飲んだり食べたり遊んだり! 競馬場の歩き方 第13回 浦和競馬場はせんべろ天国? 埼玉名物大渋滞でグルメ迷子に!


2019.12.19

マイナビニュース

ダート競馬の祭典「JBC浦和」を開催中の浦和競馬場を訪れている今回。前編では里美食堂の「カレーライス」を堪能し、武豊騎手の記念すべき勝利を見届けた。屋外の売店をめぐった後編では、浦和競馬場が実は「せんべろ天国」であることを発見した。
○前日入りの猛者も! ファンの注目はやっぱり菜々子?
売店には優駿1号店、2号店、3号店、4号店という4軒の飲食店に加え、コエドビールや地酒を販売する県産品ショップやお酒とおつまみを提供する母子寡婦福祉会売店など、計6軒の店舗が並んでいる。辛味噌ダレでいただく東松山式の「やきとり」や「マグロカツ」などが味わえる浦和競馬場の売店は、まさにご当地グルメの宝庫といえる場所だ。
どれを食べようかと物色していると、不意に後ろから声をかけられた。振り返ると、そこには2人の男性の姿が。これはチャンスと思い交渉した結果、話を聞けることになった。本連載で初めて交流する一般の競馬ファンだ。
――お2人は普段から浦和競馬場に来ているんですか?
「いや、普段は中山競馬場に行っているから、浦和競馬場は初めて。今日は浦和競馬場でJBCが行われるから、昨日から遠征して来たんだよ」
――前日入りですか。それは気合が入っていますね! 目当てのレースは?
「それはもう、JBCスプリント。今年はメインのJBCクラシックよりも断然こっちだね。俺らも藤田菜々子がJpn1を勝つところを見に来たんだから」
――女性騎手初のJpn1制覇となるか、話題になっていますね。
「今日来ている人の中にも、そういう人は結構いると思うよ。勝つかな、いや、絶対に勝つよ」
他にもフォーメーションや三連単の話で盛り上がったのだが、ここでは割愛。2人と別れた後、いったんグルメを後回しにして、JBCスプリントのパドックへと向かった。
コパノキッキングは10月2日、東京シティ競馬(大井競馬場)の「東京盃競走」(Jpn2)を4馬身差で圧勝し、藤田菜々子騎手に初の重賞制覇をプレゼントした。今回のJBCスプリントでも当然、有力視されていた。また、馬主が風水でおなじみのDr.コパさんということもあり、何かと話題になる馬でもある。
パドックを周回するコパノキッキングは落ち着いた様子で、武豊騎手の地方交流G1完全制覇に続く偉業達成も現実味を帯びてきた。観客のボルテージも高まる一方だ。
大観衆が見守る中、スタートしたJBCスプリント。好ダッシュを見せたコパノキッキングは、先頭をうかがいながら外めを進出していき、3番手という絶好の位置につける。
残り600mを切ったあたりで先頭に並びかけたコパノキッキングは、4コーナーで先頭を奪うとそのまま最後の直線に入った。完全に抜け出し、「藤田菜々子のJpn1制覇は間違いない」とその場にいる全員が確信した時、後ろからものすごい脚でコパノキッキングに迫る1頭の姿が目に入った。東京盃競走で2着に敗れ、虎視眈眈とリベンジを狙っていた6番人気のブルドックボスだ。逃げるコパノキッキングをゴール目前でブルドックボスが捕捉し、クビ差かわしたところがゴールだった。
感嘆ともため息ともつかないどよめきが浦和競馬場を覆う中、「浦和ビクトリービジョン」にレース結果が映し出されると、再び場内がどよめいた。
残念ながら藤田菜々子騎手のJpn1初勝利はお預けとなったが、次の楽しみができたと思えば、駆けつけたファンたちの溜飲も下げるというものだ。
○東松山市名物のやきとりを実食
JBCスプリントを観戦した後は、再び売店に引き返した。そして、さんざん悩んだ結果、優駿4号で東松山式の「やきとり」と「ビール」をオーダーすることにした。
東松山式のやきとりといえば、何といっても最後に焼き鳥にかける辛味噌ダレだ。東松山市のやきとり屋では、白みそをベースに唐辛子やニンニク、ごま油、みりん、果物など、10種類以上のスパイスを独自のブレンドで配合し、こういった味噌ダレを作っているとのことだ。
スタンド側に移動し、さっそくその味を確かめてみる。ジューシーな「豚トロ」と「ぼん尻」に、ピリッとした辛味噌ダレが相まって……などといっている場合ではない。辛い。たまらずビールを流し込んだ。
とはいえ、辛さの中にはコクがあり、クセになるおいしさだ。お酒もどんどん進むし、酒好きにとっては最高のアテなのではないだろうか。
それにしても、辛味噌は皿の端に載せておき、つけながら食べるのが正解だったのかもしれない。東松山式の「やきとり」を食べるのはこれが初めてなのでよく分からないが、いずれ再チャレンジするとしよう。
最後に、この日のメインレース「JBCクラシック」についても触れておこう。
レースは先頭で直線を向いた1番人気のチュウワウィザードに2番人気オメガパフュームがラスト100mで並びかける。そこからゴールまでは人気馬2頭によるマッチレースが続き、そのままぴったりと馬体を合わせて入線。両雄の決着は写真判定に持ち込まれた。
男と男のプライドをかけた戦いは、感動すら覚える激闘だった。勝利を収めたチュウワウィザード、惜しくも敗れたオメガパフュームのいずれにも拍手を送りたい。
今回、浦和競馬場を訪れて分かったことは、規模でいえば決して大きいとはいえないものの、これまでに行ったどの競馬場よりもB級グルメの種類が多いということだ。紹介した料理のほかにも、「マグロカツ」(優駿2号)や「ジャンボチキンカツ」(優駿3号)、3号スタンド2階の「モツ煮」(コックピット)や同4階の「おでん」(辰巳屋)など、その多様さに目移りしてしまう。値段も良心的なメニューが多いので、酒好きなら一度、浦和競馬場を訪れて損はないだろう。
○著者情報:安藤康之(アンドウ・ヤスユキ)
フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。twitter:@andYSYK。 

浦和競馬場
place
埼玉県さいたま市南区大谷場1丁目8-42
phone
0488811551
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