創業100年を越す老舗から、利益を度外視したおもてなしの立ち飲み屋まで、舌と心が満足できる名店を3つ紹介します。今の時代に薄れゆく文化や人情が残る、大阪の魅力がギュッと詰まった店ばかりです。
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01
創業明治35年!作家も愛した道頓堀「かやく御飯 大黒」の名物を。
道頓堀の町の中に佇む「かやく御飯 大黒」。美食家として知られた作家、池波正太郎氏も愛したお店で、今も歌舞伎役者や俳優さんなど多くの著名人をも魅了する、かやくご飯の名店です。
道頓堀の街中に佇む「かやく御飯 大黒」
店内には、大黒さんが鎮座。大きなテーブルを囲んでいただきます。
大阪で “かやく”と呼ばれるのが、炊き込みご飯に入れる具材。「大黒」では繊細に刻んだこんにゃくとゴボウ、そして薄揚げを関西のだしで炊き上げます。利尻昆布と吟味したかつお節で丁寧にとっただしが味の決め手。もっちりとしてふくよかにだしが香る、浪速名物のかやくご飯です。
名物の「かやく御飯 中」(450円 税別)、上質な味噌を使った「白みそ 豆腐」(300円 税別)、やさしい甘さの「南瓜煮付」(400円 税別)
そんな老舗に、このところ若いお客さんが増えつつあると教えてくれたのは女将さん。旅行誌を片手に訪れる若者客には、この店の懐古的な雰囲気がかえって新鮮に映るようです。一方、昔から変わらぬ和食メニューに「ここのご飯を食べてたら病気にならへん!」と、快活に話してくれたのは常連さん達。そんな和気あいあいとした雰囲気の中心に女将さんがいるからこそ、かやくご飯がいっそうおいしく感じるのかもしれませんね。
老若男女に愛されるこの老舗。のれんを守る店主と女将さん、そしてテンポのよい常連さんとのやりとりは、まさに大阪ならでは!浪速の情緒と食の文化をともに満喫できる、ぜひ訪れたい名店です。持ち帰りも可。包み紙も味わいがあります。「かやく御飯」(500円 税別)※持ち帰り分は要予約
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02
大阪で“きんつば”と言えば「出入橋きんつば屋」。甘味処でできたてスイーツも
大阪文化が多く生まれた町・堂島にあるのが「出入橋きんつば屋」です。2代目女将が店に立ち、3代目の店主がきんつばを焼く昭和6年創業の老舗です。「小豆の仕入れは創業以来、変わらず同じ材料屋から。店番の人も、20年選手がふたりいるの」と女将さん。ご縁も大切にする名店なのです。
落ち着いた佇まいです。
きんつばの餡は小豆と砂糖、塩のみで、機械を使わず大釜で炊き上げます。「皮の材料はメリケン粉のみ」と女将さん。保存料などを使わない無添加なので当日中にいただく必要がありますが、やさしい甘さともっちりした皮のおいしさがクセになり、ペロリと食べられます。
北海道の小豆で作るきんつばの価格は30年以上変わっていないのだとか。大きさは小ぶりになったものの、「甘いものを少しだけ食べたい」という声も少なくない健康志向のこの時代、かえってこれが喜ばれることもあるんだとか。店内で食べるきんつばはひと皿に3つのっています。甘味処では、できたてを味わえます。手焼きの不ぞろい感もまた味わい。「きんつば」(300円 税込)、「あべ川餅」(500円 税込)※あべ川餅は夏季以外のメニュー。
お土産は竹の薄板に包んで。1個100円(税込)。大釜で炊き上げる餡には艶があります。
お客さんの来店時には必ず店の奥から出てきて応対してくれる、小柄で銀髪の女将さん。相手を包み込むような笑顔の女将さんとのやりとりを楽しみに訪れる常連客もいるそうです。心なごむ看板女将とのやりとりも相まって、心身ともに健康になれそうな、大阪情緒あふれる老舗和菓子店ですよ。
ほっとできる和風造りの店内。
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03
立ち飲み屋の名店「わすれな草」は、行列を覚悟しても訪れたいお店
大阪の立ち飲み屋と言えば「わすれな草」。肥後橋駅のそばにある、言わずと知れた名店です。
先代から受け継いだこのお店。木の看板に、時代を感じます。
このお店の人気メニュー「黒毛和牛のローストビーフユッケ風」はいい塩梅に“さし”が入った霜降りモモ肉の表面を、軽くローストした一品。まさにユッケのようなレア感で肉の旨味を十分に味わえる、と多くの人を魅了しています。なんとこちらは480円、利益度外視で提供しているんだとか!
霜降りモモ肉の「ローストビーフユッケ風」(480円 税別)は絶品!
「チキンカレーリゾット」は十種類のスパイスをブレンドして作られ、マイルドな中にスパイス感を感じます。トッピングしているふわふわの卵はオムレツのように見えますが、実は「だし巻き。かつおと昆布でだしをとった本格的な一品で、単品でもオーダーできます。さらに、純米吟醸「琵琶のさざ浪」やビールなどアルコールの通年メニューはどれも390円と、のんべえには嬉しい価格帯です。
「チキンカレーリゾット」(480円 税別)、と「だし巻き」(280円 税別)
料亭や割烹で修行を積んだ店主の目と腕の確かさでファンは増え、平日でも開店前に列ができていることも少なくありません。店内は禁煙で、料理のおいしさだけでなく店主の誠実で穏やかな人柄も相まって評判を呼び、女性客も増えています。電車を乗り継ぎ、毎週訪れる食通の常連客も。
皆のよりどころ的存在のわすれな草。おいしいものを食べて飲み、店主の心ある笑顔に心身の疲れをリセットできる、元気の源のような名店です。いつも笑顔の店主。店内には和やかな空気が漂っています
- わすれな草
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- 大阪府大阪市西区江戸堀1-14-1
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- 06-6445-7557
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