草間彌生らの「ドローイング」に注目した企画展、東京都現代美術館で開催


2020.03.11

Harumari TOKYO

ドローイング(線画、デッサン)を、完成した作品の準備段階というよりも、常に変化していく人や社会のあり方そのものを示すとし、その可能性を考えるという「ドローイングの可能性」展。展示は「言葉とイメージ」、「空間へのまなざし」、「水をめぐるヴィジョン」の3つで構成される。石川九楊
《二〇〇一年九月十一日晴 — 垂直線と水平線の物語Ⅰ(下)》2002石川九楊
《もしもおれが死んだら世界は和解してくれと書いた詩人が逝った —追悼 吉本隆明》2012 作家蔵まず「言葉とイメージ」では、イメージだけでなく手書きの言葉も含めて現代における「ドローイング」として捉え、フランスの画家・アンリ・マティスが手書きの言葉と切り絵で構想した挿絵本「ジャズ」や、自ら書き下ろしたテキストを作品化してきた書家・石川九楊の新作などから、イメージと言葉の関係性を探る。戸谷成雄《露呈する《彫刻》Ⅳ》1976/1991 作家蔵
photo:怡土鉄夫戸谷成雄《視線体 — 散》2019 作家蔵
photo:武藤滋生 copyright the artist courtesy of ShugoArtsそして「空間へのまなざし」は、画家や彫刻家が自らの立つ空間を見て、その視線が作品に反映されるという過程を「ドローイング」と捉えている。ここでは、視線が交錯したところに現れる形を表現した彫刻家の戸谷成雄や、壁の上に糸をグルーガンで貼る手法でドローイング制作を行う盛圭太、水玉や網目を描いた草間彌生の初期の作品から、作品制作の中でドローイングが持つ意味を考える。盛圭太《Bug report》2019
photo:木奥惠三 [参考図版]草間彌生《無限の網》1953 東京都現代美術館蔵草間彌生《無題》1952 東京都現代美術館蔵また、ドローイングの表現の主題として、画家の想像力を飛翔させるという「水」をテーマにした「水をめぐるヴィジョン」。ここには、ニューヨークで環境計画を学び、自然の姿を、ドローイングを含めさまざまな形で表現している磯辺行久や、古今の画家のアプローチの要素を取り上げながら新たな表現を作り上げる山部泰司の作品が並ぶ。磯辺行久《ANCIENT ILLUSION》1959 作家蔵山部泰司《横断流水図》2014 作家蔵シンプルな中に、深い表現の可能性を感じられる本展。著名な作家の作品を「ドローイング」という括りで見ることで、新たな発見もありそうだ。 

read-more
東京都現代美術館
rating

4.0

18件の口コミ
place
東京都江東区三好4-1-1 木場公園内
phone
0352454111
no image

この記事を含むまとめ記事はこちら