江戸時代からの白壁の街並みを残す柳井市古市・金城地区。その景観の美しさはもちろんですが、一際目を惹くのはやはり軒下に揺れる赤い金魚のちょうちんです。
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01
江戸にタイムスリップ!200年以上の歴史を刻む商家
柳井市は山口県の南東に位置し、白壁の町並みはJR柳井駅から徒歩5分の場所にあります。
石畳の通りと漆喰で塗られた白い壁、木の格子の続く家並みは風情があります。約200mに渡って続く白壁と共に金魚ちょうちんが揺れています。
室町時代から港町として栄えた柳井でしたが、たびたび火事に見舞われました。それを防ぐため壁に火に強い漆喰が塗られていき江戸時代後期以降に今の景観へなったそうです。
通りの建物の多くは100年以上前に建てられ、今なお現役です。中には200年以上前に建てられたものもあります。18世紀後半に建てられた油問屋として栄えた豪商。立派な造りです。
通りの中程にある「国森家住宅」では江戸時代の商家が当時のまま保存され公開されています。
戸を開けて中に入ると土間が奥まで続いており、通りからは気づかなかったのですが奥行きが深い造りの建物になっていました。入館料200円は入ってすぐの机の上のカゴに入れます。
通りに面した店の帳場は当時の様子を伺う事ができます。
横に飾られているひな人形は大正時代のものです。この地区では2月6日〜3月28日まで”おひなさま巡り”が開催されています。
2階は当時商品収納庫として使われていました。
置かれている物それぞれから歴史を感じます。
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02
金魚ちょうちん制作体験
古い建物が並ぶ町に揺らめく金魚ちょうちんですが、実はこのちょうちんは青森のねぶたを参考に作られてます。
江戸末期に染物屋の主人が青森に行商に行った際に金魚の灯籠を持ち帰り、それを元に作られたのが柳井の金魚ちょうちんです。その色つけには伝統織物「柳井縞」で使われている染料が使われました。
金魚ちょうちんは今では民芸品として県外まで知られ、毎年夏になると「柳井金魚ちょうちん祭り」が開催されます。柳井を金魚ちょうちんの街として有名にした「河村信雄」さんのお店。
白壁では金魚ちょうちんが作れる場所が2箇所あります。
今回体験した場所は「やない西蔵」さん。早速体験してみましょう♪かつては醤油蔵として使われていました。
まずはちょうちんのサイズを選びます。中 900円、小 800円。
この状態からのスタートです。
ちょうちんはすでにベースの色が塗られています。
まずは染料を筆につけてヒレと尾びれに線を入れます。そして胴の部分にウロコの線を描き入れます。
染料の量が多いと滲んでしまい、程よい加減が難しい!線を引いて目までつけた状態。
目をつけたら縁どりをして、全てのパーツをボンドでくっつけて完成です。
目を貼る位置や縁取りの大きさや形を変えるだけ個性的な金魚も作れるそうですよ。
また西蔵では柳井縞という織物体験でコースターも作れます(300円)。
気軽に作れて楽しい伝統工芸品、ぜひオリジナルの金魚作りに挑戦してみてください♪どちらも約30分で完成です。
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03
お殿様に認められた味”甘露醤油”
柳井の特産品に甘露醤油があります。
昔殿様にこちらの醤油を献上したところ「甘露、甘露(美味しい)」と賞賛された事からその名がつきました。
西蔵の通りを挟んだ向かいにある「佐川醤油店」さんでは、醤油蔵の一部を資料館として無料で公開しています。入り口では甘露醤油の仕込みにも使われている地下水が飲めます。
蔵の中には醤油づくりに使われた道具の展示だけでなく、実際に仕込まれ熟成中の醤油の樽を見ることもできます。
蔵の中にもおひなさまが飾られていました。
甘露醤油は通常の倍の時間をかけて熟成されたお醤油。
醤油を二度仕込むことにより、色が濃くうまみ成分が増します。なのに塩分は濃口醤油より少ない。
醤油の中でも最高級のお醤油なのだそうです。140年使われているという仕込み樽。
昔使われていた陶器の醤油瓶。
お土産にはぜひ甘露醤油をゲットしたいですね!
お醤油を使った加工品も人気です。甘露醤油300ml 690円/醤油風味ごまふりかけ 356円
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文房具から柳井の金魚ちょうちんを発信!
次に訪れたのは1894年創業の「木坂賞文堂」さん。
創業して以来ずっとこの場所で営業しているという文具屋さん
昔の小学校を思わせる店内は、金魚ちょうちんがデザインされた文房具やグッズであふれています。
店内の備品は廃校になった小学校のものを使っています。
ノートや消しゴム、マスキングテープ、ご祝儀袋。中にはお菓子も。みーんな金魚!
まん丸い目にキュン♡
ここでしか買えない金魚ちょうちんグッズは友達へのお土産にもぴったり♪
吸盤付きのミニ金魚ちょうちん(864円)はドライブのお供にもいいですね。目が♡になってる♪
金魚でいっぱいの柳井。
色々な金魚を探してみるのも楽しいですよ。消火栓の蓋。どこにあるかは探してみてくださいね♪
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山口の食材と健康にこだわった優しいカフェ
白壁から車で5分の場所にある「sweets & café miyabi」さんへランチへ。
こちらのお店は山口・地元の食材にこだわり健康に気を配った体に優しい食事を提供しています。ランチタイムは11:00~14:00
元々は小さなお菓子屋さんだったというお店。
以前管理栄養士である店長さんが地元のテレビで料理のコーナーを担当していた時に、それを観た視聴者が料理を食べにお菓子屋さんに来るという事が続いたそうです。
ならばいっそ料理も食べれるようにしようと一大発起し、同じく管理栄養士の娘さんと6年前にカフェを始めたそうです。店内入ってすぐの場所にsweetsが並びます♪
席に座りランチのメニューを開くと、それぞれの料理に使う食材と産地が記載され、その料理の特徴が細やかに説明されています。食べる前から味が想像できそうです。
注文した甘露醤油ラーメンは、ベースのスープはあっさりとしてコクがありそれだけでも美味しいのですが、チャーシューを煮込んだ甘露醤油を足して自分好みの醤油ラーメンにして食べます。甘露醤油を加えると旨味が増し香りがふわっと広がります。864円。サラダがうれしい♪おにぎりもあるので満腹。
そしてもう一つ注文したのは週替わりのパイ包みランチ。
スプーンでパイ生地を壊すと中からアツアツのミンチと野菜が出てきます。しっかりと味が付いているのでご飯にとてもよく合います。小鉢は優しい味付けでした。管理栄養士さんがバランスを考えて作ってくれた料理なので安心して食べれるのがうれしいですね。1,296円。チーズ入り麻婆味噌と季節野菜の入ったパイ包み。ドリンク付。
こちらのカフェはお菓子だけ買って帰る事もできます。
こだわりのいちご大福は県外から買いに来る人もいる人気商品。みずみずしい苺が程よい甘さのあんことマッチして後味も爽やか。苺みるく大福は初めて食べたのに懐かしさを感じる優しい味でした。ピンクの苺みるく大福・いちご大福 250円/生チョコレートプリン 280円