北海道・日高地方で絶景“3つの岬”めぐりを楽しもう!


2018.04.29

トラベルjp 旅行ガイド

北海道・日高地方の海岸線は、日高山脈がそのまま海に落ち込んだような急峻な地形になっています。とくにサラブレッドの産地で知られる新冠町から襟裳岬に至るルートは、ダイナミックな海岸線の連続で、見ごたえがあります。サラブレッドの故郷で、潮風を感じながら、日高地方西海岸のドライブを楽しんでみませんか?
源義経ゆかりの「判官岬」
まず最初に、日高西海岸の岬めぐりでは、北海道新冠(にいかっぷ)町にある「判官岬」をご紹介します。判官岬は、別名“判官館”ともいい、新冠八景のひとつです。標高約80mの断崖絶壁上に展望台があって、太平洋と新冠町の素晴らしい景観を楽しめます。岬の名称は、その名前の通り、源九郎判官義経に由来します。
兄の源頼朝に追われる身となった義経は、海路、蝦夷地を目指し、この岬に上陸してしばらく暮らしました。義経は、自らの名にちなんで、この地を判官館(はんがんだて)と名付け、アイヌの娘ピリカメノコと恋をしたり、絶壁を馬で駆け登ったという伝説が、今でも語り継がれています。
展望台から見る、新冠の街に立つ塔は、「レ・コード館」。全国から寄贈された約90万枚のレコードが収蔵されていて、個性的なジャケットを眺めたり、国内最大級のスピーカーで、レコードならではの、懐かしい音を楽しむこともできます。また、高さ36mの展望タワー“優駿の塔”からは、新冠の街並みは、もちろんのこと、周辺の牧場風景や、日高山脈、太平洋などを一望できます。
レ・コード館の前には、新冠町が生んだ名馬「ハイセイコーの像」もあって記念撮影にピッタリ。さらに隣接する「道の駅サラブレッドロード新冠」では、物産館やレストランで、買い物や食事も楽しめます。ドライブの途中に、立ち寄ってみるのもおすすめです。
<レ・コード館の基本情報>
住所:北海道新冠郡新冠町字中央町1番地の4
電話番号:0146-45-7833
営業時間:9:00~19:00
見学料:大人300円 高校生200円 小中学生100円
休館日:月曜日および年末年始
アクセス:JR日高本線鵡川駅から、日高本線代行バス静内行きで新冠駅下車 徒歩約5分
車利用の場合は、日高自動車道日高門別ICから国道235号を経由して、浦河方面へ約30分
また判官岬は、日高西海岸で有数の夕陽の名所にもなっています。静かに水平線上に沈んでゆく夕陽は、自然の雄大さを改めて感じさせてくれるでしょう。なお、展望台から駐車場までの道は、街灯もなく、夜間は真っ暗になりますので、必ず懐中電灯を持っていくようにしましょう。
<判官岬の基本情報>
住所:北海道新冠郡新冠町字高江 判官館森林公園
電話番号:0146-47-2193(判官館森林キャンプ場)
アクセス:JR日高本線鵡川駅から、日高本線代行バス静内行きで新冠駅下車 徒歩約30分
車利用の場合は、日高自動車道日高門別ICから国道235号を経由して、浦河方面へ約30分
様似町にあるプチ函館山の「エンルム岬」
続いてご紹介するのは、様似(さまに)郡様似町にある「エンルム岬」。様似町には、JR日高本線の終着駅「様似駅」があり、かつては襟裳岬へのアクセスとして、観光シーズンには、大いに賑わったところです。その日高本線が、2015年(平成27年)1月7日から8日にかけて日高地方を通過した爆弾低気圧の高波による線路被害により不通となり、さらに、その後の台風により被害がさらに拡大し、2018年4月現在も不通のままです。
苫小牧駅と様似駅を結ぶJR日高本線は、2018年4月現在、鵡川駅から先の区間は、代行バス輸送が実施されていて、鵡川駅から様似駅までの約116キロの区間は、JR北海道の経営状況が厳しいことから、復旧の見込みが全く立っていません。海沿いをのんびりと走る姿が人気だった日高本線が、自然災害により80年の歴史に終止符を打つことなることは、誰も想像していなかった事態といえるでしょう。
エンルム岬の“エンルム”とはアイヌ語で、「突き出た・先端」の意味があります。高さ約70mの展望台からの風景は、まるで、夜景で有名なプチ函館山のよう。それもそのはず、エンルム岬は、函館山と同じく、島が砂嘴によって陸とつながった「陸繋島(りくけいとう)」だからです。
頂上には、エンルムチャシ跡があります。“チャシ”とは、アイヌ語で砦のこと。つまりエンルムチャシとは「突き出た砦」という意味で、かつてアイヌの人々の砦だったことが伺えます。
駐車場から約200段ほどの階段を登った頂上からは、太平洋と様似漁港の眺めが楽しめます。様似漁港では、シンボルのソビラ岩、その向こうには親子岩が見えます。エンルム岬も、夕陽の名所であり、夕陽の中で親子岩に祈ると家族に幸福をもたらすとの伝説があります。様似のパワースポットで見事な眺望を楽しみましょう。
<エンルム岬の基本情報>
住所:北海道様似郡様似町会所町
電話番号:0146-36-2119
アクセス:札幌から道南バス「ペガサス」号にて、「浦河ターミナル」下車し東町駅まで行き、ジェイ・アール北海道バスに乗り換え、「様似」方面行きに乗車、「JR様似駅」下車、徒歩約20分
車利用の場合は、日高自動車道日高門別IC下車、国道235号線、236号線、336号線と進み、様似町本町3丁目の信号右折(看板あり)
「襟裳岬」は、日高山脈の背中が海に沈み込む場所
日高の岬めぐりのクライマックスは、やはり「襟裳岬」でしょう。襟裳岬の名前の由来は、アイヌ語の“オンネエンルム”が由来です。エンルムは、前述の通り「突き出たところ」で、オンネは「大老の・大きい」を意味しています。北海道の背骨と言われる日高山脈の連なりが、2km沖までの太平洋に沈み込む、壮大な景観を楽しみましょう。
襟裳岬というと、誰でも思い出すのが、森進一さんの大ヒット曲『襟裳岬』。当然のことながら、岬の展望台には、その歌碑が立っています。北海道を題材にした“ご当地ソング”では、北島三郎さんの『函館の女』と並んで、もっとも有名な一曲といえるのではないでしょうか。
襟裳岬は霧の名所でもあります。それは、沖合いで暖流と寒流がぶつかりあって海霧を発生させるから。年間霧日数は、約108日で、1年のうち3分の1が霧に覆われている計算になります。だから、襟裳岬を訪れて晴れに出会えると言うのは、よほどツイている方と言えるかも知れませんね。
襟裳岬「風の館」で、強風体験も面白い
襟裳岬灯台は、1889年(明治22年)に北海道唯一の一等灯台として建設されました。灯台の海面からの高さは約73m。直径1.5mの巨大なレンズを備え、15秒に1回の割合で閃白光が、海上42km先まで届けられます。
生物学的には、襟裳岬には、約500頭のゼニガタアザラシが生息しており、毎年、4月下旬から5月かけて出産し、約4週間かけて子育てを行います。夏は、年に1度の毛がわりの時期なので、換毛の促進のために、1年のうちで最も多くのアザラシが岩礁に上陸する姿を見ることができます。
また襟裳岬は、風速10m以上の風の吹く日が年間290日以上もある、日本屈指の強風地帯でもあります。岬にある「風の館」では、館内の1番人気コーナー“えりも風体験”で、風速25mの襟裳の風を体験することもできます。館内にある望遠鏡で、ゼニガタアザラシのウオッチングとともに楽しんでみてはいかがでしょうか。
<えりも岬風の館の基本情報>
住所:北海道幌泉郡えりも町字東洋366-3
電話番号:01466-3-1133
開館時間:9:00~17:00(但し5月~8月は9:00~18:00)
休館日12・1・2月は冬季休館
見学料:大人・大学生300円 小・中・高校生200円
アクセス:札幌~浦河まで道南バス「ペガサス」号で約3時間30分、浦河~様似までジェイ・アールバスで約30分、様似~襟裳岬までジェイ・アールバスで約1時間
車利用の場合は、札幌から高速道路を使って約4時間 苫小牧から約3時間 

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エンルム岬
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北海道様似郡様似町会所町
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判官館森林公園
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北海道新冠郡新冠町高江
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襟裳岬
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