日本はもちろん、世界中から人が集まる人気観光地・奈良。ですがよくいわれるのが、飲食店の閉店が早いということです。仕事で遅くなったり、夕食後にもう1杯と思っても、すでにお店は閉まっている…そんな奈良でも、バー感覚で遅くまで楽しめるレストランがあるんです。食事もお酒も充実した、おすすめのレストランをご紹介します。
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洋食とシェフ厳選ワインがリーズナブルに楽しめる「キッチンあるるかん」
近鉄奈良駅を出てもちいどのセンター街を歩くと、左手に山小屋を思わせるお店が目に飛び込んできます。ここが、これぞ本物の洋食と人気の「キッチンあるるかん」です。お店を切り盛りするのは、オーナーシェフの中尾好一さんと2代目の智一さん親子。
料理は、コースの他、ステーキやハンバーグなどの肉料理を中心に、魚介のフライ、ムニエル、シチュー、カレーと、洋食の王道メニューが多彩にそろいます。食材に関しては冷凍ものなどは使わず、料理の基本となるブイヨンをはじめ、全てが手作り。オープン以来16年以上、長きにわたり貫いてきたこの姿勢が、地元ファンだけでなく観光客にも支持される大きな理由なのです。200gの牛サーロインステーキは、主にアンガス牛を使用。2,200円(税抜)
ボリュームあるメニューがそろうランチタイムが終わり、夕方5時からがディナータイム。日が暮れると、静寂さが漂うもちいどのセンター街の中でここだけポッと灯りがともったよう。お店をのぞくと、オードブルにワイングラスを傾けるカップルや常連さん、そしてカウンター席で大きなステーキを頬張る男性客に混じり、観光客とおぼしき女性グループの姿も。今日も山小屋風の店内は、ほのぼのとした雰囲気で満ちています。
日替わりのオードブル盛合せ。2,000円~(税抜)。 / ヒラメのカルパッチョ、生ハムなど
本日の魚料理はヒラメ・ホタテ貝柱・エビのソテー、バターソース。2,000円(税抜)
山小屋風の店内には、ゆったりとしたテーブルとカウンター席があります
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大阪の人気フレンチ店が、夜はアラカルト主体のビストロに「ラ・フォルム ド エテルニテ」
「トゥールダルジャン」などパリの名店で腕を磨き、大阪・靭公園の「エテルニテ」で洗練されたフレンチを展開してきたオーナーシェフの永野良太さん。独立10年目に際して、マダムの靖枝さんと二人の故郷である奈良に帰り、新たに開いたフレンチがここ「la forme d'eternite(ラ・フォルム ド エテルニテ)」。
「みんなでワイワイ、食事とワインを楽しめるお店」をコンセプトに、ランチタイムは予約制のコースでゆったりと、夜は一転してアラカルトのみを提供するビストロへに。「コース料理にとらわれることなく、ワインを楽しめるフレンチが奈良にあってもよいのでは。気軽なビストロの愉しさを知ってもらいたい」と永野シェフは言います。福鴨の鴨もも肉のコンフィ。2,900円(税抜) / カリッと香ばしい皮とジューシーなもも肉がワインに合います
ディナータイムのメニューは、奈良県とその近辺の食材を駆使してつくるフランス郷土料理。煮込み料理やテリーヌ、コンフィなど、豪快さと繊細さ、そして鮮やかさをあわせもつ料理は、どれも懐かしさを感じさせるものばかり。シェフの確かな腕が光る一皿とマダムおすすめのワインで、奈良の夜を過ごしましょう。
人気メニューのパテ・アンクルート。2,450円(税抜) / 小鳩・ホロホロ鳥・フォアグラ・ウサギの背肉などを詰めたパテ
アルザス地方の郷土料理シュークルート。1,700円(税抜) / フランス産発酵キャベツ・ジャガイモなどを煮込んだビストロの味
注目のエリア、きたまちは花芝商店街でもひときわ目を引くおしゃれな存在
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更新日:2024/05/01
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旬の素材を用いた天ぷらとワインのマリアージュ「天ぷら 旬亭」
L字型カウンターの中に立つのは、店主の東平崇宏さん。京都の有名料亭で料理人としての修業を重ね、25歳という若さで独立。現在地に「旬亭」をオープンして以来、30年以上にわたり“天ぷら一筋”を貫き通しています。
マスターの愛称で親しまれる東平さんの天ぷらを揚げる所作は、なんとも自然体。カウンターの中から隅々まで気を配り、一人ひとりの食べるタイミングを見計らって天ぷらを供し、必要に応じて言葉を交わす。そうしているうち店内には不思議な一体感が生まれ、あちこちから楽し気な笑い声が。ここは紛れもなく、東平さんが織り成す小宇宙なのです。活きクルマエビは、頭も一緒に天ぷらに。絶妙な火入れがエビ本来の旨味を引き出します
メニューは、おまかせコース(5,300円・税抜、天ぷら14~15品と締めの天茶あるいは天丼)のみ。エビなどの定番に、自家製葛豆腐やきすの昆布締め、フォアグラなどのオリジナルの創作ものが組み込まれます。
全国から厳選して仕入れる旬の食材も楽しみの一つ。魚介ではハモやあゆ、野菜では山菜やゴボウ、かぼちゃの花など、どれもみずみずしい季節感が際立ちます。みずみずしさがダイレクトに伝わってくるアスパラガス。きすは昆布締めにして大葉を挟んで揚げています
綿実油を幾度も換える丁寧な仕事に裏付けされた天ぷらは、いくら食べてももたれないサクッと軽い仕上がり。その天ぷらを味わいながらワインや日本酒の杯を重ねるうちに、奈良の夜は心地よく過ぎていきます。
甘さ際立つ奈良名産の柿、間引きした五條の玉ねぎは根の香ばしさが秀逸。ワインは赤白とも天ぷらに合うものが揃っています
棚の中のアンティークなグラス、古い柱時計や蓄音機が落ち着いた雰囲気を醸しだしています
周辺の予約制駐車場
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厳選された国産ワインを美味しい料理とともに「アレ!! ル トレッフル」
奈良で初めての国産ワインを揃えたワインバー「Allez!! Le Trefle(アレ!! ル トレッフル)」。オーナーは、関西の有名フレンチでキャリアを重ねたベテランソムリエの尾持由洋さん。そんな尾持さんを虜にしたのが、とある熊本のワイナリーが醸造した白ワイン。
その味に大きな衝撃を受けたことがきっかけで、時間を見つけては国内のワイナリーを訪ね歩いたといいます。そこで、多くの国内ワイナリーは少量生産のため、美味しいワインにもかかわらず世に出ることが少ないという事実を知ることに…。こうして思い立ったのが、国産ワインを取り揃えたバーをオープンすることでした。棚には50種類ほどの国産ワインのボトルが並ぶ
店内に設置された壁の棚には、北海道から九州まで、尾持さんが厳選した50種類・200本ほどの国産ワインが並びます。どのワインもとても豊潤で、日本人の舌に合いますよ。こんなにも国産ワインが美味しかったなんて!グラスを傾けるたびに、そんな感動に包まれます。
木のぬくもりを感じる外観
お店の場所は、町家を改装したカフェやギャラリーが点在した、奈良の新しいおしゃれエリアとして人気上昇中のきたまちの一画。繁華街から少し離れた静かな環境の中で、日本ワインとそれに合う料理を楽しみながら、更けていく古都の夜に浸ってみるのも一興です。
ワインに合う、おまかせ前菜の盛合せ。1,000円
単品オードブルの季節野菜のキッシュ。500円~
周辺の予約制駐車場
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ワインバーとリストランテの融合。その日の気分でワインと料理を「ならまちnakamuraya(ならまち ナカムラヤ)」
世界遺産である元興寺の門前町・ならまちは、江戸時代の面影を残す街並みと、古い町家を再生したおしゃれなお店が点在する人気の観光地。そんなならまちの一画に、美しくリニューアルされた一軒の町家があります。
美しくリニューアルされた町家を店舗として再生
このお店こそ、奈良郊外の富雄から移転しオープンした人気イタリアン「ならまちnakamuraya」です。オーナーシェフは、ジェノバなどでクラシックなイタリア料理の修行を積んだ中村耕平さん。外国人も含めたくさんの観光客が訪れるならまちで「地元の方から観光客まで、幅広いお客様が楽しめるお店にしたい」と、ワインバーとリストランテという2つのスタイルを併せたお店にしたそうです。
入り口近くがワインバー&カフェ、奥がリストランテです
中村シェフの料理は、幾層にもおいしさを重ねたイタリアのクラシックな郷土料理。奈良とその近郊で採れたジビエや野菜などの食材を用いて、素材とソースの彩りが美しい洗練された一皿を演出します。
フォアグラと仔猪のテリーヌ。6,900円のコース~
大和肉鶏のインボルティーニ。6,900円のコース~
そして、ワインの品揃えにもこだわっています。バールでは気軽にグラスでワインを味わい、リストランテではイタリア料理と一緒に味わうという楽しみ方ができます。気に入ったワインがあれば、2階のワインショップで購入することもできます。
ご予約はこちらから
更新日:2024/05/01
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ワインとともに味わう、さりげなく和を感じるイタリアン「バンケッティ」
近鉄奈良駅のとなり、JR奈良駅から徒歩圏内の新大宮駅近くにあるイタリア料理店「BANCHETTI(バンケッティ)」。オーナーシェフでソムリエの資格をもつ森田篤史さんは、奈良県内のイタリアンで20年におよぶキャリアを重ねた料理人です。
新大宮駅のすぐ近く。ワイン樽の置物がおしゃれな外観
クラシックなイタリア料理の技量と確かなワインの知識を持つ森田さんですが、自分のお店を開くにあたり「日本ならではのイタリアン」をコンセプトに掲げました。食材の持ち味そのものを大切にするという和食の精神を、イタリア料理に取り入れたのです。
カウンター席でワインとチーズという楽しみ方もできます
それだけに食材には厳しい目を向けています。魚介は信用できる仲買人から届くものを使用、野菜は奈良県産を中心に、全国から旬の季節においしいと思うものを取り寄せます。使用する器も、信楽焼などの和の土鍋や陶器を使っています。そのうえで、イタリア料理のエッセンスをちりばめた料理に仕上げているのです。
お造り感覚でいただく鮮魚のカルパッチョ。1,260円
信楽焼の土鍋で提供するアクアパッツァ。3,240円
このお店の魅力は、森田さんがソムリエとなって数々のワインの中から料理に合うものをペアリングしてくれること。夜が更けたら、グラスワインとチーズ等でバーのような利用も歓迎というので、うれしいですね。