表参道ヒルズでインスタレーション ペットボトルに埋め尽くされた空間からファションと環境問題を考える


2020.06.30

OMOHARAREAL

表参道ヒルズ1F、通りに面したイベントスペース「Rスタジオ」が空のペットボトルで埋め尽くされているのにお気づきだろうか。期間は2020年6月25日(木)~30日(火)の6日間。 これは、ロンドン発のバッグ・アクセサリーブランド「ANYA HINDMARCH(アニヤ・ハインドマーチ)」によるインスタレーション『I AM A PLASTIC BAG』。「ペットボトルについてもう一度考えてみませんか?」という問題提起のもと行われているこの取り組みは、2020年2月、ロンドンファッションウィーク期間中にもロンドン市内の「ANYA HINDMARCH」3店舗を休業して実施された。 今回「Rスタジオ」を埋め尽くしているペットボトルの総数は19,539本。これは、日本国内で25秒ごとに消費されているペットボトルの数に該当する。1年に換算すると、約250億本ものペットボトルが日本全体で消費されていることになるのだとか。 綿花栽培時の農薬による環境汚染、染色時の大量の水の消費、ポリエステルやナイロンといった化学繊維に使われるプラスチックによる海洋汚染など、ファッションと環境問題は密接な関わりを持っている。加えて、大量生産、大量消費、大量廃棄なども深刻。そんなことから、問題意識を持ち、素材や製法、再利用など、持続可能な取り組みを模索しているブランドも多い。 同ブランドでは、今シーズンの新作バッグとして『I AM A Plastic Bag』を発表。コットンキャンバス風のファブリックを使用したこのバッグには、一つ制作するのに500mlのペットボトル32本が再利用されている。2007年にはレジ袋削減をテーマにしたトートバッグ『I’m NOT a Plastic Bag』を発表したが、今回はプラスチックを“なるべく使わない”ことから、ものを作る過程で“循環させる”というテーマにアップデートした。 “大量のペットボトルに埋め尽くされた空間”と聞けば、異様な光景が思い浮かびそうだが、使用されているペットボトルは空(=透明)のため、不思議と街の風景に溶け込んでいる。ともすると通り過ぎてしまいそうなほど静かに主張しているこのインスタレーション。それゆえ目の前に立ってじっくり眺めていると、より考えさせられるものがあるのだ。 ■概要『I AM A PLASTIC BAG』インスタレーションBY ANYA HINDMARCH開催期間:2020年6月25日(木)~30日(火)会場:表参道Rスタジオ住所: 東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ1F営業時間:外観から24時間見学可能特設サイト:https://www.anyahindmarch.jp/ja-JP/i-am-a-plastic-bag.html   >>EDITOR’S VOICE表参道ヒルズ同潤館3Fにあるギャラリー「表参道ROCKET」では、2020年6月26日(金)〜7月1日(水)、カリグラフィアーティスト・遠山由美氏の個展「Cosmic Ego~ 自我からの解放をめざして」を開催している。表題作「Cosmic Ego」は、遠山氏が徹底的に自己と向き合うなかで生まれた“私的記録”ともいえる作品。新型コロナウイルスによって本当に必要なものが顕在化した今、一個人である遠山氏の内省的な軌跡を見ることは、他者を尊重し、認め合うことの大切さを気づくいとぐちとなるはず。環境問題と合わせて、自己と社会との関わりを深く考えてみてほしい。   Text:OMOHARAREAL編集部  

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表参道ヒルズ
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4.0

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東京都渋谷区神宮前4-12-10
phone
0334970310
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【月-土】[ショップ、カフェ]1…
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