手軽に3000m級の頂上へ!ロープウェイで行く長野・木曽駒ヶ岳


2020.06.14

トラベルjp 旅行ガイド

長野県の「木曽駒ヶ岳」は中央アルプス最高峰の3000m級の高峰。ただし標高2650mの千畳敷カールまでロープウェイで行け、山頂までのルートも上りやすく、安全面も配慮されています。天候が恵まれれば、山頂からの景色はダイナミックそのもの。御嶽山や南アルプスなどが眼前に広がる日本を代表するアルプス景観が楽しめます。2020年6月にロープウェイの修繕も終わたので、天高い頂上を目指してみてはいかが?
中央アルプス?ってどこにある
中央アルプスは北アルプスと南アルプスに挟まれる木曽山脈に位置する多峰の総称で、「木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)2956m」は中央アルプスの最高峰。登山道は「千畳敷カール」からが一般的で、山頂までの距離や標高差が少ないこともあり、上りやすい3000m級の高峰になっています。
千畳敷カールまでは「駒ケ根ロープウェイ」で「千畳敷駅」まで。アクセスの詳細は、関連MEMOの「2万年前の造形!長野・中央アルプス極楽浄土の絶景」をご参照ください。
千畳敷カールは2万年前の氷河が山肌を削り取ったすり鉢状の場所。駒ケ根ロープウェイは一気に950mを上るので、千畳敷駅に到着したら1時間ほど標高に体を慣らす必要があります。
この時点で頭痛、吐き気など気分がすぐれない場合は、高山病の恐れがありますので、千畳敷カールだけ楽しみ下山する方が賢明です。
「千畳敷カール」では高山植物のお花畑を散策
千畳敷カールには遊歩道が整備されていて、高山植物のお花畑で写真を撮るなどすれば、さほど1時間は長く感じないでしょう。
夏季には千畳敷カールはお花畑で埋めつくされます。これだけを眺めにロープウェイを乗ってくる一般観光客と登山者が入り乱れる千畳敷ですが、登山の方は浮かれ過ぎないようにしっかりと行程を見極めながら準備をしましょう。
眼前に広がるギザギザの山容は「宝剣岳(ほうけんだけ)」で、木曽駒ヶ岳へはこの山を越えるわけではありません。ただし正面に整備されている「八丁坂」は上りきらなくてはいけません。
ひとまず「乗越浄土」までの八丁坂に挑戦
木曽駒ヶ岳への登山ルートで最初の難関が「乗越浄土(のっこしじょうど)」までの八丁坂。八丁坂は千畳敷カールを取り巻くようにそそり立つ岩の谷あいを上っていくルート。危険個所にはロープなども設置され、3000m級の山岳ルートにしてはかなり安全を配慮したものです。
八丁坂を上る不安要素は、千畳敷駅から乗越浄土までの標高差高200mでしょう。酸素濃度も低いうえに、いきなりの200mの急坂ですから、自分のペースを守ってゆっくり登ってください。
乗越浄土は景色が素晴らしいところなので、呼吸を整え、水分、エネルギー補給をしっかりしましょう。乗越浄土からは左へ進み木曽駒ヶ岳を目指します。
千畳敷駅から乗越浄土まで約1時間※、0.9kmの道のりになります。
※一般成人の標準時間(休憩挟まず)
宝剣山荘を通過し駒ヶ岳頂上山荘まで
乗越浄土から少し歩くと宝剣山荘が見えてきます。トイレ(有料)はここで済ませるのがいいでしょう。ルートの勾配は緩いですが、足元の石を固定する一般観光客向けのルート整備はされていません。さらに天候が荒れると視界が一気になくなるので、自分の位置を確認しながら歩いていきましょう。
宝剣山荘を出ると15分ほどで分岐に差し掛かります。この分岐はあえて「中岳(なかだけ)2925m」を経由する右側を進みましょう。左側のルートは、峻険な崖沿いを行くので危険です。
中岳山頂から慎重に下ると、駒ヶ岳頂上山荘のテント場が見えてきます。駒ヶ岳頂上山荘は中央アルプス唯一のテント場で、多くのテントが彩ります。
千畳敷カールを正午前後に出発した方は、ここに宿泊もしくはテント泊が賢明です。戻ってもロープウェイの最終時間にはかなりタイトです。午前中早めのロープウェイに乗れば、山頂まで往復しても最終便の16:00に間に合うので日帰りも可能です。
駒ケ岳頂上山荘に宿泊したら、御来光を楽しまない手はありません。多くの方がこれを楽しみに早起きをしています。天候にもよりますが、南アルプス方向を真っ赤に染める朝日が観られるかもしれません。夏季であれば4時半から5時頃が日の出時刻になります。
木曽駒ヶ岳までの最後の頑張り
駒ヶ岳頂上山荘から木曽駒ヶ岳は目の前!おおよそ20分ほどで中央アルプス最高峰にたどり着けます。さほど勾配もきつくなく整備状態も良いので、無理なく山頂にたどり着けるでしょう。
山頂からは御嶽山、北アルプス、南アルプス、富士山など360度眺められ、圧倒的なアルプスの景観が広がります。
山頂からはルートが分岐しますが、来た道を駒ヶ岳頂上山荘まで戻ります。千畳敷カールまで夏季は思いがけずに時間がかかるのと、ここまでの疲労が蓄積しているので慎重に進みましょう。
千畳敷駅~木曽駒ヶ岳~千畳敷駅までは、一般成人の足で約3時間40分、距離3.53km、累計標高差は上り下りとも346mほど。条件を見れば日帰りの内容ですが、3000m近い標高の天候、酸素濃度、ロープウェイの運行時間、混雑、さらに高山病への対応時間などを鑑みれば、1泊で計画するのが賢明です。千畳敷カールには素晴らしい「ホテル千畳敷」もあるので、様々シミュレーションしてはいかがでしょうか。
ここでは木曽駒ヶ岳までの様子を動画で紹介しています。
手軽な3000m級のアルプスを、あなたもぜひ体験してみてはいかがでしょうか? 

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木曽駒ヶ岳
place
長野県木曽郡
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