神引展望台

「新東京百景」に選ばれた式根島を代表する絶景スポット

式根島に来たら、ぜひ訪れたい見どころのひとつ。新島、伊豆半島、晴れていれば富士山を望むこともできるパノラマが圧巻。眼下には透き通ったブルーの美しい神引(かんびき)湾が広がり、こちらも感動的だ。

リアス式海岸線の複雑さとパノラマの眺望は一見の価値あり

伊豆諸島のなかで最も平坦な島である式根島。その最高峰となるのが神引(かんびき)山で高さはわずか99m。しかし、山頂近くの展望台からの眺望は想像以上にドラマチックで式根島随一の景勝地といってもいいだろう。駐車場から整備された百段ほどの階段を上るとたどり着くのが神引展望台。360度グルリと視界が開け、目の前には3km沖合に浮かぶ新島、さらにその先には利島、伊豆大島の島影が見え壮大だ。伊豆半島や富士山を見ることもできる。そして、圧巻は眼下に広がる神引湾の真っ青な海。溶岩の噴出孔だった場所でブルーのグラデーションの鮮やかさ、水中まで見渡す透明感は驚くほど。このすばらしい眺望によって1983年(昭和58)に「新東京百景」に選ばれている。

平坦ながら植生豊かで変化に富んだ式根島の風景も興味深い

神引湾の美しさは感動的。残念ながら入江に降りていくことはできない

式根島の西側は遊歩道が整備されたネイチャーゾーン。その基点としたいのが駐車場、公衆トイレを備えた神引展望台だ。ここからスタートして3～5km程度、1～3時間ほどのハイキングコースへと出発したい。見どころを押さえたコースとしておすすめしたいのが展望台から絶景ポイントの唐人津城(とうじんづしろ)、隈の井(くまのい)へと進み、展望台へと戻るもの。途中、小休憩をしても1～1時間半程度でまわれる。一部、岩場があるが高低差は少なく、低木林地帯や木洩れ日の森林など表情豊かな自然をたっぷりと満喫できる。もう少し歩きたい健脚向きには御釜湾(みかわわん)沿いに設けられた遊歩道をプラスするコースもいい。途中、三か所の展望台があり沖合に神津島を見ることができる。

森のなかを往く遊歩道。標識が出ているので迷うことはまずない

3つある御釜湾展望台の1つ第一展望台からは遠くに三宅島や御蔵島が見える

ハイキングに加えて水中散策も楽しみたい。そんな場合は展望台から東側に延びる中の浦(なかのうら)海水浴場までの遊歩道を利用したい。展望台からは整備された階段を利用して徒歩約20分。中の浦は展望台の眼下に広がる神引湾のすぐ隣にあり、式根島の人気の高い海水浴場の1つとなっている。トイレ、シャワーなどがあり、夏場は売店やライフガードが駐在する。ここの魅力はなんといっても神引湾に匹敵する海の透明度だ。クリアブルーの遠浅の水中ではカラフルなサンゴ礁や大小の熱帯魚が泳ぎ回り、絶好のスノーケリングスポットだといえる。また、ダイビングのポイントでもあり初心者向けの体験ダイビングもここで開催される。ビーチの両脇のリアス式海岸では磯遊びも楽しい。

夏場は式根島を代表する海水浴スポットの1つとして人気