すみだ北斎美術館

美術館

墨田区の偉大な浮世絵師・葛飾北斎の作品とその生涯を紹介

生涯に数多くの作品を発表し、西洋の芸術家にも大きな影響を与えた浮世絵師・葛飾北斎。生まれ住んだ墨田区にあるすみだ北斎美術館では、絵に取りつかれた天才の作品を多数収蔵し、その魅力を発信している。

建築家の妹島(せじま)和世が設計した斬新なデザインの建物。スリットが入っており四方からアクセスできる 建築家の妹島(せじま)和世が設計した斬新なデザインの建物。スリットが入っており四方からアクセスできる

北斎ゆかりの地に建つ美術館

都営地下鉄大江戸線の両国駅から東へ延びる、「北斎通り」と名づけられた長さ約1kmの道。街路灯や公衆トイレなどに北斎の作品が多数掲示され、鑑賞しながら歩けることから「北斎ギャラリー」とも呼ばれる。葛飾北斎は1760年(宝暦10)にこの地に生まれ、88年に 及ぶ生涯のほとんどを現在の墨田区内で過ごしながら、優れた作品を数多く残した。その功績を広く伝えるため、2016年(平成28)に墨田区が北斎通りに開館したのが「すみだ北斎美術館」だ。

再現された「北斎のアトリエ」。娘の阿栄(おえい)に見守られながら数え年84歳頃の北斎が絵を描いている 再現された「北斎のアトリエ」。娘の阿栄(おえい)に見守られながら数え年84歳頃の北斎が絵を描いている

北斎の画号の変遷と常設展

4階のAURORA(常設展示室)は、全部で7つのエリアで構成される。北斎は70年間に及ぶ創作活動において30以上の画号を用い、画号が変わるごとに作風も変わった。そのため「1.すみだと北斎」に続くエリアは、北斎が使用したおもな画号ごとに6つに分けられている。この6つのエリアでは各期の代表作に当時のエピソードが添えられ、北斎の生涯についてたどることができる。

「1.すみだと北斎」エリアでは、関東大震災で焼失した牛嶋神社の大絵馬の推定復元図を展示。残っていれば北斎晩年の最大級の作品 「1.すみだと北斎」エリアでは、関東大震災で焼失した牛嶋神社の大絵馬の推定復元図を展示。残っていれば北斎晩年の最大級の作品

浮世絵は空気や光により劣化しやすいため、常設展では実物大の高精細レプリカが展示されている。2-3か月ごとにテーマに合わせて展示を替える企画展では、所蔵コレクションなど実物の浮世絵を鑑賞可能だ。

独自のスタイルを確立した前半生

常設展のエリアを年代順に紹介しよう。まずは「2.習作の時代」。数え年19歳で勝川春章(かつかわしゅんしょう)に入門し、勝川春朗(しゅんろう)を名乗った時代で、絵柄は多分に春章の影響を受けている。デビュー作のひとつといわれる『四代目岩井半四郎 かしく』は、初々しいタッチがほほえましい。

市村座で上演された歌舞伎の役者を描いた『四代目岩井半四郎 かしく』(すみだ北斎美術館蔵、写真は実物大高精細レプリカ) 市村座で上演された歌舞伎の役者を描いた『四代目岩井半四郎 かしく』(すみだ北斎美術館蔵、写真は実物大高精細レプリカ)

「3.宗理様式の時代」は勝川派を去り、宗理(そうり)の画号を用いた時期。宗理は俵屋宗達らが開き、江戸で受け継がれた琳派(りんぱ)の画号だが、北斎はそれまでの琳派と異なる独自の様式を完成させた。続く「4.読本(よみほん)挿絵の時代」は、琳派からも独立した北斎が、現代の小説にあたる読本の挿絵を精力的に制作した時期。墨一色で描かれた挿絵は、墨の濃淡を効果的に使った迫力ある描写が特徴だ。

宗理(そうり)を名乗った頃の作品『巳待(みまち)』。女性をほっそりした顔立ちに描いている(すみだ北斎美術館蔵、写真は実物大高精細レプリカ) 宗理(そうり)を名乗った頃の作品『巳待(みまち)』。女性をほっそりした顔立ちに描いている(すみだ北斎美術館蔵、写真は実物大高精細レプリカ)

円熟期を迎えた晩年の北斎

「5.絵手本(えでほん)の時代」には多くの門人を抱え、手本となる作品の制作に情熱を注いだ。「ホクサイ・スケッチ」の名で世界的に有名な『北斎漫画』もこの時期に刊行が始まっている。

絵手本を集めた『北斎漫画』には、人間や動物などがコミカルに描かれている(すみだ北斎美術館蔵、写真は実物大高精細レプリカ) 絵手本を集めた『北斎漫画』には、人間や動物などがコミカルに描かれている(すみだ北斎美術館蔵、写真は実物大高精細レプリカ)

「6.錦絵の時代」は円熟期。70代に入った北斎は、代表作『冨嶽三十六景』などの風景版画や花鳥画など、現在もよく知られる錦絵の名作を多数制作した。そして最晩年の「7.肉筆画の時代」。北斎は版画より絵の具で描く肉筆画に傾倒し、数え年90歳で亡くなるまで作品を生み出し続けた。この時期の画号は「画狂老人卍」。「あと5年生き永らえたなら、本物の画工になりえただろう」という最期の言葉に、絵に賭けてきたすさまじいまでの情熱がうかがえる。

1階のミュージアムショップでは、美術館オリジナルの北斎グッズも販売している 1階のミュージアムショップでは、美術館オリジナルの北斎グッズも販売している

スポット詳細

住所
東京都墨田区亀沢2-7-2
電話番号
0366588936
時間
9:30-17:30(入館は閉館の30分前まで)
休業日
月(月が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12/29-1/1)
※上記以外にも臨時休館する場合あり
料金
【観覧料】
[AURORA(常設展示室)]一般400円、高校生・大学生・65歳以上300円
※企画展は展覧会ごとに異なります
駐車場
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 思っているほど充実はしていなかった
    3.0 投稿日:2021.09.29
    思っていたより近代的な建物でした。公園の横に建っていて、公園には北斎生誕の地という看板があります。誕生月なら入館料が割引になります。館内はめちゃくちゃ展示品が充実しているというわけではありませんが、北斎に興味がある人なら楽しめると思います。タッチパネルで遊べるコーナーもあったので子どもで飽きないような工夫はされています。展示品は多くないので期待して行かない方がいいと思います。
  • 1度、訪れれば満足かな
    3.0 投稿日:2021.08.28
    常設展のみだと物足りなさを感じるかも。ゆっくり見ても30分もあれば十分な内容。尚且つ常設展の作品はレプリカな為、作品を見るというよりか、北斎がどんな人だったかをザックリ知る為の施設といった感じ。私は企画展とセットで鑑賞したが、企画展の展示室もさほど広さはない。企画展と常設展のセット料金が1200円だったが、展示内容からだと少し高いなと思った。
  • 斬新なアルミパネルの外観を持つ美術館
    4.0 投稿日:2021.04.01
    すみだ北斎美術館は、JR両国駅から東へ数百メートルの線路沿いにありました。美術館の北側には緑町公園という公園があって、そこには、葛飾北斎生誕の地と書かれた立て札も立っていました。 美術館は、アルミパネルの外観の斬新な建物です。ちょっとわかりにくい入り口から館内に入りました。館内はあまり混んでいなかったので、あの有名な、神奈川沖浪裏などの作品を、間近で、じっくりと鑑賞できました。

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