池袋散策の魅惑は西口にあり! 芸術も文学も演劇も、甘いご褒美スイーツも


2018.04.01

マイナビニュース

●大正の名建築や防災体験も池袋の味わい
池袋は繁華街。いくつものデパートや大型電気ショップが並び、あたりを見れば、人・人・人。「ゆっくり、のんびり」などという言葉は到底当てはまるはずがない……。と、思いきや、意外や意外、西口で見つけたのは、似つかわしくないほどに文化的な池袋だ。「フウ」と一息つける空間もちらほら。そんな、「ちょっとのんびりしに」行ってみたくなる池袋散策を紹介しよう。
○池袋に行くなら西側だ!
池袋と言って、多くの人が思い浮かべるのは「サンシャインシティ側」ではないだろうか。つまりは、池袋駅の東側である。確かにイメージとしては間違っていないのだが、それだけで池袋は語れない。いや、池袋を散策地として考えるなら、西側こそ、訪れるべき場所と言えるだろう。
とはいえ、西側も駅前はビルが林立し、人通りが多く、雑多な雰囲気がある。しかしそこで、「やっぱり繁華街だ……」と引き返してはいけない。西口の魅力はもう少し奥の方に潜んでいるのだ。
西口には、駅前の「東京芸術劇場」を中心に、ぐるっと半円状に散策スポットが並んでいる。それぞれの距離はさほど離れていないため、気合を入れずとも楽しんで歩き回れるだろう。ただ、スポットごとにのんびりと時間を費やしてしまう可能性大。そんな時は、いくつかに絞って訪れてみるのも手だ。
駅前のホテルメトロポリタンの向かいには、見過ごしてしまうほど小さな公園があり、「池袋地名ゆかりの池」の碑が立っている。「その昔、この辺りにはたくさんの池があったために池袋という名になった」という、池袋の歴史を記念している。
○大正時代の名建築でのんびり
ひとつ目の、のんびりスポットは「自由学園明日館」。「こんなところに本当にあるの?」と思うような住宅街の路地を抜けて行く。ここは、大正10(1921)年に女学校として設立されたもので、当時の建築がそのままに残されている。設計したのは、帝国ホテルの建築家フランク・ロイド・ライト氏と、その弟子。幾何学模様の窓や木の椅子など、年月を経ても斬新でありながら、どこか懐かしいような温もりがある。
外観の見学は無料。「喫茶付き見学」(600円)や、夜間の「お酒付き見学」(1,000円)で、ゆっくりと過ごしてみてもいいだろう。桜の名所でもあるため、春にはライトアップされた夜桜も楽しめる。館内にはナチュラルテイストのグッズを扱う「JMショップ」があるほか、様々なワークショップも開催されている。
●information
自由学園明日館
東京都豊島区西池袋2-31-3
○夜はみんなで「消防庁に行こう」!!
テレビなどで誰もが一度は「災害体験」のシーンを見たことがあるだろう。装置で地震を発生させ、いかに避難するかを体験するものだ。東京消防庁「池袋防災館」では、地震体験や、火災時の煙体験、震災などで倒れた塀に挟まった人を助けるなど、災害時の訓練を無料で受けることができる。
筆者も地震体験を受けてみたが、これは意外と緊張する。実際に激しく揺れると結構怖い。現在の体験装置はハイテクで、取り囲まれた大型スクリーンには東日本大震災発生時の映像が流れている。とてもリアルに2011年を思い出した。
2018年4月からは、毎週金曜日に「夜の防災館」として、21時まで防災体験ツアーを開催している。震災は、夜中にも起こりうる。もしかしたらお酒を飲んでいる時に起こるかもしれない。仕事帰りに一杯……ではなく、みんなで防災訓練を受けてみてはいかがだろうか(通常の体験は予約なしでOK。夜の防災館は要電話予約)。
●information
池袋防災館
東京都豊島区西池袋2-37-8
防災訓練でひやりとした後は、甘いスイーツで温めよう。続いては、そんな心に寄り添うスイーツ&ほっこりパンを、そして、池袋西口の顔的存在なあの学校などを紹介したい。
●カレッジ・ゴシック建築や寄席を巡り最後はふくろうスイーツへ
○行列のできるシフォンケーキで気分もふんわり
池袋防災館から徒歩数分、西池袋公園付近にあるのが、行列の途切れないスイーツカフェ「ラ・ファミーユ」だ。ただし、店頭でスイーツのみを購入する場合は行列に並ばなくてOK。暖かい季節には、公園でのティータイムも楽しそうだ。
●information
ラ・ファミーユ
東京都豊島区西池袋3-4-6
○静かなカフェのほっこりパン
さらに少し進んで見つけたのが「CAFE TERVE!」。天然酵母パンのカフェだ。ベーグルやスコーン、あんぱんなど、店内にこぢんまりと並べられたパンは、いずれもこんがりとした焼き上がり。すべて欲しくなってしまうかわいさだ。そのほか、陶芸作家による温もりある食器や、布製品などの雑貨も販売している。
●information
CAFE TERVE!
東京都豊島区西池袋3-33-24
○赤レンガの大学で大正時代に思いを馳せる
「立教大学」は、明治7(1874)年にアメリカの宣教師によって設立された私塾がルーツとなっている。現在の池袋キャンパスは大正7(1918)年に建てられたもの。当時、アメリカで人気のあった「カレッジ・ゴシック様式」の建築だ。建造物は自由に見学ができるほか、在学生によるキャンパスツアーも開催している(要予約)。
●information
立教大学
東京都豊島区西池袋3-34-1
○寄席は和服がおトク
江戸時代の庶民の娯楽といえば「寄席」。落語や奇術、紙切りなど、伝統芸能を今も気軽に楽しめるのが「池袋演芸場」だ。毎月1日~20日の料金は、一般2,500円。浴衣や着物着用の場合は2,000円に割引される。和の芸能を楽しむのなら、装いも変えてみるのも面白いのではないだろうか。ちなみに21日からは一般2,000円。こちらは和装でも割引はないらしい。
●information
池袋演芸場
東京都豊島区西池袋1-23-1
○いけふくろうの手作り最中がかわいすぎる!
池袋演芸場近くにある「三原堂」は、昭和12(1937)年創業の和菓子の老舗。ここで注目したいのが、池袋銘菓として販売している「池ぶくろう最中」だ。テイクアウトとして購入するのもいいが、2階の甘味処で「手作り最中セット」(750円)にトライしてみてはいかがだろう。もしかしたら、福も挟み込めるかもしれない。
●information
三原堂
東京都豊島区西池袋1-20-4
三原堂まで来れば、もう池袋駅の目の前である。西口を大きくぐるりと一巡りした形だ。といっても、それぞれのスポットをじっくりと楽しながら街巡りをしていたら、おそらく1日では歩ききれないだろう。できることなら、何度か足を運んでみてもらいたい。その度に、池袋の新たな魅力に出会えるはずだ。
※価格は全て税込
○筆者プロフィール: 木口 マリ
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。 

read-more
東京消防庁池袋防災館
rating

4.5

66件の口コミ
place
東京都豊島区西池袋2-37-8
phone
0335906565
opening-hour
9:00-17:00(金は21:00まで)[体…
すべて表示arrow
自由学園明日館
rating

4.5

65件の口コミ
place
東京都豊島区西池袋2-31-3
phone
0339717535
opening-hour
10:00-16:00[第3金]10:00-16:0…
すべて表示arrow
池袋三原堂
place
東京都豊島区西池袋1-20-4
phone
0339712070
opening-hour
10:00-18:00
すべて表示arrow

この記事を含むまとめ記事はこちら