古都の早春の風物詩「京都・東山花灯路」で夜の散策を楽しもう!


2018.03.01

トラベルjp 旅行ガイド

「灯り」をテーマとして京都・東山地区で、2003年(平成15年)3月から始まった早春のイベントが、「京都・東山花灯路」です。京都を代表する寺院・神社のある東山地区が、露地行灯約2500基の灯りとボリューム感のあるいけばな作品の「花」で演出されます。また特別協賛として有名寺社の特別夜間拝観とライトアップも実施されます。思わず歩きたくなる灯りの散策路を楽しんでみませんか?
まずは「清水寺」からスタートしよう
「京都・東山花灯路」の開催エリアは、南の清水寺から法観寺、高台寺、円山公園、八坂神社を経て北の青蓮院までの約5km。おすすめのルートは、清水寺から青蓮院に抜けるルートです。このルートがおすすめなのは、逆ルートに比べて、全行程が下り坂になっていて歩きやすいから。2018年の開催日程は、3月9日(金)~3月18日(日)までの10日間です。
まずは、清水寺の門前にスタンバイして「茶わん坂」や「清水坂」の夕陽を楽しみましょう。茜色に染まる空がとても印象的です。3月の日没は大体、18時頃です。日没後に清水寺から夜空に向けて放たれる青い一筋の光は、観音様の慈悲を表しています。幻想的なその光は、京の夜空を美しく照らします。清水寺の入り口で、正門でもある仁王門の前には梅の花が咲いていて、参詣客の目を楽しませてくれます。
清水寺の京都・東山花灯路の協賛による夜間特別拝観は、開催期間中の毎日18時から21時までです。仁王門をくぐると西門に出ます。石段の下から西門の上に伸びている塔は、三重塔の先端部分です。一見すると一体化した同じ建造物に見えるほど、見事に調和していますね。
清水寺の三重塔は、高さ約31mの国内最大級の三重塔です。ここから京都タワーをはじめ京都市内の夜景が美しく望めます。なお、清水寺を代表する「清水の舞台」を有する本堂は、檜皮屋根の葺き替え工事中につき、2018年2月現在、足場を組んで仮屋根に覆われた状態です。
しかし、ご本尊の十一面千手観世音菩薩は、本堂にて、これまでと変わりなく参拝できます。また、今回の工事は、平成の大修理の一環として2021年まで実施されているもので、珍しい工事中の様子を見れる絶好の機会でもあります。本堂のライトアップもされていますのでぜひ、お参りしてみて下さい。
<清水寺の基本情報>
住所:京都市東山区清水1丁目294
電話番号:075-551-1234
夜間特別拝観時間:18:00~21:00(受付終了)
拝観料:大人400円、小中学生200円
アクセス:京阪電車「清水五条」駅より徒歩約25分。市バス五条坂または清水道下車徒歩約10分
東山のシンボル「八坂の塔」のライトアップは必見
清水寺の拝観を終えたら、産寧坂(さんねいざか)を降りて、八坂の塔に向かいましょう。産寧坂は、三年坂ともいい、約100mにわたって急な石段の坂道が続く観光名所で、両側には、昔ながらの古い造りの土産物店が並んでいます。北にある八坂の塔、高台寺、円山公園などの連絡通路ともなっているため、観光客が絶えることがありません。写真は、下から見た産寧坂です。
産寧坂から八坂通に入ると、東山のシンボル、法観寺の「八坂の塔」が見えます。写真は、町屋と塔を収めることのできる定番のベストスポット。京都・東山花灯路期間中はライトアップされます。
塔の正面からの眺めもおすすめです。塔の前には、協賛の京都いけばな協会による「いけばな作品」が文字通り花を添えています。大型花器を用いたボリューム感あるいけばな作品は、花灯路沿いの随所に展示されています。
豊臣秀吉の正室・北政所ゆかりの「高台寺」も見逃せない
京都・東山花灯路の協賛として夜間の特別拝観では、清水寺とともにぜひ訪れたいのが、北政所(きたのまんどころ)ゆかりの高台寺です。「ねね」こと北政所は、よく知られているように豊臣秀吉の正室で、高台寺は江戸時代の初期に、北政所が亡き夫の秀吉を弔うために開いたお寺です。
そのため、高台寺は、北政所の限りない「やさしさ」が溢れているような不思議な雰囲気を持っています。寺の入り口に当たる庫裡には「夢」と書かれた衝立が立っていて、秀吉を支え続けて苦労の末に、天下統一の夢を成し遂げた夫婦の壮大なドラマを表しているかのようです。
ライトアップされた夜の高台寺の境内では、方丈前庭「波心庭」のプロジェクションマッピングや、北政所の墓所である霊屋(おたまや)、珍しい2階建ての茶室の時雨亭などの光のアートが楽しめます。写真の時雨亭は、かつて秀吉とともに隠居城として過ごした伏見城の茶室をそのまま移築したものです。
1615年(慶長20年)の大坂夏の陣で豊臣家が滅亡した際には、北政所はこの時雨亭から、赤く染まる彼方の大坂の夜空を眺めて大坂城落城を知ったとされています。その時の北政所の胸中の悲しみは、察するに余りあります。
境内の散策路では、嵯峨野を思わせる竹林の美しいライトアップも。散策路の左手には、霊山観音の巨大な白い観音像も垣間見えて神秘的な空間を醸し出しています。ほかに高台寺では、東山花灯路の期間以外にも夜間特別拝観(3/9~5/6)も行っています。とくに桜の開花時期には美しい夜桜も楽しめます。
また、春の特別展として高台寺方丈・北書院では、漫画家のバロン氏・寺田氏によるコラボレーション展「バッテラ展」(3/9~5/6)も開催予定。さらに、高台寺の塔頭のひとつで北政所終焉の地として知られる高台寺の向い側にある「圓徳院」でも春の特別拝観(3/9~5/6)が行われます。「高台寺掌美術館」と合わせた三ケ所共通拝観券もあります。京都・東山花灯路の後も、再度、訪れてみてはいかがでしょうか。
<高台寺の基本情報>
住所:京都市東山区下河原町526
電話番号:075-561-9966
拝観時間:17:00~21:30(受付終了)※昼の拝観/9:00~17:00(受付終了)
拝観料:昼夜共/大人600円 中高生250円
三ケ所共通拝観券(高台寺・掌美術館・圓徳院)900円
アクセス:京阪電車「祇園四条」駅より徒歩約15分。阪急電車「河原町」駅より徒歩約15分。清水寺から徒歩約15分。円山公園から徒歩約5分
人気のイベント「狐の嫁入り巡行」も楽しい
さらに京都・東山花灯路の人気のイベントが高台寺の「狐の嫁入り巡行」です。狐の嫁入りは縁起がいいとされ、見たら幸せになれると言われています。東山花灯路では、人力車に乗った狐の花嫁が知恩院三門前を出発し、円山公園、春光院、高台寺へと進みます。
一晩に2回行われ、時間は知恩院三門前を、19時発と20時発で、約40分間かけて高台寺まで移動します。高台寺の夜間特別拝観と合わせてご覧になって下さい。
京都・東山花灯路のメイン会場である円山公園では、近くの粟田神社の粟田祭で使われる「粟田大燈呂」が展示されます。夜目にも鮮やかな燦然と輝く大燈呂を楽しみましょう。写真は、えびす様です。
ほかに円山公園では、京都いけばな協会による「現代いけばな展」が開催されます。ライトアップされた壮大な華の競演を楽しみましょう。このほか、本文ではご紹介できませんでしたが、京都・東山花灯路では、青蓮院、知恩院でも夜間特別拝観が行われます。どちらも素晴らしい光の演出が楽しめます。
一晩ですべて訪れるのは、時間的にも無理がありますので、できれば二晩に分けて訪れるのがおすすめです。それぞれのお気に入りのライトアップと夜間特別拝観を楽しんでみて下さい。 

read-more
清水寺
rating

4.0

57件の口コミ
place
京都府京都市東山区清水1-294
phone
0755511234
opening-hour
[開門]6:00[閉門]18:00(7・8月…
すべて表示arrow

清水寺・伏見稲荷大社・奈良公園 日帰りツアー(大阪or京都発)

¥6,600

arrow icon

更新日:2024/05/07

高台寺
rating

4.5

1499件の口コミ
place
京都府京都市東山区高台寺下河原町526
phone
0755619966
opening-hour
9:00-17:30(17:00受付終了)※…
すべて表示arrow

この記事を含むまとめ記事はこちら