人生で一度は泊まりたい、憧れのクラシカルホテル「富士屋ホテル」。お正月に開催される箱根駅伝の中継ポイントとしてご存じの方も多いのではないでしょうか?
2018年から創業以来初といっていいほど本格的な大改修を行い、2020年7月にグランドオープンを果たし話題となっています。今回は歴史を重ねた趣はそのままに、新設された施設とともに新しく生まれ変わった”新生”「富士屋ホテル」の見どころを厳選してご紹介します。
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登録有形文化財「富士屋ホテル」とは?
1878年(明治11年)に創業してから140年余りの歴史を持つ「富士屋ホテル」。箱根・宮ノ下で日本最初の本格的なリゾートホテルとして開業して以来、クラシックホテルの代表格として、夏目漱石やジョン・レノンら国内外のVIPが数多く宿泊した由緒ある名ホテルです。
富士屋ホテル全体像
「富士屋ホテル」は、登録有形文化財に指定されている「本館」、「花御殿」、「西洋館」、「食堂棟」、宮ノ下旧御用邸の別館「菊華荘(きっかそう)」の5棟のほか、高台に立つ「フォレスト・ウィング」や、今回の改修で新築された「カスケード・ウィング」、ホームメイドベーカリーを販売する「ベーカリー&スイーツ ピコット」の全8施設で構成されています。
富士屋ホテル「本館」
富士屋ホテル「本館」
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【花御殿】幻の設計図も公開「ホテル・ミュージアム」
富士屋ホテルのシンボルともいえる「花御殿」の地下1階には、ホテル誕生から現在までの貴重な史料を集めた「HOTEL MUSEUM(ホテル・ミュージアム)」があります。
改修前の「富士屋ホテル史料展示室」を大幅に広げリニューアル。実現しなかった「幻の建築計画図」や食堂棟の天井画の原画なども新たに仲間入りしています。宿泊者以外も無料で見学することができますよ。
【営業時間】7:00~21:00ホテル・ミュージアム
ホテル・ミュージアム
チャップリンやヘレンケラーなど、世界のVIPが宿泊した当時の写真から、大火・震災・戦渦と様々な試練を乗り越えた「富士屋ホテル」の歴史がぎっしり詰まっています。
ホテル・ミュージアム
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【食堂棟】繊細な天井画に注目「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」
1930年(昭和5年)に皇室御用達建築家・木子孝三郎が手掛けた「食堂棟」では、1階のメインダイニングルームである「ザ・フジヤ」に注目。
長年多くのゲストに親しまれてきたレストランの”折り上げ格天井”は、天井高6メートルと開放感があり、636種もの高山植物が描かれています。
専門家が1枚1枚修復したという繊細な天井画は中央部の2枚のみを以前のままに、欄干や柱も見事な彫刻が施されています。中でも、3代目社長の山口正造氏を模した彫刻がとてもユニークなので、訪れた際には是非探してみてください。メインダイニングルーム・ザ・フジヤ
2枚だけ当時の天井画をそのまま利用しています
メインダイニングルーム・ザ・フジヤ
「食堂棟」地下1階にはお土産ショップも新設されています。
こちらでは長年食通を虜にしてきた伝説のビーフカレーがレトルトで登場。今上天皇が皇太子の時に召し上がったこともある、「富士屋ホテル」自慢の味はお土産に大人気です。
【ショップ営業時間】8:00~20:00 -
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【客室】ジョン・レノンら数々の著名人が宿泊した客室も
富士屋ホテルには「本館」、「西洋館」、「花御殿」、「フォレスト・ウイング」の計4つの宿泊棟があります。今回の改修では、源泉かけ流しの客室の水回りをより利用しやすく綺麗に、「フォレスト・ウイング」には宿泊者専用ラウンジ、最上階にはスパが新設されました。ここには日本初の源泉かけ流しの温泉プールも完備されています。
花御殿「ヘルテージルーム菊」
千鳥破風の大屋根、校倉造りを模した壁が特徴的な「花御殿」は、フラワーパレスの愛称で知られる人気の宿泊棟です。40室の客室すべてに花の名前が付けられており、客室のドア、カギなど、細部に花のモチーフが使用されています。
ジョン・レノンや三島由紀夫が宿泊した花御殿の「ヘルテージルーム菊」は、ルームチャージ料18万円(税別・定員2名)。特別な記念日に宿泊したい憧れのお部屋ですね。
ちょっとお値段が‥という方も安心してください。手が届きやすい価格のお部屋もたくさんあります。気になる方は宿泊プランをチェックしてみてくださいね。
▶富士屋ホテル公式HP・客室プラン以前使われていたという花御殿の大きなルームキー(通称:花鍵)
菊模様の木箱には、宿泊の思い出になる菊のポストカードや便せんが入っています
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【菊華荘】歴史的空間の中で箱根らしさ満点のランチを
「富士屋ホテル」の国道1号線を隔てた場所にある別館、旧御用邸「菊華荘」。1895年(明治28年)に皇室の御用邸として建てられ、終戦後に富士屋ホテルに下賜されました。
ここでは由緒ある純日本建築の建物と名園の歴史感じる雰囲気の中で、本格日本料理を頂くことができます。敷地の中には、純日本風の落ち着いた佇まいの建物と回遊式庭園が現存。中でも建設当時から手直しをせずに維持されてきた「御座所」は、実際に昭和天皇が勉強や執務に使用された非常に貴重な空間です。昭和天皇も使用された御座所で食事をいただけます
鯉が優雅に泳ぐ池には赤い橋が架かり、記念撮影にもおすすめのスポット
メニューは日替わりで提供される和朝食(4,235円)やランチ(9,680円~)、予約制のディナー(18,150円~)をご用意。
箱根の伝統工芸「寄木細工」に見立てた器の中にさまざまな食材を配し、お造りや焼物、煮物などの美味を少しずつ取り揃えた小会席は箱根らしさを演出した菊華荘オリジナルメニューとして人気です。
古き良き日本を感じさせる空間の中で、ゆったりと食事を楽しみましょう。ランチで頂ける「季節のお弁当(9,680円)」
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【ベーカリー&スイーツ ピコット】売切御免!人気の直営ベーカリー
「富士屋ホテル」の敷地内、国道一号線沿いにある「ベーカリー&スイーツPICOT(ピコット)」は、人気の焼き立てパンをゲットしようと、朝から多くの観光客が足を運ぶホテル直営のベーカリーです。
リンゴの形をモチーフにした、ぷっくりと可愛い見た目の「りんごパン(259円)」、紙の袋に包まれた「クラシックカレーパン(324円)」はどちらも夕方には売り切れの可能性が高い人気商品。そのほか期間限定商品など、種類豊富なパンが並びます。
【営業時間】10:00~18:00(冬季 営業時間変更あり)ベーカリー&スイーツ ピコット
庭園を散策しながら
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策
「富士屋ホテル」では新型コロナウイルス感染症の予防対策ガイドラインを策定し、対策・予防の取り組みを行っています。
受付では体温を自動測定するサーモグラフィーを導入し、エレベーター前やレストラン入口、客室など複数箇所にアルコール消毒を設置。レストランやラウンジでは可能な範囲でお客様同士の距離を確保した席の配置を行っています。
そのほかの感染予防対策については下記よりご確認ください。
▶新型コロナウイルス感染症予防対策について新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策
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「富士屋ホテル」までのアクセス・所要時間は?
富士屋ホテル
●アクセス
箱根登山鉄道 宮ノ下駅から徒歩7分
【電車で行く場合 / 新宿方面(約117分)】
1)新宿駅から小田急ロマンスカーで箱根湯本駅 (85分)
2)箱根湯本駅から箱根登山鉄道で宮ノ下駅 (25分)
3)宮ノ下駅から徒歩7分
【タクシーで行く場合】
小田原駅から約30分(約5,000円)
箱根湯本駅から約15分(約2,500円)
※上記の所要時間・金額は、平常時の目安となります。
▼宮ノ下周辺の観光スポットはこちら
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