わざわざ出かけたい、豪雪地帯の雪見露天風呂


2019.02.25

一休コンシェルジュ

奥羽山脈の山懐にある岩手県の西和賀町。実はここ、日本でも有数の豪雪地帯。冬になると、山も川もわずかの民家もすっぽり雪に埋もれ、白一色に染まります。
すべての部屋に半露天風呂を設けた宿「山人(やまど)」があるのはそんな場所。さあ、今こそ、雪見風呂と洒落てみませんか。遠くても「また行きたい」と思わせる宿「山人」に向かうには少々時間がかかります。鉄道を利用するなら東北新幹線の北上駅でJR北上線に乗り換えて「ほっとゆだ駅」へ 。そこから山の中を車を走らせ4時間以上。辺りに今どきのカフェやショップなどはなく、あるのは奥羽の山と川と、昔ながらの湯治場の風情を漂わせる温泉街だけ。何もないと言えば何もありませんが、それでも「山人」を訪れる人のほとんどが「時間がかかっても再訪したい」と顔をほころばせるのは、深い雪に囲まれた宿の風情に惹かれてのこと。そして、寒さとは真逆の温かなもてなしがあるからです。白い雪の中に黒い平屋造りの宿が見えてきたら、そこが「山人」。凍った路面に足を滑らせないよう気をつけてチェックインしましょう。和と北欧が調和したモダンな館内部屋は12室。そのうち小鬼ヶ瀬川に面した「麓樹坊(ろくじゅぼう)」と「麓花坊(ろっかぼう)」にそれぞれ4室ずつ、ロビーに隣接した場所に、メゾネットタイプの「靖山楼(せいざんろう)」が4室設けられています。意外なのは、どの部屋も北欧モダンと和の趣きが溶け合って、洗練された雰囲気が漂うこと。高い天井。ふんだんに使った木の香り。柔らかな明かり。どの部屋も広々とした造りで、長旅の疲れが一気に吹き飛んでいくようです。渓流沿いの雪見風呂冷えた体を温めに早速、温泉へ。部屋の半露天風呂は後からゆっくり味わうとして、まずは渓流沿いの野天風呂「湯場一寸」に。貸切湯(無料)なので、チェックイン時に予約しておいたのです。小鬼ヶ瀬川はすぐ目の前。というより、渓流に張り出すように造られた湯なので、川との一体感が最高! 聞こえるのはせせらぎと風音だけ。しんしんと降る雪を見上げながら湯に浸かっていると、天に昇っていきそうになってこの上ないリラックスを感じます。
泉質はナトリウム-硫酸塩・塩化物泉。もちろん100%の源泉掛け流しで楽しめます。地元の幸を生かした創作料理ところで地元では、昔から山仕事の達人を「山人」と呼んでいました。山仕事の中には当然、山菜やキノコ採り、長い冬の食を支える保存食、狩猟など、食の達人も含まれます。「山人」の調理長・柴田繁氏もそういう意味ではまさに山人。氏の作るジビエ料理は日本料理のコンクールでの受賞歴もあり、ここでの食事を楽しみに訪れるゲストも大勢いるとか。夕食は山の幸がメインの創作料理。朝食は好きなメニューを好きなだけいただける、オーダーシステムとなっています。
郷土料理はもちろんですが、自家農園で収穫した野菜や地鶏を使った料理は「こんな食べ方があったなんて」と、驚くこと、請け合い。次の一皿が運ばれてくるのが待ち遠しくなりますよ。そうそう、地元の名物「大根の1本漬」を見つけたらぜひお試しを。サクサクとサラダ感覚でいただける人気のお漬物です。外は寒くても宿は床暖房でぽかぽか。若いスタッフの笑顔あふれるもてなしも好印象で、温かな気持ちにさせられます。さあ、夜はこれから。今度はお部屋で雪見風呂を楽しむとしましょうか。 山人-yamado- 岩手県/湯川温泉 詳細情報はこちら  

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