伊豆岬灯台

灯台

夕日や星空の絶景スポットとしても知られる伊豆諸島最初の灯台

三宅島をぐるりと1周する都道212号線から脇道に入ると道は海に吸い込まれるかのように下り始める。沖には神津島、式根島や新島の島影が見えてきて、すぐに伊豆岬灯台も姿を現した。

海と空の青色、大地の茶色に白い灯台はよく映えていて目立つ} 海と空の青色、大地の茶色に白い灯台はよく映えていて目立つ

荒々しい海岸に立つ白亜の灯台

想像していたよりも小さく、かわいらしいというのが最初の印象だった。近くに車を止め、降りて見ると、周りの風景とは対照的な優雅さや気品も感じられる。伊豆岬灯台は高さ約10m。灯台にもいろいろと種類はあるものの、これまで見てきたいくつかの灯台が力強さや凛々しさを漂わせていたのに対し、この白い石造りの四角い灯台は、どこかしゃれた雰囲気もかもし出しているような気がした。灯台の先には険しい岩場の海岸が続き、海は激しい波音をたてて打ちつけている。訪ねた日は風がさほど強くないため、広々とした海は白い波が立つこともなく静かにきらきらと輝いていたが、三宅島の沖合いには黒潮が流れ、特に冬には西風が強く吹きつける。伊豆岬沖は海上交通の難所であり、重要な場所だということは、船乗りなど海を知る人たちにとっては常識だという。

伊豆岬灯台へと続く村道からの眺め。前方に新島(右)と式根島、左端に神津島が見える} 伊豆岬灯台へと続く村道からの眺め。前方に新島(右)と式根島、左端に神津島が見える

伊豆諸島で最初に建てられた灯台

伊豆岬灯台は、三宅村役場により伊豆諸島最初の灯台として1909年(明治42)に設置、点灯された。当初は「伊豆見埼灯台」と名付けられた。1949年(昭和24)年からは海上保安庁に移管され、一時「三宅島灯台」と名称が変わったが、その後、現在の「伊豆岬灯台」となった。灯台の高さが約10mなのは前述のとおり。海面からの高さは約24mで、5秒に1回、白い閃光を発し、その光は12海里(約22km)沖まで届くという。2000年(平成12)の三宅島噴火の際には灯が消えたものの、その2年後に復旧された。100年以上にわたる伊豆岬灯台の歴史やその役割に思いを馳せると、この決して大きくはない灯台の偉大さもよく理解できる。灯台の近くにはいくつかベンチも用意されていて、ゆっくりと風景を楽しむこともできる。最近は、夕日や星空を満喫できるスポットとしても人気となっている。

灯台の周りにはベンチが3つほど設置されていて、海を眺めながらくつろぐことができる} 灯台の周りにはベンチが3つほど設置されていて、海を眺めながらくつろぐことができる

光源のある灯室など最上部は鉄筋コンクリート造りに改築されている} 光源のある灯室など最上部は鉄筋コンクリート造りに改築されている

灯台周辺の地層にも注目しながら散策

伊豆岬灯台を訪ねた際は、周りの地層にも注目したい。灯台に続く道路の脇には、「ジオスポット 伊豆岬」という案内板があり、ここの地層が「三宅島の中でも最も美しい地層のひとつ」と紹介されている。それによると、道の上側の地層は2500年前に堆積したものとのこと。道の下側には2500年前より古い時代のものが堆積している。海岸の岩場にも興味深い地層が広がっている。歩いていき陸側を振り返ると、いろいろな地層を眺められる。地層というと、少々マニアックなものと思われるかもしれないが、地層がどのような地球の歴史を物語っているかを詳しく知らなくても、その模様の重なり方の多彩さや、岩場の景色のダイナミックさには目をひかれることだろう。ただし、足元にはじゅうぶん注意しながら、海岸の散策を楽しみたい。黒い岩場の海岸から見る伊豆岬灯台は、また違った印象で見えてくる。

風はそれほど強くなかったが黒々とした海岸には激しく波が打ちつけていた} 風はそれほど強くなかったが黒々とした海岸には激しく波が打ちつけていた

灯台の先へ歩くといろいろな地層を見られる。足元にはくれぐれも注意を} 灯台の先へ歩くといろいろな地層を見られる。足元にはくれぐれも注意を

海岸から眺めた灯台。険しい大地の上に立っていることがよくわかる} 海岸から眺めた灯台。険しい大地の上に立っていることがよくわかる

スポット詳細

住所
東京都三宅島三宅村 map map 地図
電話番号
0499451144
備考
※電話番号は三宅島観光協会に繋がります。

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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