美食と温泉を求めて訪れたい、穴場の宿5選

「いい湯といい味。その2つが満たされていれば、ほかにはもう何もいらない」という人も多いのでは？今回、全国からピックアップしてご紹介するのは、そんな美食と温泉の条件を満たす穴場の宿。知っているとちょっと自慢したくなる宿ばかりです。1．非加熱、非加水、掛け流しの湯と、女将のもてなしで寛ぐ塵表閣本店（長野県／上林温泉）愛らしい縮緬人形に座布団、コタツ掛け、露天風呂で使用する湯衣まで女将の手作りという「塵表閣本店」。長野県の上林温泉に佇む6室だけの宿ですが、実は創業120年以上を誇る実力派。夏目漱石、与謝野晶子、川端康成といった、多くの文化人や政治家などにも愛されてきた老舗旅館です。人気の理由はなんと言っても湯の良さでしょう。非加熱、非加水、掛け流しの単純温泉。大浴場や露天風呂はもちろん、客室の露天風呂でも100％の源泉を掛け流しで楽しめます。好評の食事も女将の手作り。とは言っても、単なる田舎料理と侮ることなかれ。しゃぶしゃぶやステーキでいただく「信州牛」や「信州酵母豚しん農ポーク」の美味しいことと言ったら！「信州地鶏のすき焼き」や「ニジマスの蕎麦の実揚げ」も自慢料理の一つです。70歳を超え、今なお奮闘する女将の、心を込めた創作旬会席をぜひ堪能して。塵表閣本店長野県／上林温泉詳細情報はこちら 2．原生林の中の貸切風呂に感動する福島の宿土湯別邸　里の湯（福島県／土湯）「写真で見るより、実際の方がずっと素敵」。このクチコミが全てを物語る「土湯別邸　里の湯」。その写真以上のものとは、原生林の中の貸切露天風呂「深碧」。宿自体が磐梯朝日国立公園の中にあり、露天の湯に浸かっていると深い森に吸い込まれていくような心地になります。「深碧」を含め、3つの貸切風呂も客室の内風呂、露天風呂も、源泉掛け流し。ほんのり硫黄臭のあるアルカリ性単純温泉です。夕食は、旬の力のある素材を丁寧に調理した9〜10品の会席料理。福島には多くの酒蔵があるため、料理と共に味わう地酒も2カ月ごとにラインナップを替えているとか。呑んべいさんなら季節を替えて出掛けたくなりますね。ちなみにチェックイン後に客室でいただく茶菓は、料理長が作る和菓子と抹茶。甘党ファンの心もガッチリつかんでいます。土湯別邸　里の湯福島県／土湯詳細情報はこちら 3．江戸時代から愛される湯治場の風情と囲炉裏料理が好評地獄温泉　青風荘．（熊本県／阿蘇郡）阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳の山麓に立つ「地獄温泉　青風荘．」は、開湯220年余りの歴史ある地獄温泉を守り続ける一軒宿。長きに渡って人々を惹きつけているのが湯！足元からぷくぷくと湯が湧く混浴露天風呂の「すずめの湯」、石の湯船をどんと置いた内風呂の「元の湯」、見晴らしに優れた「たまごの湯」のほか、離れタイプの客室には半露天風呂もあって、どの湯に入ろうか迷うほど。白濁の酸性硫化水素泉や単純硫黄泉など泉質もいろいろで、どの湯船でも源泉100％を掛け流しで楽しめます。ボリュームたっぷりの夕食は、地元の猟師さんが仕留めた天然の猪鍋など、囲炉裏料理が大好評。オーナーシェフ自らがカウンターに立ち、もてなしてくれるプランもあって、話が弾むこともしばしば。そんな会話のやりとりも、大ご馳走となりそうです。地獄温泉　青風荘．熊本県／阿蘇郡詳細情報はこちら 4．シャワーまで源泉100％の湯と山陰の美味が揃う宿岩井温泉　岩井屋（鳥取県／岩井温泉）山陰最古の湯として知られる岩井温泉。日本百名湯にも数えられる湯を、シャワーも含め、全館で掛け流しできる「岩井温泉　岩井屋」。館内には4つの湯船がありますが、特におすすめしたいのは、ステンドグラスが飾られた名物湯「源泉長寿の湯」。泉質は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉。胸元まで湯に浸かる立ち湯で、こんこんと湧く湯は足元から。鳥取県では唯一の「日本の秘湯を守る会」に加盟しています。木造3階建ての情緒ある建物は、廊下も含め、全館畳敷。近郊の窯元の器や民芸家具が飾られた館内は“鳥取民藝”の里ならではの意匠にあふれています。地元の珍味「モサエビ」、夏の「岩牡蠣」、秋の「松葉ガニ」など、美味もいろいろ。「ミシュランガイド京都・大阪+鳥取2019」で二つ星を獲得した食事も、ぜひ楽しんで。岩井温泉　岩井屋鳥取県／岩井温泉詳細情報はこちら 5．とろとろの湯ととろける黒毛和牛に感動する、鹿児島の隠れ家手塚ryokan（鹿児島県／宮之城温泉）きめが細かく、とろけるような舌触り。甘い脂。畜産王国・鹿児島県が育んだ黒毛和牛のしゃぶしゃぶやステーキが絶品と評判の「手塚ryokan」。県内の山間部・宮之城温泉にある宿で、黒毛和牛だけでなく、さつま黒豚やキビナゴなど、鹿児島ならではの素材を用いた創作会席が目を引きます。もう一つの自慢が、質の良い温泉。肌がつるつるになるというアルカリ性単純温泉を、源泉そのままで掛け流しているとか。浴室の設えもなかなかのもの。特に2つある貸切野天風呂のうち「なつはぜ」は、巨石を配した湯船がなんともダイナミックで、風情満点です。　　宿へは鹿児島市内から車で1時間半ほど。アクセスに時間がかかりますが、わざわざ出掛ける価値あり。素敵な湯浴みを体感できるでしょう。手塚ryokan 鹿児島県／宮之城温泉詳細情報はこちら温泉も食事も自慢の穴場宿を、全国からピックアップしてご紹介しました。「リフレッシュしたいな」と思ったら、ぜひこれらの宿へ。季節を替え、何度でも出掛けてみませんか。　