広島県東広島市の西条は、兵庫の灘、京都の伏見と並ぶ日本三大酒どころの1つ。現在も7社の醸造場が立ち並び、酒蔵通りにそびえ立つ12本の赤レンガの煙突が特徴的な町並みです。
今回は、広島県内でも古い歴史を誇る酒蔵や全国に先駆けて吟醸酒を造り始めた酒蔵など、日本酒好きにはたまらない酒蔵巡りを楽しめる西条の魅力をご紹介します。
酒蔵の町「西条」
西条は江戸時代に宿場町として栄え、現在も当時の繁栄を偲ばせる古い町並みが残っています。また、酒造りの町らしく、酒蔵通りには赤レンガの煙突や白壁の酒蔵が立ち並ぶ風景が続いています。最近は酒蔵や古民家を活用したオシャレなカフェやお店も増えています。
西条の水は「水の郷百選」に選定されています。まろやかな味わいがあったり、柔らかく滑らかであったり、各々の酒蔵によっても味が異なると言われるように、酒蔵の仕込み水としても使われている井戸水を汲み取りに、地元の方々もタンクを片手にやってくるほどです。お酒だけではなく、お水の飲み比べをしても面白いかもしれません。
西条酒蔵通りで酒蔵巡り
賀茂鶴酒造の入口には1927年に建てられた洋館があり、目を引きます。広い敷地内には白壁となまこ壁の酒蔵が続き、その美しさはつい見入ってしまうほど。
賀茂鶴酒造は1958年に全国に先駆けて吟醸酒を造り始めた、広島を代表する酒蔵です。日本酒造りの工程に関するビデオ放映や、酒造りに関する道具を展示するなど、見学室も併設してあります。見学室の椅子は酒樽が使われていて、面白い光景なので必見ですよ。また、自由に日本酒の試飲もでき、辛口の日本酒が多いのが特徴です。
＜基本情報＞
住所：東広島市西条本町4-31
電話番号：082-422-2121
アクセス：JR西条駅から徒歩4分
1912年創業の賀茂泉酒造。米と米麹のみで造る純米酒の製造をいち早くはじめ、広島を代表する純米酒蔵です。旧広島県西条清酒醸造支場を改修して造られた「酒泉館」では日本酒のみ比べセットが人気です。お土産も充実しており、オススメは日本酒フルーツケーキ（1,200円）です。日本酒の甘い匂いがほのかに香り、ドライフルーツもたっぷり入っています。また、酒泉館で販売している酒粕（1kg 680円）で甘酒をつくると、とても濃厚な味に仕上がるので、甘酒好きな方はぜひ試してみて下さい。
＜基本情報＞
住所：東広島市西西条上市町2-4
電話番号：082-423-2118
アクセス：JR西条駅から徒歩8分
白牡丹酒造は1675年創業で、広島県内で古い歴史を誇る酒蔵です。甘口の日本酒が特徴で、夏目漱石や棟方志功にも愛飲されたと言われています。酒蔵内には、棟方志功が描いた「白牡丹」の版画が架かっており、棟方志功の絵をラベルに利用している日本酒もあります。
＜基本情報＞
住所：東広島市西条本町15-5
電話番号：082-422-2142
アクセス：JR西条駅から徒歩4分
この他にも、福美人酒造や西條鶴酒造など、魅力的な酒造が並んでいるので、ぜひ全ての酒蔵を巡ってみて下さいね。
西条の酒蔵グルメ
西条には日本酒を使った料理やスイーツがたくさんあります。日本酒や酒粕、酒スイーツは、各酒蔵や西条酒蔵通りの観光案内所（くぐり門）でも販売されています。
＜基本情報＞
住所：東広島市西条本町17-1
電話番号：082-421-2511
アクセス：JR西条駅から徒歩5分
西条でぜひ味わって頂きたいのが美酒鍋です。美酒鍋は、もともと蔵人のまかない料理として始まった鍋料理です。日本酒と塩コショウのシンプルな味付けの為、野菜やお肉本来の旨みを堪能できる一品です。美酒鍋が食べられるお店は西条内にいくつかありますが、中でもおすすめは「沸蘭西屋」です。酒蔵の一角に京都の町家をイメージした雰囲気のお店はとっても落ち着きますし、賀茂鶴酒造の直営店の為、こだわりの日本酒を使った美酒鍋が楽しめるからです。
沸蘭西屋は1階がフレンチ、2階は和食レストランです。2階には、様々な形の御猪口や着物姿の女性の絵が飾ってあり、とても華やかな店内です。優しい味の美酒鍋は、そのまま食べてももちろん美味しいですが、生卵を付けて食べるとまた違った味を楽しめます。
＜基本情報＞
住所：東広島市西条本町9-11
電話番号：082-422-8008
アクセス：JR西条駅から徒歩4分
