自然と会話が生まれる千駄ヶ谷の小さなスタンド。店名を地で行く地元のハブ「BE A GOOD NEIGHBOR」


2019.10.03

Harumari TOKYO

-BE A GOOD NEIGHBOR COFFEE KIOSK。(以下、BAGN)このお店はどんなお店なんでしょうか?「近所の多くの人々が毎日ここのコーヒーを飲むために毎日スケジュールを割いているよ。実際、東京にあるコーヒースタンドの中でも、ここよりも多くのコーヒーを提供している場所を僕は知らないかもしれない。それくらいひっきりなしに人が来るんだ。大体みんなテイクアウトして行くんだけど、多くの人は一旦コーヒーを屋内または屋外のベンチで一口二口は飲んで行くね。みんながコーヒーを片手に店の周りに溜まっている光景はある種の展示会のオープニングのようなんだけど、ほとんどの場合、コーヒーを飲んでいるだけなんだ。外から見ると、『あそこなんだろう?』って思うかもね」–ここではどんな時に来て、どんな風に過ごすのですか?場所はあまりなさそうだけど……。「僕は近所に住んでるんだけど、早朝8時30分に営業しているので、学校に息子を送った後、よくここに向かうんだ。週に2回開催されるBAR Timeに飲み物を飲みに行くこともあるね。コーヒー(またはバーの時間にクラフトビールやビオワイン!)を注文して、いつも店内か外のベンチで知り合いとお喋りして、知らないお客様とお喋りして……いつも笑顔でいるね(僕はみんなと話したいんだ!)」-Vaughan、いつも誰かとお喋りしているけど、どうやって知らない人と話し始めるの?話しかけるんですか?「うなずいて笑って『こんにちわ』と言うか、『おいしいね』と言うかもしれません。あるいは、『ここはいいカフェですよね。ここによく来ますか』と言うかも……。そこにいる人々が一体どういう人で、何をしているかに僕は興味があるんだよね。確かに私たちの世代はプライバシーだとか色々問題があることは理解しているし、おそらく一般的なコンセンサスは隣人をまったく知らない方が安全かもしれない。でも僕は、同じコーヒーを美味しいって思っている人のことをもっと知りたいよ」–なるほど。BAGNは非常に小さいお店ですよね。会話を開始するのには逆にいいのかもしれませんね!「そうなんだ!誰かとすれ違うにはまず『すみませ〜ん』って言わなくちゃいけないよね(笑)。だから会話はそうやって自然に始まるかな。あとそういえばお店にあるすべてのチラシに目を通すのが好きなんだ」「CURATOR’S CUBEとPlaymountain(ここと同じくランドスケーププロダクツが運営)で何が起こっているかについての情報を得るんだ。これらは常に私にとって素晴らしいインスピレーションの源。チラシを見ているとスタッフが教えてくれたり、ここには系列店のスタッフさんもよく来るから、詳しい人が教えてくれたりするよ。そうやって、会話が広がっていくんだ」–ここはメインストリートではない裏路地ですよね。主に地元の人がコーヒーを飲みに来るんでしょうか?「確かに多いのは地元の常連客です。たまに観光客が来て、話が盛り上がることもあるんだよ。ある日、モノクルの東京ガイドブックを読みながらやって来た観光客がいて、彼は千駄ヶ谷散策をしていたんだ。あのガイドブックを持っている人はみんな、おそらく日本について何かを発見したか、僕らが知らない日本について何かを知っているみたい」–確かに。掲載されているお店やスポットなど、独特のセンスが光るガイドブックですよね。「千駄ヶ谷は面白い店や場所が多い。住んでいてもまだまだ知らないことが多いよ!僕はいつも町の新しい場所、または“僕にとっては新しい”古い場所について学びたいと思っているんだ。だから、常連客が多い場所に、そういう新しい情報を持った人が現れたりするのって本当に面白いと思うよ。地元の人が『あそこは行った?』とか『ここはこうやって行くのが近いよ』とか教えてあげたりして、また面白い会話が生まれていくのがこのお店の面白いところだと思う」–ここでは必ずコーヒーをオーダーしますか?「コーヒー。または、エスプレッソベースの飲み物かな。すべての商品がとても良いんだ!ある朝お喋りしたお客様が、『BAGNのエスプレッソは、私が飲むことができた初めてのエスプレッソ』と言っていたよ。ミルクチャイやアイスクリームやおいしいどら焼きを販売していたりするけれど、ここではやっぱりコーヒーは特別。バリスタは到着してすぐにショットを取り、ダイヤルインしている。店が閉まった後、エスプレッソマシンをきれいにするのを見たんだけど、きれいなマシンは美味しいコーヒーに不可欠。コーヒーがあまり美味しくないお店は、やっぱりこれが原因だなぁと思うことが多いよ」–彼らは自分たちでコーヒーを焙煎するんですか?「これまでBAGNはさまざまなロースターを使用してきたんだ。僕にとっては色んなロースターの豆を100グラムを購入して試したり、時には別の県のロースターを見つけるのに最適な場所でした。でも速報ニュース! BAGNは2019年の年内に近くにロースター/カフェをオープンするようだよ。6kgのギーセンロースターがある千駄ヶ谷五丁目エリアだって。東京の最高のバリスタ/ロースターの一人である斎藤純さん(ポールバセット、ヌイ、オールシーズンズ)が担当するのも興奮するポイントだな。東京のコーヒー愛好家の多くは、彼が現場に戻ってくるのを待っています!」    –「BE A GOOD NEIGHBOR」という名前。「こうありたい」みたいな想いを感じる店名ですよね。「この店名の意味は何年もかけて僕の中で大きく成長したんだ。お店に行くたびに、または外のベンチに座って書いてあるこの言葉を見るたびに、良き隣人であることを少し思い出させてくれるんだ。時々『友達ってなんだろう?本当に大丈夫かな、もっと時間を作った方がいいのかな』そんなことを改めて考えさせられたりするんだ」–ストレートなメッセージですもんね。そう、でも決して身内のためっていうわけでもなく…。さっき言ったように、新しい会話がたくさん生まれるこの場所でね。うん、だからこのお店の名前、大好きだなぁ。お店のスタッフから名前について何か会話をしたことは一度もないし……。そして彼らがなぜ名前を選んだのか正確にはわからないけど、でも、本当に好きです。それは私の頭の中で良い考えを巡らせるためのいいきっかけとして機能するんだ。だから、日常の中に絶対に必要な存在でこれからもあり続けるね。家の近所にそういう場所があるって本当に素晴らしいことだと思うんだ」–店の前にポストがあるっていうこの立地も人々が行き交う理由として重要な意味がありそうですね。企業の人たちが郵便物を持ってポストに来て帰りにコーヒーを買って帰る姿は、コーヒースタンドとしてとても美しい気がします。日常に溶け込んでいるというか。「 そう、その通り!家族連れも、働いている人も、スタッフも、子供も、観光客もみんなこの場所で“GOOD NEIGHBOR”になれるといいよね」Profile
Vaughan(ヴォーン)PHOTO:Satoru Tadaオーストラリア・メルボルン出身。東京に住んで10年以上。日本のコーヒーカルチャーを世界に発信するインフルエンサー。モデル、音楽プロモーター、イベント企画、キュレーターなど100の顔を持つ東京セレブリティ。
www.vaughan.tokyo
instagram @vja撮影:濱田晋意訳:稲垣美緒(Harumari TOKYO編集部)撮影協力:BE A GOOD NEIGHBOR COFFEE KIOSK /ランドスケーププロダクツ 

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ビー ア グッド ネイバー
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4.5

19件の口コミ
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東京都渋谷区千駄ヶ谷3-51-6
phone
0357703195
opening-hour
[月-金]9:00-18:00[土・祝]12:…
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