「東福寺」は嘉禎2年(1236年)、摂政の九條道家が九條家の氏寺とするために建立しました。京都五山のひとつに数えられ、京都屈指の紅葉の名所として知られます。さらに昭和の作庭家・重森美玲が手がけた庭園も必見。京都駅から一駅というアクセスのよさも魅力の「東福寺」をご紹介します。
-
01
日本最古の建築「三門」
足利尊氏と赤松円心が六波羅探題を攻め落とした際の矢庇のあとが残されているという六波羅門をくぐると、右手に思遠池が見えてきます。さらに北に進んでいくと、国宝である三門(三解脱門)があります。
三門には、大仏様・禅宗様・和様という異なる建築様式が採り入れられています。軒下、柱と礎石の間、垂木を注意深く見てみると、それぞれの建築の特徴が表れているんだとか。これが見極められたら、「東福寺」上級者と言えるかもしれませんね。
-
02
通天橋から眺める紅葉パノラマ
東福寺の渓谷にかけられた、偃月橋・通天橋・臥雲橋は「東福寺三名橋」と呼ばれています。
中でも本堂から開山堂に至る渓谷「洗玉澗」に架けられた橋廊である通天橋からの眺めは圧巻。黄金色に輝くその風景は、洛陽の奇観とも称されます。新緑の時期にも美しい緑が映える日本屈指の渓谷美をぜひその目でご覧ください! -
03
一見の価値あり! 独特の様相「開山堂」
通天橋を渡った先にあるのは、別名「常楽庵」と呼ばれる重要文化財「開山堂」です。
「伝衣閣(でんねかく)」と呼ばれる上層は、金閣、銀閣、飛雲閣、呑湖閣と並ぶ「京の五閣」のひとつで、中央に阿弥陀、右に薬師、左に布袋像を祀っています。この布袋像は、伏見人形(最古の郷土玩具)のルーツとなったものなんだとか。 -
04
重森美玲による現代の名庭
作庭家・重森美玲が手掛け、国の指定名勝に登録された4つの本坊庭園「八相の庭」も見どころ。禅の教えを取り入れた無駄のない設計で、円柱、白川砂、苔、背後の二重生垣のみによって「北斗七星」を表現した「東庭」や、白砂で海を表現した「南庭」など他に類を見ないものばかり。
周辺の予約制駐車場