伊予灘ものがたり
愛媛の穏やかな海沿いを走る観光列車
個性豊かな3つの車両
リニューアルした列車は3両編成。1号車の「茜(あかね)の章」は3~4人掛けのボックス席と2人席をメインに配置。前面の大きなガラス窓からの眺望も楽しめる。2号車の「黄金(こがね)の章」は愛媛の名産である柑橘類と沿線に降り注ぐ太陽をイメージした車両で、海向きのシートと2人席をゆったりと配置。一人参加でも居心地のいい空間となっている。そして、新設された3号車「陽華(はるか)の章」は、定員わずか8名、2名から予約可能な貸切車両で、個室「フィオーレスイート」では、気品あふれるインテリアに囲まれて特別な時間を過ごせる。
「伊予灘ものがたり」には、行先と上り・下りによって4つの名前が付けられている。松山と伊予大洲を結ぶ下りの「大洲編」、上りの「双海編」、松山と八幡浜を結ぶ下りの「八幡浜編」、上りの「道後編」だ。今回は伊予大洲から松山へ向かう「双海編」に乗車した。
たくさんの笑顔に出会える列車の旅
出発20分ほど前にホームへ行くと、すでに多くの人が乗車を待っていた。大洲藩の侍の姿をした人の歓迎を受け、一緒に記念撮影をしたあといよいよ乗車だ。アテンダントの笑顔に迎えられ、予約していた席へ。明るくゆったりとした空間で、大きな窓からの眺めがよさそうだ。列車は定刻の10時57分に静かに動き出した。ホームから皆が手を振って見送ってくれる。走っていても沿線の人たちがあちこちで手を振ってくれる。自宅の庭から、幼稚園から、沿道から、垂れ幕や旗、うちわを手に歓迎してくれる。走行時間にあわせて待っていてくれていたのかと思うと、温かい心遣いに感動だ。
充実した食事やデザートも楽しみのひとつ
出発から30分。車窓の風景を楽しんでいるところに、アテンダントが昼食のお弁当を運んでくれる。「伊予灘ものがたり」は地元の旬の食材を使った食事のサービスも楽しみのひとつ。「双海編」では、ちょうどお昼どきの乗車となるため、事前に申し込めば「内子杉の木箱で彩る和杉膳(わさんぜん)」(5500円)をいただける。「大洲編」ではモーニングセット(3000円)、「八幡浜編」ではフレンチのミニコース(5500円)、「道後編」ではアフタヌーンティーセット(3500円)と、乗車時間帯にあわせたメニューが用意されており、どれも地元の人気店のシェフが腕を振るった自信作だ。
絶景を楽しめる下灘駅で停車
少し早めの昼食をとったあと、列車は下灘駅に到着。ここに10分ほど停車する。乗客は皆、列車を降りてホームで記念撮影をするなどして思いおもいに過ごす。下灘駅はJRが販売する「青春18きっぷ」のポスターや、映画、ドラマ、CMなどに何度も登場した有名な駅。素朴な駅舎のある無人駅で、すぐ目の前には穏やかな瀬戸内の海が広がっている。ただこの景色を眺めているだけで幸せな気分になるが、駅のホームや周辺には地元老人会の人たちが丹精込めて育てた花々が植えられていて、さらに温かな気持ちになれる。
うしろ髪を引かれる思いで再び乗車。おやつにオーダーしたプリンとコーヒーをいただきながら、車窓の風景を楽しむ。瀬戸内の海の美しさは想像以上だ。アテンダントが乗車記念ボードとともに記念撮影をしてくれるサービスもあって、いたれり尽くせり。13時1分、列車は静かに松山駅に到着。約2時間の大満足の列車の旅だった。
スポット詳細
- 住所
- 愛媛県大洲市中村 地図
- エリア
- 大洲・宇和・佐田岬エリア
- 電話番号
- 0878251662
- 時間
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車両・プランにより異なる
【予約受付】
[平日]10:00-18:00
[土日祝]10:00-17:00
情報提供: ナビタイムジャパン