一度は見たい!世界遺産に轟く三重・熊野大花火大会を快適に楽しむ法


2018.06.28

トラベルjp 旅行ガイド

三重県熊野市で毎年8月17日に開催される「熊野大花火大会」は、約1万発の打上数を誇る、東海屈指の大規模花火。“三尺玉海上自爆”や“鬼ヶ城大仕掛け”など、熊野市ならではの魅力溢れる花火を楽しみに、全国から多くの人が集まります。その魅力と、少々交通の便の厳しいこの花火大会を快適に見る方法をお伝えします! 2018年はイベント民泊も実施され、宿泊困難なこの花火大会も泊まりでゆっくり見られるチャンス!
300余年の歴史を誇る大花火大会
熊野大花火大会の歴史は300余年ともいわれ、長く熊野に根差し、大切に継承されてきた花火大会です。かつては陸上や海岸で打ち上げられていましたが、現在は七里御浜沖に台船を停泊させ、そこから打ち上げるようになりました。
打ち上げ箇所は3カ所。七里御浜から海に向かって左手の世界遺産・鬼ヶ城、有料浜席のほぼ真ん前の海上に停泊する台船、そこからさらに右手の海上の台船です。この3カ所から次々と、時に同時に、打ち上げられます。
2隻の船が全速力で走りながら、火の付いた花火玉を次々と海に投げ込む「海上自爆」は、海上に見事な半円の花火が咲き、海で上がる花火ならではの演出と迫力を見せつけます。
「海上自爆」の最たるものが、「三尺玉海上自爆」。各地の花火大会で目玉となることも多い、直径90cm、重さ250kgの「三尺玉」を海上で爆発させるのです。海上には、直径600mもの半円の花が開きます。
クライマックスの「鬼ヶ城大仕掛け」が圧巻!
熊野大花火大会のクライマックスは「鬼ヶ城大仕掛け」。鬼ヶ城に設置された花火が轟音をとどろかせながら七色の花を空に咲かせるさまはまさに圧巻。
地震並みの激しい振動が発生し、民家のガラスが割れることも。頭上に咲く花火だけでなく、その爆音や振動も体感してみてください。
各地の花火大会は土・日曜日に開催されるところが大半ですが、熊野大花火大会は、1963年より毎年8月17日に実施されています。初精霊供養を兼ねた灯籠焼きや追善花火も行われるため、旧盆明けに実施するのが習わしとなっているのです。
花火の起源は、そもそも盆の送り火であったと言われています。その本来の意義を今に引き継ぐ熊野大花火大会は、エンターテイメント性だけでなく、厳かさも併せもっています。
海上には「飛鳥Ⅱ」や「ぱしぴっくびいなす」などの豪華客船が停泊し、海からの花火見物を楽しんでいます。終演後は、これらの客船から、花火への感謝を込めた大きな汽笛が鳴り響きます。なお、手前の大きな船が打ち上げ用の台船です。
2018年はイベント民泊実施!
【宿泊】
せっかくだから泊まりで観賞したい!と思っても、宿は熊野市内はもちろん、隣の尾鷲市、和歌山の新宮市まで、相当早い時期から満室になります。
ただし、2018年は宿不足解消のため「イベント民泊」の実施が予定されています。こちらは、8月16~18日の間に限り、熊野市の方の自宅の空き部屋などに宿泊させていただくというもの。宿泊してゆっくり花火と周辺観光を楽しむチャンスです。
申込開始は7月8日頃の予定ですが、状況により前後する可能性もあります。詳細・申込方法等は、決まり次第、熊野市観光協会HPに掲載されます。
【観賞場所】
主な観賞場所は七里御浜で、有料席は浜席と堤防席が用意されています(上の写真は有料浜席付近)。
有料浜席は定員5名の1マス席と、定員2名の半マス席の2種類。中央の台船に近いので、花火が頭上に開き見ごたえ満点! 有料堤防席は堤防上のテーブル付きイス席。遮るものがなくゆったり見られます。
(価格や販売方法は末尾の<熊野大花火大会の基本情報>参照)
無料で観賞する場合、有料浜席近くは当然混みあい、朝早くから場所取りが始まります。到着が遅く場所取りが難しい場合は、海岸でも井戸川より南側(獅子岩寄り)は比較的空いています。獅子岩よりさらに南側、花の窟神社あたりならばさらに余裕があります。打上げエリアが広いので、そのあたりからでもよく見えます。
交通手段ーJR・自家用車別の注意点
魅力的な花火大会ですが、遠方からはちょっと行きにくいところでもあります。七里御浜自体は、国道42号線沿いで、JR熊野市駅からも徒歩5分ほどで到着できるのですが、当日は国道も鉄道も激混みです。
【JRの場合】
熊野市を通るJR紀勢線はもともと本数の少ない路線です。花火大会当日は毎年多数の臨時便が出るのですが、それでも特に帰りは、駅前に到着して列車に乗るまでに2,3時間かかることもあるという混雑ぶりです。
帰りは極力特急の指定席を利用しましょう。列車は混むだけでなく、運行が乱れることも多く、2017年は鹿と列車が接触し大幅な遅延が発生しました。停止・遅延した場合、指定席の特急と、大混雑の普通・快速では疲労度が雲泥の差です。普通・快速を利用する場合は、体力配分に十分注意してください。
花火大会当日のみの臨時特急は全席指定で、指定席券は例年花火当日の朝7時から、駅やみどりの窓口での発売となり、ネットや電話での購入はできません。
【自家用車の場合】
自家用車の場合は、行きはとにかく早めの行動が重要です。国道42号線は昼前には大渋滞になります。迂回路については熊野市観光協会HPをご参照ください。
熊野尾鷲道路は例年、当日9:00~21:00は通行規制がかかり、下り(新宮方面)は一般車両通行止め(途中ICからも侵入禁止)になります。通行できるのは、バス、タクシーおよび事前申請済の障がい者乗車車両のみです。2018年の予定は未発表ですが、おそらく同様の通行規制が実施されるものと思われます。
いずれの状況を考えても、通行規制がかかる前、渋滞が発生する前に熊野市に到着しておくのがべストということになります。
また、帰りの混雑は行き以上です。時間帯により通行禁止になる箇所も多数あるので事前によくルートを確認しましょう。駐車場によっては24時まで出庫不可となります。
行きは早めに、帰りはのんびり(なんなら朝まで車で寝るのもあり)、がコツです。
【駐車場】
臨時駐車場について、こちらも2017年の状況をもとに説明します。
会場近くの駐車場はツアーバスに優先的に割り振られており、一般車の駐車場(有料)は会場から2~3キロ以上離れています。早朝から開場するところ、翌朝まで駐車可能なところもあります。一部の駐車場は行きはシャトルバスがありますが、帰りは、特に遠方の駐車場を除きありません。地元の方が自宅の駐車場や庭を貸し出す私設駐車場に停められることもあります。
バスツアーがお勧め!当日のイベントやその他の注意点
遠方からの場合、お勧めなのはバスツアーです。東海発はもちろん、関東発、関西発など、各地からのバスツアーが企画・予定されています。
昔はツアーバスでさえ会場に到着できないことがあったとの噂もありますが、熊野尾鷲道路により交通事情は改善し、また当日はこの道路が一般車両通行禁止になるため、ツアーバスは非常にスムーズに通行できます。また、駐車場も比較的会場に近いため、会場までの移動も楽です。
大会当日は、熊野市駅近くで「くまの観光物産展」が開かれます。地元名物のめはり寿司やサンマ寿司、マグロカツや新姫(熊野名産の柑橘)を使ったかき氷、またはたこ焼きや小物類まで、様々な出店が楽しめます。市民会館での音楽会も開催されます。
獅子岩や花の窟神社も徒歩圏内なので、ぶらぶら歩いて巡るのもおすすめです。
熊野大花火大会は予備日が4日も設定されているのが特徴です。台風の影響などにより、たとえ晴天でも高波で延期になることもあります。出発前に必ず熊野市観光協会HPで情報を確認しましょう。場合によっては数日前に延期が決まることもあります。
道路の渋滞情報、迂回路情報、駐車場・満車情報も熊野市観光協会HPに掲載されます。特に車で行かれる方は、これらの情報をしっかり確認し利用してください。 

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七里御浜海岸
place
三重県熊野市-南牟婁郡紀宝町
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