【2023年版】宿の中でアートを楽しめるホテル・旅館4選

旅先でも感性を磨きたい方にお勧めなのが、客室や施設内でアート作品を楽しめる宿。近年、ギャラリー併設の宿や、アーティストのプロデュースによる客室を持つ宿も増えてきました。今回は2021年以降に新規オープン・大規模リニューアルした注目のアートな宿をご紹介します。1．“海辺の建築作品”に宿泊できるアート・オーベルジュSimose Art Garden Villa (広島県／大竹市)「Simose Art Garden Villa」は、2023年４月に、広島・大竹市に開業したアート・オーベルジュ。全10棟のヴィラの設計を手掛けたのは、世界的建築家・坂茂氏です。坂茂建築の特徴は、自然との調和。例えば、すべての壁をなくした「壁のない家」は、三方が全面ガラス張りのヴィラで、周囲の景観に溶け込むような滞在が叶います。別荘をリメイクした「紙の家」は、再生紙の「紙管」を配したヴィラ。110本の紙管の間からこぼれる温かな光が、ベッドルームや浴室を彩ります。ヴィラエリアに隣接する下瀬美術館では、坂茂氏がデザインしたカラフルなキューブが特徴的な可動展示室を、ひとつのアートとして楽しめます。エミール・ガレらの西洋工芸をはじめ、マティスやシャガール、東山魁夷といった日本と西洋の近代絵画などのコレクションも豪華。入館チケットもオールインクルーシブなので、美術ファンも満足できることでしょう。 Simose Art Garden Villa 広島県／大竹市詳細情報はこちら 2．東西の美術品やインテリアに囲まれて過ごせる、1日3組限定の宿楽土庵 Rakudo_An (富山県／砺波市)田園風景が美しい富山県・砺波平野に佇む「楽土庵 Rakudo_An」は、2022年10月に開業した、1日3組限定のアートホテルです。吹き抜けのラウンジでチェックインを済ませた後は、砺波の伝統家屋「アズマダチ」を改修した宿泊棟へ。自然素材を用いた3つのお部屋には、民藝・東西の工芸・現代アート作品が設えられています。インテリアに興味がある方は、彫刻家・イサム・ノグチのペンダントライトなどに注目を。この他「特別室・土の部屋」で見られる造形作家・林友子氏のコミッションワークなど、客室の空間と調和するデザインの妙を味わえるでしょう。館内では、富山と縁の深い彫刻家・棟方志功の版画や人間国宝・芹沢銈介の屏風などを展示。国境・時代を超えて響きあう美を、目と心で楽しんでみてはいかがでしょうか。楽土庵 Rakudo_An 富山県／砺波市詳細情報はこちら 3．貴族の邸宅のような“泊まれる美術館”で非日常体験を満喫Villa Michael (静岡県／伊東市)2023年7月、静岡県・伊豆高原に開業した「Villa Michael」は、川奈ステンドグラス美術館内にある1日1組限定の“泊まれる美術館”です。英国式石造建築の外観と庭園を前にすれば、まるで古い物語の中に入り込んだような心地になるはず。客室は、約100平米を超える広々とした造り。温もりのあるアンティーク家具が印象的なリビングダイニングには、貴重なアート作品が配されています。また、一歩お部屋から外に出た先には、プールやジャグジー、足湯を完備。美術館では、1800年代のアンティークステンドグラスを中心に、約300の作品を展示。なかには、実際に英国の教会や聖堂、貴族の貴賓室を飾っていた作品もあるそう。幻想的なステンドグラスを鑑賞しつつ、邸宅のようなミュージアムホテルで過ごす非日常な体験を、ぜひ満喫してみて。 Villa Michael 静岡県／伊東市詳細情報はこちら 4．現代アートが点在する、安藤忠雄氏設計のラグジュアリーなホテルThe Shinmonzen (京都府／東山区)2021年12月、フランス・プロヴァンスの「Villa La Coste（ヴィラ・ラ・コスト）」の姉妹ホテルとして京都府・東山に開業した「The Shinmonzen」。設計は世界的な建築家・安藤忠雄氏で、日本の旅館にインスピレーションを受けたという外観は、現代的ながら和の趣を感じる佇まいです。祇園白川を望む全9室の客室には、フランス出身のデザイナー、レミ・テシエ氏が手掛けた温かみのあるインテリアが配されています。お部屋はそれぞれ竹・漆・絹などの自然素材をアクセントにしたデザイン。また「SUISHO」の客室には、他では見られないようなアートが飾られています。お部屋以外にも、ホテルの館内にはゲルハルト・リヒター、ダミアン・ハースト、杉本博司ら新進アーティストの絵画や写真などが点在しており、まるでひとつのアートギャラリーのよう。芸術性に富んだホテルで、知的好奇心を満たす上質な滞在を楽しんで。 The Shinmonzen 京都府／東山区詳細情報はこちらホテルや旅館といった非日常の世界の中で作品と向き合う時間は、旅先の風景と共に、感性を刺激する特別な体験となることでしょう。ぜひ次回の旅の参考にしてみてくださいね。　