【取材】長野・松川渓谷沿いの老舗温泉宿で、絶景と伝統のおもてなしに癒される


2023.07.27

一休コンシェルジュ

緑豊かな山々に囲まれ、目の前には松川渓谷の壮大な景色が広がる「緑霞山宿 藤井荘」。かつては森鴎外、与謝野鉄幹・晶子など、名だたる文人に愛された老舗の名旅館です。2023年には、将棋の藤井聡太氏が七冠・最年少名人記録を達成した舞台としても注目されました。今回は、信州・高山村の秘境に佇む絶景温泉宿が持つ魅力を、取材を通してご紹介します。長野の大自然に囲まれた歴史ある老舗旅館長野市内より車で約40分。信州の大自然が広がる山道を登り、上信越高原国立公園内の高山村温泉郷に入ると、道沿いに「緑霞山宿 藤井荘」が見えてきます。美しい山々を背景に、威風堂々とした立ち姿でゲストをお出迎え。玄関から建物内に入ると、凛とした和の空気が流れるエントランスが。滞在の期待感を高めてくれます。館内は天井がとても高く、贅沢な造り。設計は、石川県にある老舗旅館「加賀屋」を手掛けた山本勝建築設計室によるもので「藤井荘」の方が「加賀屋」よりも先に建てられたそうです。ダウンライトで落ち着いた雰囲気の中に浮かぶ、藤の花をイメージした照明が印象的です。藤は、屋号紋にもなっている「藤井荘」のシンボル。足元の藤色のカーペットや、エレベーターのドアにも藤の花が。まさに藤尽くしです。到着したゲストには、松川渓谷の絶景が見えるロビーラウンジで、点てた抹茶と茶菓子のおもてなしが。旅路で疲れた身体が癒されます。ラウンジの窓からパノラマで見る渓谷の姿は、まさに圧巻。チェックイン時間になると大きな窓が横に開き、清々しい山の息吹を直接感じることができます。浴室と「月見縁台」から、渓谷の絶景を独り占めできる露天風呂付客室館内を移動してお部屋へ。今回は2022年10月にリニューアルされた露天風呂付客室「藤」と「山桜」の2部屋を見学させていただきました。まずは約158平米の広さを誇る、宿の最上級客室「藤」へ。畳の良い香りがする玄関から、大きな廊下を抜けて室内へと入っていきます。廊下の途中にあるウォークインクローゼットも、この広さ。複数人で泊まっても充分な余裕があります。広々としたリビングは、浴室と透明なガラスで仕切られていて、明るく開放的。もちろん、ガラスの手前にある引き戸を閉めて目隠しすることもできます。リビングと和室をつなぐ廊下部分にあるミニキッチンには「BALMUDA」の電気ポットや、ギフトにも選ばれるような「MARUYAMA COFFEE」のコーヒーと「Ronnefeldt」の紅茶が。カフェインレスの用意もあります。冷蔵庫にあるものは、フリードリンク。地元信州産のリンゴやブドウジュースの他、お茶やビールの用意も。和室には「月見縁台」が備わり、軒先に出れば、松川渓谷の絶景をゆっくりと楽しむことができます。また室内の襖には、創業から120年続く長野の表具店「芳仙洞」の職人による手貼りの金箔が。浴室は「月見縁台」とつながっています。お風呂の真正面にある大きな窓を、横にスライドして開放すると、露天風呂に。御影石の浴槽に浸かって外を眺めれば、綺麗に整えられた小庭越しに、緑溢れる大自然を感じられます。洗い場には、ヘアサロンでも使用されている「Lebel」のバスアメニティ。その質の高さから、プロの美容師からも支持を得ているヘアケアブランドです。脱衣所のアメニティも充実。「MARKS&WEB」のハンドソープや「MIKIMOTO COSMETICS」のスキンケアグッズが揃っています。女性スタッフで意見を出し合って、一つひとつ、ゲストに喜ばれるようなこだわりのものを選んでいるそうです。続いてベッドルームへ。寝室はリビングと戸襖で仕切られていて、開放するとひとつながりの大きなお部屋に。さらにベッド横の障子窓を開ければ、玄関の廊下奥の小庭が借景となり、まるで茶室のような風情を味わうことができます。次に拝見したのは「山桜」のお部屋。広さ約110平米の和洋室です。こちらのリビングも、浴室との壁がガラス窓で仕切られていて、外の風景を眺めながらソファで寛ぐことができます。ソファの奥にはミニキッチンがあり「藤」のお部屋と同様にティーセットが用意されています。もちろん、カフェインレスも。先代が収集していたという陶芸作品の食器を使って、贅沢な気分でお茶やコーヒーを飲むことができます。その他、冷蔵庫内のドリンクもフリーで、ジュースは季節やタイミングによって種類を変えているそうです。和室にはやはり「月見縁台」が。四季折々の渓谷を見に、季節ごとに行きたくなるお部屋です。今回は6月の取材だったので、木々の溢れる緑に、緋毛氈の赤色が美しく映えていました。ベッドルームは奥の別室に。ベッドの横にはデスクと椅子が備わり、寝る前に本を読んだり、お化粧台にしたりと幅広く利用できます。ベッドボードの上に置いてある可愛らしい時計は「芳仙洞」オリジナルの「箔art clock」。白地の織物と和紙を染め、箔を貼って作られた一点物の作品です。ベッドルーム奥のウォークインクローゼットには、パジャマと浴衣セットに、バスタオル、湯かごなどが一通り揃っています。浴室では檜風呂から、外の景色を眺めることができます。窓はスライド開閉式。虫が気になって窓を閉めたとしても、大きな一枚ガラスなので邪魔にならずに風景を楽しめます。浴槽の反対側にある洗い場、脱衣所には「藤」のお部屋と同じく、こだわりのヘアケア・スキンケアのアメニティグッズが並びます。奥深い渓谷美と一体になれる感覚を味わえる温泉大浴場温泉大浴場は、今回は男湯のみ見学させていただきました。入口の暖簾にも藤の花が。内風呂は広々としていて、男湯は檜、女場は御影石の湯船が備わっています。源泉は地元の山田温泉で、1798年からの開湯200余年に及ぶ名湯。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉です。露天風呂からの景色は「藤井荘」の中でも白眉の光景。奥深い自然との一体感を味わうことができます。脱衣所には「Paul Stuart」のアメニティなどが用意されていました。お風呂上がりに嬉しい、高山村の天然水も。目の前にそびえる山からの湧き水です。個室料亭で信州里山の恵みを楽しめるお食事処「東兵衛茶屋」お食事処「東兵衛茶屋」では、夕・朝食共に個室料亭、または御簾席に案内されます。プライベートな空間で、心の込もった風土風味を楽しむことができます。お席には、季節ごとに版のデザインが変わるコースターなどが。6月は紫陽花でした。このような、きめ細やかな気配りの一つひとつが心に響きます。夕食一例朝食一例お食事に使われるのは、近隣で採れた新鮮な食材。地元の伝統的な調理法を取り入れつつ、信州里山の豊かさを味わえる「藤井荘」らしい滋味溢れる料理が提供されます。ぽんぽん鍋また、外せない名物料理は「ぽんぽん鍋」。鍋で熱したオイルで、串に刺された具材を自分で揚げて食べる、特製オイルフォンデュです。地元・高山村産の新鮮な野菜や山菜を、素材の旨みを閉じ込めた揚げたての状態でいただけます。滞在の最後の時間まで楽しめる散歩道とお土産処「ふれあいの路」松川の渓流風景敷地内の散策路「ふれあいの路」は、雨の日は閉鎖となりますが、晴れた日には渓流の川面までお散歩を楽しめます。川まで下るには、歩いて約7~8分。ちょうどいいお散歩コースです。最後は、ロビー階にあるショップへ。北信濃の味覚やジュース、そしてお部屋や館内に飾られている「芳仙洞」のアートパネルなどが購入できます。また「藤井荘」と森鴎外の関係性について書かれたパネルも展示されています。森鴎外は、この地と「藤井荘」をいたく気に入り、作品にも登場させていたそうです。当時の当主に「土地を売ってほしい」とも懇願したとか。ただ、宿から眺める大自然を目にすれば、土地が欲しくなる気持ちも解ります。今回は、信州の山々に囲まれた絶景温泉宿「緑霞山宿 藤井荘」を取材しました。この宿では、ロビーラウンジやお部屋、大浴場からお食事処に至るまで、どの場所からも松川渓谷の美しい風景を浴びるように見ることができます。雄大な自然美と、細やかなおもてなしを感じられる老舗の名旅館で、心と身体を癒す特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。動画記事も併せて読む:https://www.ikyu.com/concierge/90546 緑霞山宿 藤井荘 長野県/山田温泉 詳細情報はこちら  

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緑霞山宿 藤井荘
place
長野県上高井郡高山村奥山田3563
phone
0262422711
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【基本プラン】 藤井荘 スタンダード<1泊2食付>

¥44,550

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2024/05/10 チェックイン(2名1室)※1泊1名あたりの料金   更新日:2024/04/27

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