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天才絵師、葛飾北斎の偉業に迫る。両国の新名所「すみだ北斎美術館」がおもしろい!

東京・墨田で生まれた偉大な絵師、葛飾北斎は幼いときから絵を描くことが大好きでした。時に浮世絵師、時に漫画家、時にデザイナーとして作品を生み続けた北斎の人生は、常に好奇心と探究心で溢れ、それは約90歳で亡くなる時まで続きました。知られざる北斎の生き様を「すみだ北斎美術館」で目撃するべし!

  • 北斎ってどんな人?

    葛飾北斎は宝暦10年(1760)に、墨田区にある本所割下水という地(現在の亀沢付近)で生まれました。90年の生涯ほとんどを墨田で過ごし、その中でなんと93回も引っ越しをしたという仰天エピソードも!作品の中にも、墨田の景色が多く描かれていることからも北斎が墨田に愛着をもっていたことがよくわかります。

    1日に3回引っ越しをしたこともあったそう。自由すぎます北斎さん。

    1日に3回引っ越しをしたこともあったそう。自由すぎます北斎さん。

    絵師になってからはよく名前も変えていた北斎。春朗、北斎、為一(いいつ)、画狂老人卍など全部で32もの画名を使いました。「北斎」という名はその時代に名が広く知れ渡っため、現在でも使われているそう。こんなエピソードも、常に変化を求め続け新しいものを生み出した北斎ならではともいえます。

  • 街に開かれた「すみだ北斎美術館」

    JR両国駅より徒歩9分。2016年11月、まさに北斎が生まれた地に開館した「すみだ北斎美術館」は、北斎の貴重なコレクションはもちろん、北斎の人となりや意外性のある作品を知ることができる場所とあって、地元の人や観光客、外国人旅行者にも人気を集めています。

    公園と一体となった美術館は、アルファベットを立体にしたような独特な形が特徴。浮世絵作品の保存を考慮し、全体としては閉じていながらも、建物をゆるやかに分割するスリット部からは館内の様子を伺うことができ、地域に開かれた美術館であることをあらわしています。

    外壁のアルミパネルには、風景がやわらかく映りこみ溶け込む

    外壁のアルミパネルには、風景がやわらかく映りこみ溶け込む

    自然光が漏れる明るいホワイエ

    自然光が漏れる明るいホワイエ

    少し先にスカイツリー®もちらり

    少し先にスカイツリー®もちらり

  • 北斎作品で見るすみだの今昔物語

    まずは常設展示室の入り口にあるタッチパネルで作品を鑑賞。ここでは、北斎が描いた景色の作品をもとに、その場所を地図や現在の場所の写真と比較しながら鑑賞できるようになっています。

    一番の見どころは、「隅田川両岸景色図巻」。舟で吉原へ向かうコースとなっていた柳橋から山谷堀までの隅田川の両岸を描いたよこ7mの超大作。長年行方不明だった作品が、オークションに出品されていたのを偶然関係者が見つけたところから公開されることになったのだとか。

    ちなみにこの図巻にはきちんと“影”が描かれています。これは北斎が西洋の絵画に影響を受けたことを意味しているそう。また、船に乗る人々の着物の色や建物の配置など、精緻な描写にも注目してみてください。

    浅草寺を発見!

    浅草寺を発見!

  • マルチな才能で大活躍した北斎

    漆黒に包まれた常設展示室には、北斎の作品がずらり。有名な冨嶽三十六景の浮世絵や、浮世絵ができるまでの工程なども紹介されています。

    暗闇の中でひときわ美しく見える浮世絵

    暗闇の中でひときわ美しく見える浮世絵

    北斎は作品を描きながらも、一般の人々に絵の描き方を教える指南書もつくっていました。指南書には、ひと筆書きで描いた動物のイラストや、コンパスと定規を使った描き方などが紹介され、北斎独自の技に「なるほど!」と圧倒されるばかり。

    ひと筆描きで猫や鳥が描ける「一筆画譜(いっぴつがふ)」

    ひと筆描きで猫や鳥が描ける「一筆画譜(いっぴつがふ)」

    コンパスと定規を使って描く「略画早指南(りゃくがはやおしえ)」

    コンパスと定規を使って描く「略画早指南(りゃくがはやおしえ)」

    他にも、北斎は人や動物を描いたスケッチ集「北斎漫画」も描きました。気軽に絵を描いて欲しいと願ってつくられた作品からは、北斎自身が誰よりも楽しんで絵を描いていた喜びが伝わってきます。

    北斎の鋭い観察力を感じる「北斎漫画」

    北斎の鋭い観察力を感じる「北斎漫画」

    中には思わず「これ北斎が書いたの!?」と目を疑うようなものも。こちらは、当時の変顔を6面相で描いたもの。どれもかなりパンチのある顔で、北斎はどんな顔でこれを書いていたんだろう・・・と想像するのも楽しい作品。
    こういった庶民にとって親しみが湧く作品も、北斎の魅力だったのかもしれません。

    変顔文化は当時からあったんだな~

    変顔文化は当時からあったんだな~

    北斎の関心は絵だけにとどまらず、時にはモノをデザインすることもありました。
    こちらは富士山をモチーフにした櫛のデザイン画。北斎にかかれば櫛もたちまち美しい芸術品に。

    北斎のセンスに脱帽・・・

    北斎のセンスに脱帽・・・

    またここでは、タッチパネル上で一筆書きの絵を描いたり、北斎の作品から富士山を探し当てたりとミニゲームを楽しむこともでき、思わず時間を忘れて夢中になってしまいます。

    富士山みっけ!

    富士山みっけ!

    北斎がつくった小紋柄で着物と帯をスタイリング!

    北斎がつくった小紋柄で着物と帯をスタイリング!

  • 現代に蘇った晩年の超大作は必見

    常設展示室の入口の向かいに掛けられたこの絵は、北斎が86歳のときに描いた「須佐之男命厄神退治之図(すさのおのみことやくじんたいじのず)」。
    縦1.2m、横2.8mもある超大作ですが、実物は関東大震災で焼けてしまい、白黒写真しか残されていない幻の名作でした。しかしこの度、墨田区の復元プロジェクトにより最新技術を使って当時の色彩と状態を見事に推定復元!

    疫病神たちの着物の色や肌の質感までが生々しく浮かび上がり、今にも動き出しそう

    疫病神たちの着物の色や肌の質感までが生々しく浮かび上がり、今にも動き出しそう

    こちらは北斎が晩年娘と暮らしていたアトリエの様子を、弟子が残した絵をもとに再現した模型。北斎は炬燵に半分入りながら熱心に絵を描き、娘は傍らで見守っています。ゴミが散乱する部屋で無我夢中で絵を描く北斎。あまりにもリアルでちょっと怖いほど。晩年になっても北斎の創作意欲は増し続けたことが伝わりますね。

    この模型・・・じっくり見てると・・・(実際見てからのお楽しみ!)

    この模型・・・じっくり見てると・・・(実際見てからのお楽しみ!)

  • 北斎作品の感動を持ち帰ろう!

    1階には文具や雑貨、お菓子など北斎の作品をモチーフにしたグッズショップが入っています。北斎の代名詞でもある富士山が描かれた缶やポストカードなどは特に人気。他にも墨田区オリジナルのお土産なども揃い、東京観光のお土産にもおすすめです。

    図版や関連雑誌も揃う

    図版や関連雑誌も揃う

    種類豊富なポストカード

    種類豊富なポストカード

    墨田区で生まれた「トーキョーサイダー」は北斎ラベル仕様に

    墨田区で生まれた「トーキョーサイダー」は北斎ラベル仕様に

    パ、パッケージに採用されてる!

    パ、パッケージに採用されてる!

  • 今なお受け継がれる北斎スピリット

    北斎のあくなき画行の追及を肌で感じることができる「すみだ北斎美術館」。生涯すみだと絵を愛し、無我夢中に絵の楽しさを伝え続けた北斎の心意気や生き方は、訪れた人の心に小さな変化をもたらしてくれるはず。ぜひあなたの知らなかった北斎に出会ってみませんか?

    冨嶽三十六景 凱風快晴

    冨嶽三十六景 凱風快晴所蔵:すみだ北斎美術館

    すみだ北斎美術館
    住所
    東京都墨田区亀沢2-7-2
    電話番号
    0357778600
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