も果たしていた。それだけに平家の南都攻めや戦国時代の騒乱などたびたび戦火を浴びてきたという。境内に立つ石の笠塔婆は、もとは寺の南方に広がる般若野と呼ばれる大きな墓地の入り口に建立されていたが、明治の廃仏毀釈で破壊され、その後境内に移転再建されたもの。苦難続きの寺の歴史を見てきた石造物や建物を、今は花がやさしく彩っている。

石工の父母追善の笠塔婆} 石工の父母追善の笠塔婆

スポット詳細

住所
奈良県奈良市般若寺町221 map map 地図
電話番号
0742226287
時間
9:00-17:00(最終受付16:30)
休業日
無休
料金
【拝観料】
[大人]500円
[中・高生]200円
[小学生]100円
駐車場
あり(50台)
※シーズンは有料
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
0-30分
雨の日でも楽しめる
地面が土なので、雨天時は足場が悪くなります

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 秘仏関係の寺宝特別公開があったので参拝しました
    4.0 投稿日 : 2021.12.20
    期間限定で御開帳されていた阿弥陀如来像の拝観に行ってきました。重文で白鳳時代の秘仏です。ここは聖武天皇が平城京の鬼門を守護するために堂塔を建立したのが始りです。十三重石宝塔の軸石から見つかった白鳳秘仏等が公開されていました。丁度期間中にはここのもう一方の売りである「コスモス」が満開でした。通称名、コスモス寺として有名です。
  • 水仙
    4.0 投稿日 : 2020.01.29
    水仙と蝋梅を見に行きました。前日の雨と風で水仙はかなり倒れてたし、時期もそろそろ終わりだったのか思ったより寂しく感じた。平日で人が居なくてゆっくり写真撮れました。もう少し満開の時にお邪魔できるとよかったかも。次は紫陽花の時かな。
  • エキゾチック秘仏
    4.0 投稿日 : 2019.12.03
    秋晴れの日、般若寺の、秘仏特別公開へ行ってきた。1964年、昭和の大修理の際、十三重石宝塔の五重目から出現した、秘仏の阿弥陀如来像。白鳳時代に造られた、小金銅仏だ。朝鮮半島の仏像にも似た、少しエキゾチックな仏様。微笑みを浮かべた表情と、大きな手が特徴的だ。800年もの間、石塔の中にいらっしゃったことを考えると、何だかとても感慨深い。

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アクセス

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