矢堅目(矢堅目公園)
上五島を代表する絶景スポット。塩工房にも立ち寄ろう!
絶景ドライブを楽しみながら矢堅目へ
長崎市から西へ約100km、東シナ海に浮かぶ五島列島の上半分にあたる新上五島町は、中通島と若松島の2つの島からなる。その大部分が「西海国立公園」に指定されている上五島の魅力のひとつが、大自然がつくり出す美しいパノラマ。入り組んだ海岸線と緑の山々、青い海にぽっかりと浮かぶ小さな島々、海を見下ろすようにひっそりと立つ教会。島をドライブすれば、思わず車を停めて写真を撮りたくなるような風景に出合うことができる。そんな上五島で訪れたい絶景スポットのひとつが矢堅目。中通島の玄関口である有川港から車で約30分、奈摩湾を右手に見ながら走っていくと、前方に円錐形をした奇岩が見えてくる。矢堅目はその昔、奈摩湾に侵入してくる外敵を見張るために矢を持った守備隊が配備されていたことから、この名で呼ばれるようになった。
雄大な景色と東シナ海に沈む夕日に感動!
矢堅目へと通じる1本道を行くと、突きあたりに駐車場がある。ここから5分ほど歩いて矢堅目公園へ。岬の突端が展望所になっていて、ベンチがいくつか置かれている。奇岩が正面にそびえ立ち、左手には水平線まで続くコバルトブルーの海、右手には海岸線が弧を描くように奈摩湾が広がっている。聞こえるのは風と波の音だけ。この場所に立っていると、遥か西の果てにやってきたという感慨が湧き上がってくる。矢堅目公園は夕日スポットとしても人気で、水平線に沈む太陽が海と空をオレンジ色に染める風景を写真に収めようと、多くの観光客が訪れる。また、奈摩湾を挟んで矢堅目の対岸にある新魚目(しんうおのめ)地区の白草公園からは、矢堅目の奇岩と夕日を一緒に見ることができ、こちらもおすすめだ。
海水から手間ひまかけて作られる「矢堅目の塩」
矢堅目まで来たら、塩工房に土産物店を併設する「矢堅目の駅」にも立ち寄ろう。公園の駐車場から来た道を1kmほど戻ると、途中の分岐点に「矢堅目の塩」と書かれた看板が出ている。矢堅目と奈摩湾の絶景を一望できる「矢堅目の駅」は、休憩にもってこいの場所で、塩工房の見学もできる。工房に隣接する物産館では、塩のほか五島産のツバキから作られる高品質の椿油、新上五島町の特産品などを販売しており、お土産探しに便利だ。
祖父から塩作りを引き継いだ「矢堅目の塩本舗」代表の川口さんは、祖父の教えに従い、昔ながらの直火炊き製法にこだわる。五島の澄んだ海から汲み上げた海水は、フィルターでゴミやマイクロプラスチックを取り除いてきれいにしたあと、平釜で薪を使って二度炊きし、じっくりと時間をかけて塩分濃度を上げ結晶化させていく。薪で炊くことでうまみや甘みが引き出され、まろやかな塩になるそうだ。また「山が荒れると海が荒れる」といわれるように、山を管理して間伐材を薪に利用するなど、自然にも配慮している。芽ひじきのエキスが入った「藻塩(もしお)」、おにぎり専用の「塩結(えんむすび)」など個性豊かな塩がそろっているので、料理によって使い分けるのもいいだろう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン